アーティスト・こやまたくや インタビュー 『他の人と違う発想を持つことで面白いものが生まれる』

こやまたくや(ヤバイTシャツ屋さん)取材_01今年ブレイク必至アーティストとして話題の“ヤバイTシャツ屋さん”(通称:ヤバT)。一度聴くと忘れられない秀逸なリリックが印象的。バンドで、ギター&ヴォーカル、そして作詞・作曲を担当する、こやまたくやさんにバイト経験や仕事観について伺いました。9月20日にリリースした新曲の誕生秘話にも注目です。

 

バンドの名付け親“パイナップル先輩”がタイトルに!

こやまたくや(ヤバイTシャツ屋さん)取材_02
――いきなりですが、タイトルにある『パイナップルせんぱい』というのは……。

僕の大学の先輩に“パイナップル先輩”。通称・パインさんという人がいて、実はその人が、ヤバイTシャツ屋さんの名付け親なんですけど、すごく滑舌が悪くて「(真似をして)今度の日曜日、ヤバイTシャツ屋さん行きまーす」って。

――今のはめっちゃ似てるんですね(笑)?

はい(笑)。その人の名前をタイトルにしてみようかなということで決めました。ちなみに、パイナップル先輩にはタイトルになったことはまだ伝えてないんですけど(笑)。

――SNSでは、『たんぽぽ』もタイトル候補だったとありましたが(笑)。

そうなんですけど、さすがに伝わりづらいかなと思ってやめました。『たんぽぽ』は思考回路を8周したくらいのイメージで、『パイナップルせんぱい』はたぶん4周ぐらい(笑)。

――その『パイナップルせんぱい』のリード曲、「ハッピーウェディング前ソング」は、どのようなきっかけで生まれた曲ですか?

曲作りに煮詰まっていた時に、気分転換で、友達や後輩と一緒に遊んでいたんですけど、その時に“仲はいいけど、付き合ってはいない男女”がいて、その二人に向かって「キッス、キッス、入籍、入籍」って冷やかしていたんです。その時に“あ、これちょっと曲にできるな”と思って、そこから広げていった感じです。

――それを曲にしてしまおうという発想がすごいですね。

とりあえず冷やかしたかっただけなんですけどね(笑)。でも、“ノリで入籍してみたらええやん”っていうパワーフレーズが出てきたので、それをサビに持ってきて、でもそのうえで、やっぱりノリで入籍したら2年以内に別れるよなと思って(笑)。それを歌詞に入れてちょっと毒も混ぜつつ作っていきました。

――ミュージックビデオ(MV)はその歌詞の世界がストレートに描かれていますね。

ヤバイTシャツ屋さん史上初めて歌詞に沿った映像なんです。今まで歌詞に沿ってこなかったので、そろそろやってみようかと。芝居力も求められる内容なんですけど、メンバーもだいぶ見られる意識が出てきたのか、割といい感じに演じていましたね(笑)。

――そして、シングルと同時発売で1st LIVE DVDもリリースされますね。

過去最大キャパの自分たちのワンマンということで、緊張しているメンバーの姿が見られると思いますし、一番最初に寸劇があるんですけどそこも見どころです。曲がいっぱい入っているので、これを見てノリ方を知ってもらって、実際ライヴに足を運んでもらえればうれしいです。

 

割烹料理屋で働いていたころ、健康だったのは“まかない”のおかげ

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――では、ここからはアルバイト経験についても聞きたいと思います。

はい。一番最初は、大学1年生の時に家の下にあったお寿司がメインの、割烹料理屋さんで働きました。家から近いところがいいなと思っていたら、家の下で募集していたので即決めました(笑)。そこでは、1年くらい働いていましたね。そのお寿司屋さんは時給が低い代わりにすごく豪華な“まかない”が出たんです(笑)。お寿司だったり、海鮮丼だったり……。だから僕、1年生の頃は食生活に恵まれていたので、すごく健康だったんです(笑)。

――普通に食べたらけっこうな値段になりそうな。

そうなんです。ただ、ある日店長が疲れていたのか、マグロのでっかい切り身が丸ごとドーンと出てきた日があって(笑)。まぁ仕方がないんで、自分で切ってご飯にのせて醤油をかけて食べました。味は美味しかったですね。それも含めて“まかない”が印象に残っているバイトですね(笑)。

 

細かい部分まで作り込むことの大切さを学んだ映像制作現場でのバイト

 
――その後、いくつかバイトを?

コンビニで働いたのと、映画の撮影現場にも行っていました。撮影現場では、監督の補助だったり、装飾美術的なことをやりましたね。けっこう大きな作品の現場だったので、ものすごく多くの人が動いていて、実際の現場のすごさを勉強しました。

――具体的にはどんなお仕事を?

監督のそばにいて絵コンテを映像に起こしたり、資料を作ったり、小道具を作ったりですね。だから、映画の仕上がりを観て“これ俺が作ったやつだ”っていうのもありますよ。年代の古い映画だったりすると、あえて家具を汚すので“あ、これ、俺が汚した棚や”とか(笑)。

――こやまさんは、先ほどのMVもそうですが、映像制作もされているので、そこで学んだことが今に生きているということもあるのでしょうか?

そうですね。すごい人数のスタッフが動くので、監督がしっかりしていないと成り立たないというのは感じました。あと、それぞれの部署がプロフェッショナルで、美術さんだと、なんでも自分で作っちゃうんですよね。棚が必要だとなったら、木を削って組み立てちゃうとか。時代劇的な映画だったので、買ってきたお皿に汚しを入れて雰囲気を出したり、引き出しの中も年代物をそろえたり。映っていない部分まで細かく作り込んでいると、全体のクオリティーが上がるんです。そういう一つ一つがすごいなと思いましたし、大切さを学びました。

――それは現場に参加しないとわからないことですね。コンビニでも働いたということですが。

深夜に働いていたんですけど、コンビニは全然楽じゃなかったですね。一回コンビニで働いてみたいなっていう軽い気持ちだったんですけど、大変すぎて……。タバコの銘柄を全部覚えた頃にやめちゃいまいた(笑)。でも、一通りの作業は全部できるようになってからでしたね。

 

“他の人と違うこと”をするとマイナーになりがちだけど……

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――ちなみに、バイトを卒業したのは?

大学3年生の頃にMVを作ったり、自分が創ったキャラクター商品をヴィレッジヴァンガードに卸したりとか、少しずつ稼げるようになったのでバイトはしなくなりました。

――学生時代からいろいろと創作をされていたんですね。

“作品を作って生きていけるようになるぞ”という思いがあって、“他の人と同じやったらダメや”って意識は当時から強かったです。結局、今バンドをやっていても、“他のバンドと同じことしたくない”っていう思いで続いているところがあるので、そういう基本的な思いは当時から変わらないですね。

――ただ、学生時代、自分の作ったものを認めてもらうのって大変ですよね?

どうしても“他の人と違うこと”をすると、マイナーなものになってしまう。ヤバイTシャツ屋さんも、最初はお客さんが5人ぐらいで、細々とやってましたから(笑)。でも、そこから少しずつ状況が変わってきてメジャーデビューもさせてもらえて。きっと、基本的にはこれからもずっと変えないのが、面白いんだろうなと思うんです。変わらへんままどんどん大きくなっていくところが、僕らもお客さんも面白い。もともと自分もライブキッズで、バンドが好きというところから始まっているので、お客さん目線で見ながら活動しているところはあると思います。

――ちなみに、バイト経験を振り返って“実は音楽以外にこんな才能もあったな”と思うことは?

あの……年上の女性に好かれる能力ですかね(笑)。他の人にはすごく厳しく指導している女性の上司がなぜか僕には優しい(笑)。

――それ、なんですかね(笑)?

母性をくすぐってるのか(笑)。

――意識してやっている……

わけではないです(笑)。でも、バイトで上司との関係は結構大事なことなので、母性をくすぐれる人は、くすぐったほうがいいと思います(笑)。

 

バイト経験は、その後の“価値観”に良い影響を与えると思う

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――では最後に、読者にメッセージを。

とにかく、バイト経験はあったほうがいいですよね。お金を稼ぐことの大変さって、バイトをすることで一番わかると思うんです。一度、バイトをしていない女の子と付き合ったことがあるんですけど、全然、価値観合わなかったですもん(笑)。バイトをしているとどうしても“嫌やな”って思うこともあるけど、“これ、絶対何かにつながってくるぞ”、っていうふうに思いながら働けるといいんじゃないかなと思います。そこで得た感覚とか、見たものがきっと何かに生きてくるし、経験は多いほうが魅力的でいられると思います。

 

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■Profile

こやまたくや

2013年10月、大学サークル内でヤバイTシャツ屋さんを結成。2015年より本格的に活動を開始。ギター&ヴォーカル担当。しばたありぼぼ(Ba.Vo.)、もりもりもと(Dr. Cho.)と3人組自称メロコアバンドとして、現在も大阪を中心に活動中。 躍動感あふれるパフォーマンスとストーリー性のある歌詞で注目を集め、出演したフェスでは入場規制が連発した。今年9月20日にリリースした最新作「パイナップルせんぱい」は、オリコンウィークリーランキング2位を獲得。

◆ヤバイTシャツ屋さんOFFICIAL SITE:http://yabaitshirtsyasan.com/
◆こやまたくや Official Twitter:@yabaT_koyacial

 
編集:ぽっくんワールド企画
撮影:河井彩美
取材・文:田部井徹

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