利根川を下り、障害物の有無を確認するガイド=7日午前10時25分ごろ

 5日に群馬県みなかみ町小日向の利根川でラフティングボートが転覆し大学生が死亡した事故を受け、町内のアウトドア事業者が加盟する「一般社団法人アウトドア連合会」(石川満好理事長)は7日、コースの安全確保のため、事故現場を含む利根川の約40キロ区間で、障害物の点検と除去作業を行った。現場では亡くなった男子大学生(19)の冥福を祈って献花した。

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 点検区間は、ラフティングツアーが盛んに開かれる同町大穴から沼田市薄根町までの区間。連合会に加盟する14社のガイド約70人がボートで川を下りながら、水中に沈んだ流木などの障害物がないかを目視で確認した。再び同じ区間を下り、4カ所で水面に張り出した木の枝をチェーンソーで切除した。

 水中にある障害物は「ストレーナー」と呼ばれ、水面にあるときよりも流された人が引っかかりやすく、危険性が高いとされる。連合会はストレーナーを除去するため、今回と同様の点検を毎年5回ほど、シーズン始めや川の水位の急上昇時に実施しているという。

 犠牲となった大学生の発見地点では、ガイドたちが岸辺から花を供え、黙とうした。連合会は今後も、同所での献花や四十九日法要を行うという。

 事故の起きたラフティングツアーの運営事業者は同日、事故報告書を連合会やみなかみ町役場、町観光協会、消防、警察に提出した。報告書には転覆や乗客の漂着地点、救助状況などが記されている。石川理事長は報告書について「全て規定の範囲内で行われており、特に問題点は見当たらない」と話した。