行列必至! アツアツの分厚い三角油揚げ

 仙台の中心部から西へ30km、仙台駅からは車で走ること約1時間。平清盛の家臣平貞能ゆかりの寺院「定義如来西方寺」は、縁結びにご利益があるとされていて年間約100万人の観光客が訪れる人気のパワースポット。その参道に全国的に大人気の油揚げを販売する『定義とうふ店』があります。

『定義とうふ店』は、西方寺の精進料理の豆腐を製造するため明治23年に開業した、創業130年の老舗豆腐店。参拝客に油揚げの販売を開始すると、分厚く大きな油揚げはたちまち人気となり、今では1日で1万枚を売る日もあるという人気メニューに。もはや定義名物だけでは収まらず、仙台グルメの筆頭にもあげられる人気店の三角油揚げ。仙台に行ったならわざわざ寄りたい『定義とうふ店』の油揚げは、どうしてそんなに人気なの? 疑問を持った筆者は、味の秘密を探るべくお店に突撃してきました。

昔ながらの製法で作られたおいしい豆腐

揚げたてアツアツ! 1日1万枚売れる仙台『定義とうふ店』の三角油揚げはなぜうまい?

 オープンは朝8時、せっかくなら一番で揚げたてを食べてみたいと開店と同時に店へ。この時間まだ人出は少なくゆっくりと味わえます。油揚げが有名ですが、こちらは豆腐店。

大豆100%と天然のにがりを使い、昔ながらの製法で作られたおいしい豆腐も売っています。木綿豆腐は一丁100円、パッケージには定義如来西方寺のシンボル、五重塔のデザインが。ほかには、「豆乳」(250円)なども販売しています。

外はカリカリ、中はジューシーのアツアツ油揚げ

揚げたてアツアツ! 1日1万枚売れる仙台『定義とうふ店』の三角油揚げはなぜうまい?

 というわけで、いざ「三角定義あぶらあげ」をいただきます。出されると、まずその大きさにびっくり。約15cm、厚さは2cm以上あろうかという、想像を超えるサイズ感です。スーパーで買える普通の油揚げとはかなり違います。

テーブルには醤油と、関東ではあまり見かけない「ニンニク七味」という調味料があって、両方をかけていざ実食! アツアツの揚げたての油揚げからは湯気が立ち上り、見るからにおいしそう。そしてひと口。外はカリカリで中は豆腐のしっとり。こりゃうまい! ピリリと効いたニンニク七味がよく合います。カリッと揚げられた油揚げは、油っぽさはなくあっさりしているので、一人でペロリと食べられます。

おいしさの秘密は、ていねいに揚げられた「2度揚げ」製法

揚げたてアツアツ! 1日1万枚売れる仙台『定義とうふ店』の三角油揚げはなぜうまい?

 外はカリカリで中は豆腐のしっとりのこの油揚げ。そのまま食べておいしいのは、2度揚げしているから。

低温の油でじっくりと揚げた後、高温の油で外をカリッとさせる2度揚げは、1枚揚げるのに40分もかかるのだとか。この手間暇かけてていねいに作られた技法によって、はじめはカリッと、そして中身はふっくらとした油揚げに。店内では、揚げている様子を見ることができます。

ゆっくり味わうなら朝早めがオススメ

揚げたてアツアツ! 1日1万枚売れる仙台『定義とうふ店』の三角油揚げはなぜうまい?

 テーブルは店内と屋外にあって広々していますが、大人気店なので10時を超えると常に満席に。オススメの時間帯は朝一。混雑時は持ち帰りで他で食べるのもいいけれど、その時は必ず調味料のニンニク七味と醤油をかけるのをお忘れなく。

このニンニク七味の風味は他では味わえない、おいしい調味料です。

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 仙台からも1時間とそれほど近くはない距離で、本当に一万枚も売れるのかと思いましたが、行ってみて納得! 常にお客さんでいっぱいです。カリッとあっさりしていておいしい油揚げは、一人で何枚も食べる人も。またお土産にたくさん購入している人も見かけます。仙台旅行の際には、ぜひ少し足を延ばして行ってみてください。

●SHOP INFO

揚げたてアツアツ! 1日1万枚売れる仙台『定義とうふ店』の三角油揚げはなぜうまい?

店名:定義とうふ店

住:仙台市青葉区大倉字下道1-2
TEL:022-393-2035
営:8:00~17:00
休:不定期
http://www.sankaku-age.jp

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●著者プロフィール

矢巻美穂

国内、海外の旅行雑誌を中心に活動するカメラマン。

趣味は温泉めぐりと食べ歩き。座右の銘は「美味しいものは産地で食べるに限る」。旬の美味しいものをその産地で食べることに興味津々。著書に「トレッキングとポップな街歩き ネパールへ 」「とっておき! 南台湾旅事情故事」がある。