日本代表は5日、カタール・ワールドカップ（W杯）ラウンド16でクロアチア代表と対戦した。
スペイン代表、ドイツ代表を撃破してのグループE首位通過という偉業を成し遂げ、ラウンド16の戦いに臨んでいる日本代表。目標に掲げる日本史上最高位のベスト8以上という目標にあと一歩まで迫った。
この重要な一戦に向けて日本はスタートから3-4-2-1を採用。権田修一を引き続き守護神に据え、ディフェンスラインに谷口彰悟、冨安健洋、吉田麻也、ウイングバックに長友佑都と伊東純也が入った。ボランチは遠藤航と守田英正のコンビで、1トップの前田大然の背後に鎌田大地と堂安律が構えている。一方、出場停止の板倉滉と体調不良が伝えられていた久保建英がメンバー外となった。
ルカ・モドリッチ、マテオ・コヴァチッチ、マルセロ・ブロゾヴィッチという世界最高峰の中盤を先発させたクロアチア。試合の立ち上がりからボールを保持しようとする相手に対して前からプレスをかけていく日本は3分の右CKからショートコーナーを選択し、谷口がヘディングシュートを放ったが枠を左に外れる。
8分には日本にピンチ。左サイドに幅をとっていたイヴァン・ペリシッチに対応しようとした冨安が交錯して倒れ込む形となる。フリーになったペリシッチがボックス左から浴びせたシュートはGK権田が弾き、こぼれ球から混戦となったところもGK権田がキャッチして難を逃れた。
その後、アンカーのブロゾヴィッチを中心にボールを回すクロアチア。日本は5バックで構えながら守備を固めていく中で要所のインターセプトからカウンターを繰り出していく。伊東や長友の仕掛けを中心に幾度かクロスを供給するもののシュートまでは至らない。
攻めあぐめる構図のクロアチアだが、前半半ばごろからモドリッチが低い位置でボールを受けて展開するシーンが目立つ。左右に振られて危険な攻撃も浴びる日本だったが決定的なシュートまでは持ち込ませない。
前半終盤の40分には日本のカウンターから遠藤のスルーパスに鎌田が抜け出す。鎌田は冷静に切り返して右足でシュートを浴びせたが枠を外れた。
それでも42分、右CKの場面でショートコーナーから堂安が左足でクロス。中央の密集地帯でこぼれたところ、いち早く反応した前田が左足で押し込んで日本が先制した。直後に前半が終了する。
後半に入ると高さを生かして攻め込もうとするクロアチアだが日本も簡単にはやらせず。むしろボールを動かしていく時間も作りつつ追加点を目指していく。
しかし55分、ボックス手前右の浅い位置からデヤン・ロヴレンにクロスを供給される。シンプルな形ではあったが高く飛び上がったペリシッチに強烈なヘディングシュートを決められて追いつかれた。
流れを取り戻したい日本だったが、63分にもボックス手前でボールを持ったモドリッチが右足で強烈なドライブシュート。これはGK権田がファインセーブで止めたもののクロアチアが勢いを取り戻す。日本は直後に長友と前田に代えて三笘薫と浅野拓磨を投入する。
その後もクロアチアペースで試合が続く中で日本は74分に3枚目の交代カード。鎌田に代えて酒井宏樹を送り出し、伊東をシャドーの位置に置く。日本は三笘の突破力を生かして猛攻をかけたいところだが、ここまでの活躍を受けてか徹底的な対応がそれを許さない。
日本は後半終盤に堂安に代えて南野拓実を投入するがスコアは動かず、延長戦へと突入する。日本は後半早々に右CKを獲得。伊東のキックにニアの谷口が合わせたが枠を外れた。
延長前半終了間際の105分にはカウンターから長い距離を持ち運んだ三笘がボックス手前中央で右足を強振。強烈なシュートを枠に飛ばしたもののGKドミニク・リヴァコヴィッチに弾かれた。
日本は延長後半に守田に代えて田中碧を起用。終盤にかけて互いに疲労も色濃く見える中で日本は三笘の仕掛けからチャンスシーンも作るが、得点は生まれず。PK戦へと突入する。
キック順が先となった日本は1人目を南野が務めたがGKリヴァコヴィッチがセーブ。クロアチアの1人目が成功させた一方、日本は2人目の三笘もセーブされる。それでもクロアチアが2人目を成功させた後に浅野が成功。クロアチアの3人目が失敗したが、重要な4人目で吉田のキックがセーブされた。
クロアチアの4人目が成功してPK戦は1-3となり、日本は2大会連続ベスト16という結果に終わっている。
これにより、クロアチアのベスト8進出が決定。準々決勝ではブラジル代表と韓国代表の勝者と対戦する。
■試合結果
日本代表 1-1（PK:1-3） クロアチア代表
※クロアチアがベスト8進出
■得点者
日本：前田大然（43分）
クロアチア：イヴァン・ペリシッチ（55分）
