リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

INTERVIEW

2018.12.17

OxTスペシャルインタビュー!TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』OPテーマ「UNION」に込められた想いをふたりに聞く!

OxTスペシャルインタビュー!TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』OPテーマ「UNION」に込められた想いをふたりに聞く!

『ウルトラマン』シリーズなどを手掛ける円谷プロが93年に制作した特撮ヒーロードラマ『電光超人グリッドマン』をベースに、雨宮 哲監督(TRIGGER)が舞台を現代に移した新たなストーリーを描くTVアニメ『SSSS.GRIDMAN』。随所に挿入される原作や様々な特撮への愛に溢れたオマージュに加えて、回を追うごとに謎が深まるストーリーが人気を呼び、今期の深夜アニメ屈指の大きな話題を呼んでいる。本作の主題歌を担当しているのが、それぞれが若手アニソン界屈指のヒットメイカーとして知られるオーイシマサヨシとTom-H@ckのユニット・OxT。彼らに、OPテーマ「UNION」の制作秘話や、楽曲に込めた思いを聞いた。

いちアニメファンとしても「これが売れてほしい!」と思えるような作品

――『SSSS.GRIDMAN』は93年放送開始の特撮ヒーロードラマ『電光超人グリッドマン』を元にしたTVアニメで、特撮ヒーロードラマへの愛やオマージュが詰まったものになっていますね。おふたりが感じる特撮作品ならではの魅力とは、どんなものだと思いますか?

オーイシマサヨシ それはやっぱり、「圧倒的な憧れがそこに存在する」ということだと思います。僕自身、子供の頃は「ウルトラマンに変身したい!」と思っていたし、幼稚園ではみんながスペシウム光線を出していたし。そんなふうに、小さな子供が夢中になれる――。

――「少年の夢」が詰まっている、と。

オーイシ はい。それに、『SSSS.GRIDMAN』でも特撮ファンの方々が作中に隠されたいろいろなオマージュを見つけて楽しんでくださっているように、そのとき感じた憧れって、大人になっても持ち続けられるものだと思います。Tomくんも、小さい頃から特撮は観てた?

Tom-H@ck 観てた。小さい頃、輪ゴムでスペシウム光線を出したりしてたもん(笑)。特撮作品は街のミニチュアの作り込みもすごいですよね。しかも、そうやってていねいに作ったものを、撮影のために思い切って壊してしまうというのもすごい。

オーイシ たしかに。今回の『SSSS.GRIDMAN』は特撮愛があるゆえに、アニメでもそのミニチュア感を意識している、という話を聞きました。車の飛び方も特撮的なものが意識されていて、「バーン!」と飛んでビルに刺さっちゃう(笑)。グリッドマンの質量も、中に人が入っているかのような重量感がアニメーションでも表現されていて、この辺りも「雨宮監督のこだわりなのかな」と思いながら毎週楽しみに観させてもらっています。僕としては、シナリオもキャラデザも、作画も劇伴も、手前味噌ですが僕らや内田真礼さんが担当したOP/EDテーマも、すべての要素がカンストして(上限に達して)いる、いちアニメファンとしても「これが売れてほしい!」と思えるような作品だと思っています。

Tom-H@ck 僕もまったく同意見ですね。僕はアニメ好きというよりも一般の人の感覚に近い人間なので、最初は「特撮ドラマをアニメ化しても、ヒットしにくいんじゃないか?」と思っていたんですよ。でも先行上映を観て、その気持ちを全部ひっくり返されました。いろいろなもののクオリティがすべて高くて、「こんなことってなかなかないぞ」と感じました。

――オーイシさんは、シナリオを読んだ時点でかなり感動していたそうですね。

オーイシ もう面白すぎて、最初から最後まで一気読みして。それで感動してしまって、すぐにTomくんに「この作品、ヒットしそうだね。曲もいいものにしよう」と電話したのを覚えています。

――では、そこからサウンドの方向性をどんな風に考えていったんですか?今回はオーイシさんが作詞作曲、Tom-H@ckさんがアレンジを担当していますね。

オーイシ 僕が曲作りの段階でまず考えたのは、『SSSS.GRIDMAN』で(響)裕太や(宝多)六花たちが組む「グリッドマン同盟(=UNION)」の雰囲気が、「自分の経験に照らし合わせると、何に近いだろう?」ということでした。その結果、僕にとってのそれは、やっぱり2000年代初頭の「バンド」だったんです(オーイシは2000年代初頭にデビューしたロック・バンド、Sound Scheduleでキャリアをスタート)。そこで、当時のバンド感が伝わるような楽曲で懐かしさを出しつつも、同時にアレンジでモダンな要素を加えてもらって、今回の『SSSS.GRIDMAN』のような「懐かしいもの」と「新しいもの」のハイブリッドを目指しました。Tomくんにアレンジを任せれば、おのずと楽曲がモダンになると思ったんです。

若い人から年配の人まで、誰が聴いても楽しめるような「王道」が表現できるようなアレンジを意識して

――なるほど。「グリッドマン同盟」の雰囲気を表現するために、バンド・サウンドに方向性を定めていったんですね。

オーイシ 最初の着想はそこでした。同時に、『SSSS.GRIDMAN』はあくまでTVアニメなので、特撮ファンの人に向けて「ヒーローソング」っぽくしすぎることで聴く人を限定してしまわないように、男の子でも女の子でも聴ける「間口の広さ」も意識していましたね。

Tom-H@ck アレンジの面では、オーイシさんから「バンド・サウンドにしたい」という話があったので、極力電子音は入れないようにしたほうがいいのかな、と。そこで、今回は生のストリングスの音や、生のピアノの音を中心にアレンジしていきました。でも、いちばん大切だったのは、何と言っても「王道感」です。変なことはしないで、若い人から年配の人まで、誰が聴いても楽しめるような「王道」が表現できるようなアレンジを意識していきました。

――それがヒーローソング特有の王道感に繋がっているのかもしれませんね。また、「君を“退屈”から救いに来たんだ!」というサビ終わりのフレーズを筆頭に、歌詞も素晴らしいものになっていると思います。「ヒーローってこういうことだよな」という魅力を、そのまま言葉にしてくれているように感じました。

オーイシ そう言ってもらえるとうれしいです。やっぱり、「ヒーロー」の魅力ってそこに集約されていると思うんですよ。自分たちが退屈に思っているような日々にやってきて、圧倒的な魅力で日常を彩ってくれる。僕自身、ヒーローにそんな魅力を感じていましたし。

――実際、子供の頃ってTVの前でワクワクしながらヒーローを待っていましたよね。

オーイシ そうそう。僕も本当にそうで。そういう自分の実体験も加えた歌詞だからこそ、今回の「UNION」はいろんな方に届いてくれたのかな、とも思います。そういえば、僕が主題歌を担当させてもらった同じ円谷プロさんの作品『ウルトラマンR/B(ルーブ)』のウルトラマンライブでも、子供たちが「ウルトラマーン!がんばれー!!」と夢中で応援していて。たとえ僕の歌の最中でも、ウルトラマンが出てきた瞬間に子供たちの意識は完全にそっちに行ってしまうんです(笑)。ヒーローはそれだけ子供が夢中になれるもので。その熱気や憧れを体験できたからこそ、今回に生かせたこともあったのかもしれないです。

――なるほど。『ウルトラマンR/B(ルーブ)』での経験も生きたかもしれない、と。

オーイシ あと、今回の『SSSS.GRIDMAN』は93年の原作あってこその作品なので、「93年に原作を観ていた人たちが、今どんな大人になっているんだろう?」ということも想像しました。特にアニメのオープニングでは使われない2番の歌詞(「ヒーローになれやしないんだって/主人公は誰かやるでしょって/知らぬ間に諦めたりしないでよ」)は、「今は大人になったすべての子供たちに捧ぐ」という気持ちで書いたものですね。僕もそうですけど、子供の頃描いていた夢と現実との違いって、多くの人が感じることだと思うんです。かつて夢を見ていた少年が大人になって、「俺、このままでいいのかな」と不安を感じるようなことって、きっといろんな人たちが経験しているはずで。だからこそ、何十年も経ってグリッドマンが好きな人たちが再び集う機会でもある『SSSS.GRIDMAN』の楽曲として、そういう人たちにも響くようなものにしたいと思っていました。そうすることで、ただのアニソンでは終わらない、『電光超人グリッドマン』と『SSSS.GRIDMAN』のふたつを繋ぐような楽曲になるんじゃないかと思ったんですよ。

――そういう意味では、今回カップリングに『電光超人グリッドマン』の主題歌「夢のヒーロー」のカバーが収録されていることも、大きな意味がありそうですね。そうすることでふたつの時代が繋がっていくような雰囲気が生まれていると思います。

オーイシ そうですね。円谷プロさんのイベントで、原作の頃のグリッドマンと、今回の新しいグリッドマンが一堂に会する機会があったんですけど、そのときのファンの方々の盛り上がりも、本当にすごいものだったそうで。やっぱり、原作と新しいものとが混ざる瞬間のエネルギーってすごいものがあるんですよね。そして、その瞬間ってある意味、「俺たちが信じた時代は間違いじゃなかった」と、自分が通ってきた過去を認めてもらえる瞬間でもあると思うんです。その雰囲気を、今回のシングルでも表現したいと思っていましたね。

Interview & Text By 杉山 仁


●リリース情報
『SSSS.GRIDMAN』OP主題歌
「UNION」OxT
発売中

品番:PCCG-70434
価格:¥1,250+税

<CD>
M1:UNION
作詞・作曲:大石昌良 編曲:Tom-H@ck
M2:夢のヒーロー OxT ver
作詞:大津あきら 作曲:鈴木キサブロー 編曲:Tom-H@ck
M3:UNION Instrumental
M4:夢のヒーロー OxT ver Instrumental

●作品情報
『SSSS.GRIDMAN』

TOKYO MX 毎週土曜日 深夜1:00~1:30予定
MBS 毎週土曜日 深夜2:08~2:38予定
BS11 毎週土曜日 深夜1:00~1:30予定
WOWOW 毎週土曜日 深夜0:00~0:30予定

【スタッフ】
原作:グリッドマン
監督:雨宮 哲
脚本:長谷川圭一
キャラクターデザイン:坂本 勝
グリッドマンデザイン:後藤正行(円谷プロ)
アレクシスデザイン:コヤマシゲト
怪獣デザイン:西川伸司 /丸山 浩 / 板野一郎 / 山口 修 / 前田真宏
アシストウェポンデザイン:野中 剛
ジャンクデザイン:三宮昌太
ヒロイック作画チーフ:牟田口裕基
3DCG監督:宮風慎一
3DCG制作:グラフィニカ
美術監督:渡辺幸浩(アトリエPlatz)
色彩設計:武田仁基
撮影監督:山本弥芳(グラフィニカ)
編集:吉武将人(グラフィニカ)
音楽:鷺巣詩郎
音楽制作:ポニーキャニオン
音響監督:亀山俊樹
音響効果:森川永子
ラインプロデューサー:竹内雅人
アニメーションプロデューサー:舛本和也
アニメーション制作:TRIGGER

【キャスト】
響 裕太:広瀬裕也
グリッドマン:緑川 光
内海 将:斉藤壮馬
宝多六花:宮本侑芽
新条アカネ:上田麗奈
サムライ・キャリバー:高橋良輔
マックス:小西克幸
ボラ―::悠木 碧
ヴィット:松風雅也
謎の少年:鈴村健一
アレクシス・ケリヴ:稲田 徹
六花ママ:新谷真弓
なみこ:三森すずこ
はっす:鬼頭明里

OP主題歌 : OxT「UNION」
ED主題歌 : 内田真礼「youthful beautiful」

©円谷プロ ©2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会

関連リンク

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP