直木賞作家・辻村深月の同名タイトルを原作に、G2が演出を務める舞台『ハケンアニメ!』。アニメ業界の裏側を描く本作で、アニメ制作会社に入社したばかりの主人公・川島加菜美を演じるのは、SKE48のメンバーとして活躍する大場美奈。さらに、“天才アニメ監督”の王子千晴を、舞台出演は約2年半ぶりとなる小越勇輝が演じる。
大場と小越、日ごろの活動フィールドが異なる2人は、この取材の直前に初めて顔を合わせたとのこと。そこで、交流を深めてもらうべく、本作や自身の役に対する捉え方や本番に向けた意気込み、さらには共演者としての互いの印象まで、さまざまな思いを語ってもらった。
取材・文/片貝久美子 撮影/コザイリサ
編集/田上知枝(エキサイトニュース編集部)
「あ、大場さんだ!」「小越さんだ!」
――お二人は今日が初対面だそうですね。
大場:実はそうなんです(笑)。
小越:さっき(取材が始まる前)ここで「はじめまして」って言ったのが、本当に最初で。あ、大場さんだ!と思って(笑)。
大場:そんな……恐縮です(笑)。私も、小越さんだ!って思いました(笑)。
――そうだったんですね(笑)。お互いに対する第一印象はのちほどおうかがいするとして、まずは今回の作品に出演が決まったときの気持ちを教えてください。
大場:正直、ただただビックリしました。キャストの方たちを見ても、私以外の方はお芝居の大先輩ばかりだったので、その中で主演をさせていただくっていうのは、プレッシャーしかないっていう……。普段はグループで活動している方が多いこともあって、不安な気持ちのほうが大きかったですね。しかも、私が演じる川島加菜美という役は、原作には登場しないオリジナルキャラクターなんです。脚本・演出のG2さんが今回のために書き下ろしてくださった役なので、すごくうれしいっていうのと、責任感というか、頑張らないとなってすごく思いました。
――小越さんはいかがでしたか?
小越:久しぶりに舞台に出演させていただけるのがうれしくて。いまだにドキドキとワクワクが止まらない感じです。
――キャストの中では小越さんが一番年下なのだとか。
小越:そうなんです。たぶん、自分が一番年下っていうのは初めてだと思うんですよね。なので、先輩方に全身でぶつかっていけるように頑張りたいと思っています。
脚本を読んで、今までとは違うやり方でアピールしていくことの大切さを思った(大場)
――今作はアニメ制作会社を舞台に、アニメの仕事の現場を描くストーリーですが、脚本を読んで共感したところはどういったところでしたか?
大場:どんな仕事でも、長年やっている人たちには、これが当たり前ってことや、こうやって作っていくのが正しいという流れがあると思うんです。でも、この作品では、そこに新しい人たちが入ってきて、新しい目線で新しいやり方を切り開いていく様子が描かれていて。それはすごく大切なことだなと思って、共感しました。
――大場さん自身の環境とも重なる部分がありましたか?
大場:私もアイドルとしてはデビューして10年が経ち、どちらかと言うとベテラン側なんです。だからこそ、あえて俯瞰的に物事を見て、もっともっと新しいことに挑戦していかなきゃいけないというか。古き良き伝統もいいけれど、今は新しいものを受け入れてもらえる時代でもあるから、今までとは違うやり方でアピールしていくことの大切さというのは日ごろから意識していることなので、そういう部分では自分とリンクするところもあるなって感じました。
――小越さんはこれまで漫画やアニメ原作の作品にも数多くご出演されていますが、今回の脚本を読んでいかがでしたか?
小越:出演する以外にも、普段自分がアニメを見たり、漫画を読んだりする中で、その裏側がどうなっているのかっていうところまではわからない部分も多くて。舞台や映画、ドラマでもそうですけど、自分が入るまでの間には、当然ですけどいろんな段階があるんですよね。それを今回、アニメという世界の裏側を作品を通して知ることができたのはすごく新鮮でした。それから、一つのものを作るために、みんなで同じベクトルを向こうとする姿勢が素敵だなとも思いましたね。
――小越さんが演じる王子千晴は“天才アニメ監督”という役どころですが、ご自身と役との共通点はありましたか?
小越:共通点ですか……僕、天才じゃないので(笑)。そういう点での共通点は見当たりませんでした(笑)。でも、王子がストイックと言われる理由を考えたとき、彼は一つの作品を作るのに見えないこだわりを持っていて、それに対して一生懸命に1人で孤独に戦っていると思ったんですよね。俳優という仕事にも孤独に戦わなければいけない部分があると思うので、そういうところではリンクするのかなと思いました。
こういうストレートなお芝居をやらせていただくのは今回が初めて(大場)
――お互いの役どころに対する印象はいかがですか?
大場:“天才アニメ監督”として、自分の考えがしっかりしているというイメージで台詞を覚えていったんですけど、実際お会いした小越さんはすごくかわいらしい印象なので、ちょっとギャップが……(笑)。なるべくクールなイメージを持つようにしたいと思います(笑)。
小越:僕は大場さんがお芝居をしている姿を見たことがなかったので、川島という役をどう演じられるのかがあまり想像できなくて。でも、想像がつかないぶん、逆に楽しみですね。あと、大場さんの役はストーリーテラー的な役割でもあるので、すごく大変だろうなぁと思いながら脚本を読んでいました。
――ストーリーテラーということは、台詞が多い?
大場:そうなんです。脚本を読んで一番ヤバい!と思ったのは、そこでした(笑)。
小越:あと、すごく周りの人を見ている役ですよね。登場人物たちの動きはもちろん、内面的な変化も含めて、いろんなところを見ている役だなと思います。
大場:そうですね。だから、目線にも気を配っていかなきゃいけないなって思ってます。
――大場さんは本作の上演に際し「見たことのない自分をお見せできると思う」というコメントをされていましたが、具体的にどんな新しい一面が発見できると思っていますか?
大場:デビューしてから10年、お芝居をやらせていただく機会もたくさんあったんですけど、ほとんどがアイドルらしいドラマや映画、あるいはコントが多かったので、こういうストレートなお芝居をやらせていただくのは今回が初めてなんです。本当に、ゼロから学ばせていただけると思いますし、自分も少なからず絶対に成長できるだろうなと思っていて。そういう意味では、今までとガラッと変わった“役者・大場美奈”をお見せできるんじゃないかなって、私自身もすごく期待しています。
失敗を恐れず、恥をかく勢いで臨んでいきたい(小越)
――舞台に向けた準備は何かされていますか?
大場:いや、本当に何もわからないので、逆にそのまま行っちゃおうかなって。わからない状態でいろんな人に話を聞いて、それを真似して行くよりも、いろいろ教えていただきながら自分なりのやり方を見つけて行ったほうがいいかなと思うので……。今回はG2さんにお任せして、進んで行けたらと思っています。
――小越さんは、いつも舞台の前にやることとか、今回の作品のために行なっていることはありますか?
小越:何だろう……。もちろん脚本を読み込んだり、自分の役について考えることはしているんですけど。あ、でも、役については決めすぎないってことは意識しているかもしれません。やっぱり舞台って稽古期間が1か月とかあるものなので、その中でいろんな発見があったり、挑戦できることもあると思うので。そこは失敗を恐れず、恥をかく勢いで臨んでいきたいですね。
――間もなく稽古がスタートするそうですが(※取材時)、稽古を目前に控えた今の心境ってどういうものなのでしょう?
大場:ずっとソワソワしています。他の仕事を入れないでほしいくらい(笑)。
――(笑)。ソワソワというのは、緊張とも言い換えられますか?
大場:そうですね。とくに私は舞台の稽古のことが全然わからないので。どう始まって、どう進んでいくのか。それ以前に、どこに座ったらいいのかすらわからない(笑)。本当に頭の中が真っ白です、今。
――そのへんは小越さんのほうが詳しいのかも?
小越:いやいや、僕もわからないです(笑)。それこそ座る場所なんかは、僕も普段から端に行きがち。周りをチラチラ見ながら、あのへんに行こうかな……なんて様子をうかがっちゃいます(笑)。今回のG2さんも初めてなので、どんな感じでやっていくんだろうなという気持ちのほうが大きくて、僕も今、ソワソワしてます(笑)。緊張しているけど楽しみでもあるっていう、不思議な気持ちですね。
――どんなことが楽しみですか?
小越:先輩方と一緒にお芝居することもなのですが、僕、飲むのが好きなので、一緒に飲みに行けたらいいなって。そこでお芝居のことであったり、人生観とかについて、いろいろお話ししてみたいなと思っています。
――大場さんはいかがですか?
大場:私も同じですね。本当、いろいろ教えていただけたらうれしいですし、私もそれを全部吸収するつもりで行くので。稽古場以外でもいろいろなお話ができたらうれしいなと思います。あと、個人的な楽しみというか、目標としては、どこかで差し入れをしたいです。なんか、主演をする立場の人を“座長”と言ったりするじゃないですか。今回、私が座長としてできることは差し入れくらいかなって(苦笑)。でも、前半はたぶん稽古でいっぱいいっぱいで無理だと思うので、慣れてきた頃に面白い差し入れをしようと思っています!
僕も頑張らなきゃ! 座長に頼っていきます!(小越)
――稽古を乗り越えた先にある本番のステージでは、どんな自分をお客様に見せたいと思いますか?
小越:王子千晴という役として、ステージの上に存在していたいなと思います。それができたら、周りの人たちも、作品自体もより生きてくるのかなと思うので……。そういう雰囲気であったり、作品のストーリーを楽しんでいただけるように、役を生きることを目指したいですね。
――大場さんはいかがでしょう?
大場:舞台に立ってお芝居をする中で、きっと毎回気づくことがあると思うんです。そういう意味では、本番中も成長していける気がするので、1日1日、毎公演毎公演、更新した姿を見せられたらいいなぁと思います。それができたら、きっと自分も輝けるのかなって。何を根拠にそう言ってるのかは自分でもわからないんですけど、この作品を通して得たものが、自分の自信になると信じているので、本番では今とは違う大場美奈がいるのかなって思います。
――今日の大場さんと、11月14日の東京公演千秋楽公演では、まったく別人かも!?
大場:全然違うと思います。しかも、千秋楽の11月14日って、私のデビュー10周年の日なんですよ。
小越:ええ~! すごい!!
大場:たまたまなんですけどね。でも、いろんな意味で思い入れが強いというか。この作品を機に、今後、私がお芝居をできるかできないかが決まる!っていうくらいの気持ちで挑みたいなと思っています。
――座長・大場さんの気合が小越さんにも伝わってきたのでは?
小越:本当に。改めて、僕も頑張らなきゃ!って思いが強くなりました。座長に頼っていきます!(笑)
大場:いえ、そんな、全然です(苦笑)。私もゼロから頑張っていくので、よろしくお願いします!
大場美奈さん、小越勇輝さん直筆サイン入りチェキをプレゼント!
舞台『ハケンアニメ!』の上演を記念して、大場美奈さん、小越勇輝さんの直筆サイン入りチェキをそれぞれ2名様にプレゼントいたします。
応募方法は下記の通り。
(1)エキサイトニュース(@ExciteJapan)の公式ツイッターをフォロー
(2)下記ツイートをリツイート
応募受付期間:2019年9月24日(火)~10月8日(火)23:59まで
舞台『#ハケンアニメ!』で主演を務める #大場美奈(#SKE48)の直筆サイン入りチェキを2名様にプレゼント!
— エキサイトニュース (@ExciteJapan) September 23, 2019
【応募方法】
1. @ExciteJapan をフォロー
2. 当ツイートをRT
【締め切り】
10月7日(月)
↓インタビューはこちらhttps://t.co/KKCKzn2aDb pic.twitter.com/wemxlfzDfs
舞台『#ハケンアニメ!』に出演する #小越勇輝 の直筆サイン入りチェキを2名様にプレゼント!
— エキサイトニュース (@ExciteJapan) September 23, 2019
【応募方法】
1. @ExciteJapan をフォロー
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【締め切り】
10月7日(月)
↓インタビューはこちらhttps://t.co/KKCKzn2aDb pic.twitter.com/Q8e6tteykG
<注意事項>
※非公開(鍵付き)アカウントに関しては対象外となりますので予めご了承ください。
※当選者様へは、エキサイトニュースアカウント(@ExciteJapan)からダイレクトメッセージをお送りいたします。その際、専用フォームから送付先に関する情報をご入力いただきます。
※当選した方に入力いただく情報はエキサイト株式会社がプレゼント発送に使用するものです。また、提供された個人情報は、同社サービスに関する連絡に限定して利用されます。
※DMでお伝えした期日までに返信をいただけなかった場合は、当選無効とさせていただきます。
※一部の地域では配達が遅れてしまう場合がございます。予めご了承ください。
皆さんのご応募をお待ちしております!
(エキサイトニュース編集部)
公演概要
舞台『ハケンアニメ!』
原作:辻村深月
脚本・演出:G2
出演:大場美奈(SKE48) 小越勇輝
市川しんぺー 三上市朗 菅原永二
町田マリ― 寺田尚子
山内圭哉 小須田康人
■大阪公演
2019年10月12日(土)~10月16日(水)COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
■東京公演
2019年10月31日(木)~11月14日(木)紀伊國屋ホール
チケット:¥7,500(税込)
※未就学児入場不可
チケットよしもと
http://yoshimoto.funity.jp/r/hakenanime/
チケットぴあ
https://w.pia.jp/t/hakenanime/
ローソンチケット
https://l-tike.com/hakenanime/
公式サイト:https://hakenanime.yoshimoto.co.jp/
ストーリー
アニメ制作会社のプロデューサー・有科香屋子(町田マリー)は、次クールの「運命戦線リデルライト」で天才アニメ監督・王子千晴(小越勇輝)を起用。
監督のストイックな仕事ぶりに、入社したばかりの制作進行・川島加菜美(大場美奈)や原画アニメーター・澤田和己(山内圭哉)など、スタッフは日々トラブルの連続、ビジネスライクに進めようとする垣内政信(小須田康人)との対立が激化していく中、作品完成を揺るがす大事件が起こってしまう……。
プロフィール
大場美奈(おおばみな)
1992年4月3日生まれ。AKB48の9期生としてデビュー。現在はSKE48のチームKIIでリーダーを務める。個人での活動も多数、8月2日に1st写真集『本当の意味で大人になるということ』を出版し、11月15日から公開される映画『地獄少女』にも出演している。
小越勇輝(おごえゆうき)
1994年4月8日生まれ。2010年よりミュージカル『テニスの王子様2ndシーズン』で主役の越前リョーマ役を務め、全518回公演に出演。多数の舞台でも主演を務めたほか、映画やTVドラマにも多数出演している。9月24日(火)21時より放送される関テレ系SPドラマ「FLY!BOYS,FLY!」にも出演。