アリサ
ンハナワラビは,ハナワラビ属が普通ヒメハナワラビ亜属,オオハナワラビ亜属,ナツノハナワラビ亜属に分けられているうちでナツノハナワラビ亜属に属する.しかしこの種は胞子葉の分出点が特異的である.今回,分類上の位置を解明するために,葉鞘,羽片・小羽片の形,胞子嚢,胞子を観察した.維管束,葉の切れ込み,胚柄の有無などのこれまでの知見も合わせて比較すると,この種はナツノハナワラビ亜属とオオハナワラビ亜属の中間に,或いは後者により近く位置すると考えられ,新しく4 番目の
アリサ
ンハナワラビ亜属を認めた.アフリカ産の Botrychium chamaeconium も,図と記載から,
アリサ
ンハナワラビに近いと推定される.なお,本論文の内容の一部は復活第 5 回自然史研究会 (1977年 1 月11日) で加藤が発表したものである.
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