葛飾ゆかりの人 か行

加太 こうじ

評論家、紙芝居作家

KATA,KOUJI (1918-1998)

加太 こうじ

[在住期間:1941頃~1998] 地区:東金町

人気紙芝居「黄金バット」の2代目作者であり、戦後の紙芝居ブームで総元締め的役割を担った。紙芝居衰退の1960年代以降は、評論活動へ転向。主な著書に『紙芝居昭和史』、『小説 黄金バット』など。

略歴

1918年
東京都浅草に生まれる。関東大震災後、荒川区に転入。小学校上級の頃から紙芝居の絵を描き始めた。
1932年
紙芝居の作者兼絵描きとなり、人気紙芝居「黄金バット」の2代目作者となる。
1938年
太平洋美術学校卒業以後、江戸川区に転じ、さらに葛飾区に移る。
戦後、紙芝居復興運動の先頭に立つ。紙芝居衰退の1960年以後、文筆業に転業。大衆芸能や江戸小咄などを素材に世相・風俗・文化史などの評論を始める。
1980年
“思想の科学社”社長兼編集長に就任。
1986年
日本福祉大学教授に就任、1988年からは客員教授となる。
1990年
長年にわたり広く文化の分野において、東京に関わりのある顕著な業績をあげ、都民文化の向上発展に多大な貢献をした人物に東京都から贈呈される、第6回 東京都文化賞を受賞。
1998年
葛飾区東金町にて80歳で死去。

鴨下 信一

演出家 作家

KAMOSHITA,SHINICHI (1935~2021)

鴨下 信一

[在住期間:1981~ ] 地区:亀有

TBS入社後、数々の歴史に残る番組を演出した。代表作に「岸辺のアルバム」、「ふぞろいの林檎たち」、「女たちの忠臣蔵」など。また、古今東西の文章に造詣が深い、博覧強記の文章家でもある。主な著書に「忘れられた名文たち」シリーズなど。

略歴

1935年
東京生まれ。
1958年
東京大学文学部美学科卒業後、TBSに入社。ドラマ・音楽などの番組を数多く演出。
制作局長・常務を経て、現在TBS相談役。
主な演出作品に「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎たち」「女たちの忠臣蔵」「高校教師」「日曜劇場」など、歴史に残る名番組が多い。舞台演出家としても世評が高く、特に白石加代子の「百物語」「源氏物語」は、朗読を一人芝居に高めた画期的な作品として注目を浴びている。
また、主な古今東西の文章に造詣が深い、博覧強記の文章家でもある。中でも著書『忘れられた名文たち』Ⅰ・Ⅱは、日本人の名文を掘り起こす異色の文章読本となっている。この他、著書多数。
2021年
肺炎のため85歳で死去。

栗本 薫(中島 梓)

小説家、エッセイスト

KURIMOTO,KAORU (NAKAJIMA,AZUSA) (1953~2009)

栗本 薫(中島 梓)

[在住期間:1953~1981] 地区:青戸

SF、ファンタジー、ホラー、ミステリー、時代・伝奇小説と幅広く大作でありつつも、それぞれの分野で人気を博し、さまざまなベストセラー作品を生み出した。主な著書に100巻超の未完の大作「グイン・サーガ」シリーズなど。

略歴

1953年
東京都葛飾区青戸に生まれ育つ。
1977年
評論「文学の輪郭」で第20回 群像新人賞を受賞し、文芸評論家としてデビュー。
1978年
翌年には、“栗本薫”名義にて「ぼくらの時代」で第24回 江戸川乱歩賞を受賞し、推理作家としてもデビュー。20代の若さでの立て続けの受賞、加えて乱歩賞の当時史上最年少受賞者であったことなどから、非常に脚光を浴びた。
1979年
SFファンタジー「グイン・サーガ」シリーズを、全100巻の完結を目指して執筆を開始。
26年目の2005年「豹頭王の試練」で堂々100巻を達成。(以後続刊し、正伝130巻・外伝21巻で未完のまま終了)SF、ファンタジー、ホラー、ミステリー、時代・伝奇小説と幅広く多作でありつつも、それぞれの分野で人気を博し、さまざまなベストセラー作品を生み出した。
一方、評論活動や作詞・作曲、ミュージカルの脚本・演出を手がけるなど、様々な方面でその多彩な才能を発揮。
2009年
すい臓癌のため56歳で死去。