ゴール裏に金沢サポーターが掲げた能登半島地震復興の横断幕=金沢ゴーゴーカレースタジアム

観戦に訪れた珠洲と能登の子どもたち

  ●「被災地のサポーターに」

 18日に金沢ゴーゴーカレースタジアムで行われたツエーゲン金沢の北國新聞・富山新聞スペシャルマッチは、能登半島地震からの復興の祈りにあふれた一戦となった。「麗しき能登の街 我が誇り」「北陸を元気に」。奥能登からも多くのサポーターが来場したスタジアムには無数の横断幕が掲げられ、金沢学院大附高吹奏楽部の演奏が響き渡った。両チームの主将は「サッカーを通して皆さんの笑顔を取り戻す」と約束、被災地のサポーターになるとの思いを込めた懸命なプレーで勇気と元気を届けた。

 金沢の選手は「One Heart!(心一つ)石川」と書かれたTシャツを着て入場した。復興支援宣言は金沢の畑尾大翔、富山の末木裕也両主将が担った。末木主将が「愛するホームタウンの復興を前に敵も味方もない」と語り、畑尾主将は「僕たちが被災地のサポーターになり、サッカーを通して被災地の皆さんの笑顔を取り戻していきます」と誓った。

 試合後、両チームの選手は支援メッセージを記した横断幕を手にピッチを一周し、サポーターやファンの中には「ありがとう」と涙ぐんで拍手を送る姿もあった。

 金沢のサポーター集団「ジィーブリッツ」は「麗しき能登の街 我が誇り 愛し止まぬ街」の横断幕をゴール裏に掲げた。

 代表の新川徳幸さん(43)=金沢市=は珠洲市三崎町の実家が津波で浸水した。両親と弟2人は今も自宅近くの川上本町集会所に身を寄せている。サポーター歴13年。今年もホームゲーム全試合に足を運ぶつもりで「今年は選手たちも多くのものを背負う大変なシーズン。サポーターも選手と一緒になって戦っていきたい」と話した。

  ●珠洲、能登の児童が観戦

 ゴール裏の立ち見席には少年サッカーチーム「珠洲エスペランサFC」、「FBC能登」の児童と保護者計約80人が観戦した。エスペランサの池谷内悠太君(10)=珠洲市直小4年=は「一緒に大きな声を出して応援できて楽しかった。今度はここで試合がしてみたい」と喜んだ。「ちょんまげ隊」の愛称で活動する有志のサポーター団体が招待した。

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