松本功氏

松本功氏

 ロームは11日、松本功取締役常務執行役員(59)が同日付で社長に昇格するトップ人事を決めた。藤原忠信社長(66)は代表権のない取締役となり、6月26日の株主総会後に取締役も退く。ものづくり強化を打ち出し、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業の立て直しを急ぐ。

 松本氏は高密度集積回路(LSI)開発などに携わり、国内外の主力工場で責任者を務めた。ローム創業者で1月に死去した故佐藤研一郎氏以来の技術者出身のトップとなる。
 新体制で新型コロナ感染拡大の影響を受けた供給網や生産体制を再編し、中期経営計画の策定を進める。松本氏は京都市内で同日開いた記者会見で「生産改革を行い、チャレンジ精神を持ってロームを再び成長軌道に乗せる」と抱負を語った。
 藤原氏は営業出身で、経営効率化や組織改革を進め、中国など海外での販売を強化した。同社は役員の定年を66歳と規定。自ら進めた改革にめどが付いたことから、就任2年での交代を決めたという。取締役退任後は顧問に就く見通し。

 松本 功氏(まつもと・いさお)九州工業大卒。1985年ローム入社。ローム浜松LSI生産本部長、取締役LSI生産本部長などを経て、2019年9月から取締役常務執行役員。福岡市出身。