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地元で働く ひょうご企業探訪2016

(3)早駒運輸(神戸市中央区)
遊覧船で港に親しみを

2016.08.03
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渡辺真二社長(右)に話を聞く関西大3年の大久保有理さん=神戸市中央区波止場町

渡辺真二社長(右)に話を聞く関西大3年の大久保有理さん=神戸市中央区波止場町

多彩なイベントが催される遊覧船「ファンタジー号」(早駒運輸提供)

多彩なイベントが催される遊覧船「ファンタジー号」(早駒運輸提供)

 1885(明治18)年、神戸港を拠点とする荷役業者として創業した。船舶を離着岸させる「繋離(けいり)船業」にも進出。現在は神戸から岡山県にかけての港でも曳航(えいこう)サービスを展開する。遊覧船事業にも注力し、多彩な工夫で乗船客を楽しませている。

 -事業内容を具体的に教えてください。

 「繋離船業は入港船から降ろされたロープを受け取り、岸壁の突起物にかけて着岸させるとともに、出港する際にはロープを適切に外す作業をいいます。船の大型化とともに、さまざまな事業を手掛けてきました。沖合の船と岸壁を行き来して乗組員らを運ぶ通船業や、タグボートで大型船の離着岸を助ける引船業に進出しました。神戸港に加え、東播磨、姫路、水島(岡山県)の各港に作業船を常駐させています」

 -遊覧船事業にも力を入れていますね。

 「船を横方向に動かす動力装置が船体に装備されるようになり、引船業の需要が縮小したので、時代にあった形に変わる必要がありました。1993年から六甲アイランド-ハーバーランド間の4カ所を結ぶ海上バスを運航し、阪神・淡路大震災後に神戸港を巡る遊覧船に移行しました」

 -遊覧船はさまざまな企画を打ち出していますね。

 「“脱遊覧船”を掲げ、ゆったりとくつろげるカフェ形式を導入。足湯やディスコを楽しめるサービスを提供してきました。観光客だけでなく、地元の人にも日常的に港に親しんでもらうのが狙いです」

 -求める人材は。

 「意欲のある人です。上昇志向を持ち、物おじせず、熱い思いを持つ人がいいですね」

(まとめ・黒田耕司)

■先輩社員の声■

 営業本部 谷田貴史(たかし)(29) 神戸出身なので、地元に関わる仕事という点にひかれ転職しました。大型船の係留やタグボート運航など、ミナトを支える業務は熟練の技が不可欠。一方で「ファンタジー号」のように、新しいことや面白いことはどんどん挑戦できる気風もあります。

     ◇   ◇

 1950年に法人化。繋離船業や遊覧船業に加え、海上防災業なども手がける。従業員約140人。2015年度の採用は5人。15年8月期の売上高は37億9200万円。神戸市中央区波止場町5の4。TEL078・321・0151