韓国の地上放送3局と通信大手が動画配信サービス,Netflixなどに対抗

韓国の地上放送3局と大手通信会社がそれぞれ運営する動画配信サービスが経営統合し,9月18日から「wavve(ウェーブ)」として新たにサービスを開始した。

統合したのは地上放送KBS,MBC,SBSが運営するPOOQと,SKテレコム傘下のoksusuで,合わせて1,400万人の加入者を持つ国内最大の動画配信事業者が誕生した。

韓国ではNetflixが2016年に進出。ニールセン・コリアの調査によると,2019年7月時点での契約者数は前年の4倍以上の186万人と急成長している。さらに米DisneyやAppleも今後,世界各地で動画配信サービスを始める計画で,海外勢の進出に対する危機感が背景にあるとみられる。wavveは「韓国のOTT連合軍として,国内メディアとコンテンツ産業を守る役割を果たす」としている。

wavveの基本プランは月額7,900ウォン(約710円)で,Netflixより安く設定されている。しかし,5月に韓国の市場調査会社が行った顧客満足度に関する調査では,POOQ,oksusuともにNetflixを下回る結果が出ており,オリジナルコンテンツの質をいかに高めていくかが今後のカギになるとみられる。

wavveは地上放送などの番組や海外ドラマを無制限に視聴できるサービスに加え,2023年までに計3,000億ウォン(約270億円)の資金を独自のコンテンツ制作に投資する計画。さらに放送局の制作力とSKテレコムが持つ人工頭脳(AI)や仮想現実(VR)などの技術を結びつけた新たなコンテンツを開発し,競争力の強化を図りたいとしている。

鄭榮蘭

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