1999年12月21日

神鋼リースの株式譲渡について

 

 当社及びセントラルリース株式会社(社長:渡辺基彦氏 以下セントラルリース)は、リース事業を行う当社の全額出資子会社「神鋼リース株式会社」(以下神鋼リース)の株式の80%をセントラルリースに譲渡し、両社の合弁事業とすることで本日基本合意致しました。今後、譲渡価格をはじめ具体的な詳細事項について協議を行い、来年の3月末を目処に株式譲渡する予定です。なお、社名は引き続き「神鋼リース株式会社」を使用し、従業員についても現状の雇用体系のまま引き継がれる予定です。

 神鋼リースは1987年に設立され、当初は神鋼グループ向けのリースを中心として事業展開してきました。現在では神鋼グループ以外への業容拡大を積極的に展開して神鋼グループ外へのリース比率を30%強とするとともに、建設機械のリースに強みを持つ中堅リース会社として、安定した収益を確保しています。しかしながら、規模の拡大を目指すリース業界再編の流れの中で、神鋼リース単独での業容の拡大には限界があるとの認識を持っていました。そのため、神鋼リースが今後とも業容拡大を行い着実に収益を確保していくためには、リース業を本業とするパートナーが必要との観点から、合弁による展開を検討してまいりました。この様な状況の中で、リース業界大手のセントラルリースとの合弁を検討する機会を得、資本参加頂くことでリース事業の一層の飛躍が図れると判断したものです。
 セントラルリースは、東海銀行系のリース会社としてリース業界大手の一角を占め、幅広い営業基盤、先進的なノウハウを有しており、また神鋼リースは、神鋼グループを核とした関西地区の営業基盤と建設機械リースに関するノウハウを持っており、これらを組み合わせることで今後リース業での高いシナジー効果が期待されます。

 当社は現在『事業の選択と集中』を推進しています。今回の神鋼リース株式の一部譲渡は、「コアビジネスではなくシナジー効果の低い事業については、事業の統合・M&Aを含めた強化策を実施する」という、まさに当社のこの方針に合致するものであります。

 

(ご参考)

<神鋼リース株式会社の概要>

(1)社   名:神鋼リース株式会社

(2)本   社:神戸市中央区脇浜町2丁目10番26号

(3)社   長:外海 鐵平(そとみ てっぺい)

(4)資 本 金:10億9千万円(神戸製鋼 100%出資)

(5)設立時期:1987年7月

(6)売 上 高:408億円(1999年3月期)

(7)従業員数:97名(1999年9月末現在)

(8)事業内容:動産のリース、割賦販売 等

 

<これまで実施してきた『選択と集中』の概要について>

項 目

概 要

①LSIデザイン事業の再編成

半導体の設計・サービスを行う新会社を設立。(99/2)半導体販売事業を神鋼商事に全面移管。(99/2)

②豊橋FA・ロボットセンター
 の廃止

溶接ロボットを藤沢工場へ、塗装・ハンドリングロボットを高砂製作所に移転・再配置。(99/4)

③建設機械事業の再構築

当社建設機械カンパニー、油谷重工、神鋼コベルコ建機を一体化してコベルコ建機(株)を設立。(99/10)これに伴い、建機事業に従事する従業員を9月末に転籍を実施。(転籍者数629名) さらに、クレーンの生産拠点を高砂に集約することを前提として、大久保工場と高砂工場の集約・再配置を検討中。

④米国での棒鋼・線材事業の
 強化

当社と米USX社との折半出資の合弁事業であるUSS/KOBE社の棒鋼・線材部門と、米国投資グループ参加の2社の電炉メーカーと合併し、新会社を設立。(99/8)

⑤ナブコによる自動車用ブ
 レーキ事業の再構築

乗用車ブレーキ部門は、自動車機器(株)を母体としてボッシュブレーキシステム社に営業譲渡を実施。(99/10)商用車(バス・トラック)ブレーキ部門は独クノール社との協業について基本合意。

⑥大阪製鎖造機(株)株式の譲
 渡

同社の株式を変・減速機のトップメーカーである住友重機械に譲渡。(99/5 譲渡額約5億円)

⑦銅板圧延事業に関する業務
 提携

 

 切削工具事業の譲渡

当社、三菱マテリアル、三菱伸銅の3社の間で、銅板圧延事業、リードフレーム加工事業及びその周辺事業並びにこれらの原材料となる銅合金の溶解・鋳造に関して協力・提携関係を構築することで基本合意。(99/7)

神鋼コベルコツールの全株式を三菱マテリアルに譲渡することで基本合意。(99/8)譲渡額としては140億円を基本として最終的な金額を決定する。譲渡時期は00/1を予定。これに伴い、工具事業に従事する当社従業員を本年12月末に転籍を実施することで労組と合意。(転籍対象者数 500名程度)

⑧原子力発電用燃料被覆管の
 住友金属との合弁会社設立

神鋼特殊鋼管と住友金属の燃料被覆管部門を分離・統合し、折半出資の新会社を遅くとも00/4までに設立。(資本金5億円未満)

⑨ソフト子会社の譲渡

当社全額出資子会社であるサイバネットシステムの全株式を富士ソフトABCに譲渡。(99/10 譲渡額35億円)

⑩米国プラスチック成型・加
 工子会社の譲渡

当社全額出資子会社であるグラスチック社を米国クロフォード社に譲渡することで合意。(99/10)

譲渡時期は12月末までを予定。

⑪ステンレス溶接材料の生産
 会社設立

日本油脂との合弁でステンレス溶接材料を00/4を目処に設立。(資本金4億円、当社出資比率66%)

⑫米国パイプ事業の譲渡

米国パイプ部門合弁会社における当社全出資持分をUSX社に12月末までに譲渡。

⑬ロボット事業の再編

塗装ロボット事業を川崎重工へ、ハンドリングロボット事業をオークラ輸送機へそれぞれ00/4を目処に移管。

以 上


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