ロッテ鈴木大地内野手が初球で決めた。延長10回1死満塁、オリックス近藤の146キロの直球を右翼線へ。

「絶対回ってくると思っていたので準備はできていた。うれしすぎて覚えていないが、気づいたらみんながいてうれしかった」と一塁上でヘルメットを投げ喜んだ。試合に敗れれば単独最下位に転落する危機を救った。

3月29日の開幕戦、試合開始5時間前の人気のないグラウンドで三塁付近に近寄ると、しゃがみ込み地面に手をついた。「今日から1年間が始まる。主に守るのはあそこ(三塁)になると思うので」とそっと目を閉じた。

532試合連続出場を続けながらも、3年連続のコンバートを経験した。今季は新加入のレアードにポジションを奪われ、ベンチで開幕。出場機会はなくチームが勝っても喜べない自分がいた。「試合に出られないのはめちゃめちゃ悔しかった。でもいつかはチャンスが来ると思っていた」。打席ではファンの声援を力に変え、ベンチでは最前線に立ち声を出し続けた。

4日の西武戦から不振の井上に代わり一塁を守り始めた。三塁ではなかったが「今までの自分じゃ考えられないファーストで試合やってますけど、試合に出ることがうれしいし楽しい」。ポジションは関係ない。大地は大地だ。【久永壮真】

 

ロッテ井口監督(鈴木について)「チームの核になる選手。『必ずレギュラーに戻る日はある』と伝えていた」