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東京五輪代表・辻すみれ パリ目指し岐阜から東京へ 手術成功で「もっと進化できる」【フェンシング】

2021年12月8日 17時46分

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練習で前に踏み込んで攻める辻すみれ(奥)

練習で前に踏み込んで攻める辻すみれ(奥)

 東京五輪フェンシング女子フルーレ団体メンバーだった辻すみれ(22)=朝日大=がパリ五輪へ向け再始動している。東京五輪後に長年悩まされていた股関節痛の手術を受け、経過は順調。すでに練習を再開した。そして来年からは就職を機に、拠点を東京に移す。全てはパリで個人戦と団体戦に出場しメダルを取るため。もう戦いは始まっている。
     ◇
 東京五輪出場の余韻に浸ることなど全くなかった。リザーブ登録ながら、団体戦3試合に出場し日本は6位入賞。念願の舞台に立てたが、辻は「試合をしてみると、なかなか思うように体も動かなくて…。思ったような成績も残せなかったので、悔しさの方が大きかったです」と振り返る。
 もともと東京五輪後はパリ五輪を目指す考えだった。「パリでもっと良い成績を残せるように頑張りたい」。そのために、手術に踏み切った。辻は中学生時代からずっと股関節痛に悩まされてきた。痛み止めも効かず、選考会も東京五輪も痛みを押して臨んでいた。
 五輪後の検査で原因が判明。股関節のある部分が普通の人と異なり、膨らんでいた。その影響で軟骨もボロボロに。9月20日に受けた手術では骨を削って、軟骨の修復も行った。「治らないと思っていたのが、治ったんです」。顔がほころぶのも無理なかった。
 持ち味の力強く、前に踏み込む動き。得意の形すらかなりの痛みを伴っていたが、負担なくできるようになった。「もしかしたら今までできなかった技や、無意識のうちにセーブしていたことが出せるようになるんじゃないかと思うんです。もっと進化できると思います」。自らへの期待も自然と膨らむ。
 現在、朝日大4年で大垣共立銀行から内定をもらっている。来年からは同行のサポートもあって、就職を機に練習拠点を東京に移す。「レベルの高い選手と実戦練習をして、(代表の)コーチにも見てもらえます」と、ナショナルトレーニングセンターでより集中して練習に取り組む。
 体の不安はなくなり、環境も整う。「パリ五輪で次こそは個人戦、団体戦どちらも出場して、メダルを獲得したいなと思っています」。世界で戦うため、まずはワールドカップなどで結果を出していく。その先にパリがある。
 ▼辻すみれ(つじ・すみれ) 1999年11月29日生まれ、岐阜市出身の22歳。159センチ、48キロ。茜部小学校3年のときに、はしまモアフェンシングクラブでフェンシングを始める。2019年3月のW杯エジプト大会女子フルーレ個人戦3位、同年11月の全日本選手権女子フルーレ個人戦優勝、同年12月のW杯フランス大会女子フルーレ団体戦3位。朝日大4年。

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