加計学園の獣医学部新設計画をめぐり、加戸守行(かと・もりゆき)前愛媛県知事は10日の参院予算委員会の閉会中審査で、「ゆがめられた行政が正された」と衝撃的な証言をして注目されたが、朝日新聞や毎日新聞は翌日の記事本文中で1行も報じなかった。加戸氏は24日の衆院予算委員会の閉会中審査にも呼ばれたが、今回、朝日と毎日はどう報じたのか。
「安倍首相にかけられた、あらぬ濡れ衣を晴らす役に立ちたい」
加戸氏は24日の閉会中審査で、こう語った。野党や多くのメディアの見方とまったく違う視点といえる。
今回、朝日は25日朝刊2面で、加戸氏が大学誘致活動を続けながら、岩盤規制に何度も門前払いされた経緯を10行、5面の詳報の参考人を紹介する表で「愛媛県今治市への獣医学部新設を目指した」と記した。
毎日は同日朝刊9面の詳報で、加戸氏の「鳥インフルエンザが発生し、牛海綿状脳症(BSE)、口蹄(こうてい)疫の問題が続いた。愛媛県に獣医学部が欲しいと考えた」などと、誘致経緯に関する証言を23行報じ、31面でも「加戸氏は同県が長年、学園都市構想実現のために誘致に取り組み、手を挙げてくれたのが加計学園だったと力説した」と6行伝えた。
ただ、両紙を熟読したが、冒頭にある「濡れ衣」の部分についての記述は見つからなかった。