昔の石橋貴明には、男の色気がありました。182cmの長身に帝京高校野球部時代に鍛え上げたガタイ。
口髭を生やしたその風貌からは、バラエティ番組でどんなにおちゃらけていても、ごまかしきれない“イイ男感”が醸されていたものです。

そんな30代中盤で男盛りな石橋と、こちらも色気ムンムンだった20代後半の工藤静香による『Little Kiss』という音楽ユニットが、かつて存在したことを覚えているでしょうか?

印象的だった「今すぐ さぁキスをしよう」


2人の曲がリリースされた当時、『Little Kiss』が曲名だと勘違いした人は、筆者含めて結構多くいたはずです。本当の曲名は『A.S.A.P.』(As Soon As Possibleの略)で、『Little Kiss』はユニット名。

なぜ、思い違いを喚起させたのかといえば、「今すぐ さぁキスをしよう」というサビのフレーズがあまりにも曲名:『Little Kiss』っぽかったから。
そしてプロモーションビデオで、石橋と工藤があまりにも濃厚なキスをしていたからに他なりません。しかも、一回きりではありません。エロティックに絡み合いながら、何度も何度もブチュブチュしているのです。


ふいにテレビでこれを観てしまい、何とも言えない背徳感に苛まれた、当時のテレビっ子は多かったことでしょう。

『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』内の企画で誕生


同ユニットは、『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』内で結成された、いわゆる“企画もの”としても知られています。

当時、氷室京介の『VIRGIN BEAT』や相川七瀬 の『恋心』など、起用された楽曲がことごとく大ヒットしていた『三貴・カメリアダイヤモンド』のCM。そのCMソングに採用されることを目指すというコンセプトで企画は始動し、三貴側の要望に沿って書かれたのが、『A.S.A.P.』だったのです。

ちなみにユニット名の『Little Kiss』は、当時『Every Little Thing』や『My Little Lover』など、“Little”が入ったアーティストがブレイクしていたために、ゲン担ぎ的な意味合いを込めて“Little”入りの名称にしたのだとか。

ミュージックステーションでもキス披露!


作詞・作曲を手掛けたのは、秋元康×後藤次利のおニャン子コンビ。リリース日に設定されたのがバレンタインデーということもあり、大人の恋愛模様を歌った同曲はオリコン初登場3位に輝き、最終的には49.8万枚を売り上げるヒット曲となっています。

なお、工藤と石橋はプロモーションの一環として、ミュージックステーションに出演。
歌唱終了後に“公開キス”を披露し、ここでも話題をさらいました。

結婚前のキムタクと工藤静香がデュエット


なお、この『Little Kiss』に関連する興味深い映像が、インターネット上に残っています。それは今はなき『SMAP×SMAP』において放送されたライブでのこと。
ゲスト・アーティストとして招かれた工藤静香が、当時は交際にすら至っていない現夫・木村拓哉と『A.S.A.P.』を熱唱しているのです。

注目すべきは、キムタクのやる気満々っぷり。古くから工藤の大ファンだったキムタクは、彼女の前でキレッキレのダンスを披露。
今観ると猛烈なアプローチにしか見えません。肝心の歌唱はというと、気合が入り過ぎてしまったのか、本家のタカさんに負けないくらいちょこちょこハモリの音程を外していました。

そんな好きなコの前で頑張っちゃうキムタク版も魅力的な『A.S.A.P.』。ぜひ、チェックしてみてください。
(こじへい)

※イメージ画像はamazonよりA.S.A.P.