募集「悩み」や質問募集 僧侶3人がお答えします

政治

安倍氏銃撃事件現場の剥がしたアスファルト舗装の一部を譲って - 自民党奈良市議団

関連ワード:

安倍首相が倒れた事件現場付近。駅北口周辺整備事業が最終段階を迎えている=6日、奈良市の近鉄大和西大寺駅北側

 昨年7月8日に奈良市の近鉄大和西大寺駅北口前で参院選の応援演説中、凶弾に倒れた安倍晋三元首相の事件現場について、6日、市議会3月定例会の代表質問で、慰霊のモニュメント設置などを求めた自民党市議団が「現場のアスファルト舗装の一部を剥がし、会派に譲っていただけないか」と提案した。突然の申し出に仲川元庸市長は、「遺族からそういう声が出れば検討も必要だが、今の段階でお譲りするのが妥当か、即答し兼ねる」と答えを保留した。

 

 安倍氏銃撃現場は現在、本年度末完了に向け、市の駅前広場周辺整備工事が最終段階となっている。現場付近は2車線の車道になり、西側の歩道が最大幅16メートル幅に拡幅される予定。交差点付近には現場を訪れる人が手を合わせられるよう、花壇が整備されることになっている。

 

 6日の代表質問で「自民党・結の会」の森田一成幹事長が事件後初めて公式に現場保存について触れ、「事件の後、現場保存に関しては市内に限らず全国からさまざまな声があったにも関わらず、市長は『有識者に聞いた』などとして、議会にも諮らず独断であり方を表明したのは乱暴で議会軽視。わが会派として承諾し難く残念だ」と批判。

 

 3月定例会にも現場保存や慰霊碑設置を求める陳情書2件が出ていることなどを挙げて、「事件現場は歴史的にも忘れられることはなく、モニュメントは必要。花壇がその役割を果たせるとは思えない」と主張。現場が今回の工事により「外側線と歩道ブロックの間」となることについて、「ならば歩道をもう少し拡張し、現場を歩道に取り込むべき」などと道路線形などについて再考を求めた。

 

 仲川市長は「モニュメント設置についてはさまざま検討したが、慎重な意見もあり構造物ではなく市として当初予定していなかった花壇にして弔意を受け止める形にした」とし、「実際に事件が起きた場で手を合わせることができ、安らぎの場として人々の目を楽しませてくれる場として、花壇が役割を果たしてくれることを期待したい」と答弁。予定以上に歩道を拡幅すれば大型車に通行の支障が出るなどを説明し、理解を求めた。

 

 しかし、アスファルトは剥がした後、産業廃棄物として処分されるため、森田氏は「元首相が倒れられた地点のアスファルトを、単なる産廃として処分されることは容認できない」と食い下がり、「その地点のアスファルトの一部をわが会派にお譲りいただきたい」と要求。仲川市長は驚いた表情で、「忍びないとの気持ちは理解できるが、いろんなところから同様な声が出る可能性がある。調整が難しい」とした。

関連記事

特集記事

人気記事

  • 奈良の逸品 47CLUBに参加している奈良の商店や商品をご紹介
  • 奈良遺産70 奈良新聞創刊70周年プロジェクト
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 特選ホームページガイド