広島市役所

 広島県と広島市が発注した学校用パソコン(PC)などの入札で談合を繰り返したとして、公正取引委員会は6日、独禁法違反(不当な取引制限)で、受注した北辰映電(広島市中区)など6社に総額5682万円の課徴金納付命令を出した。談合の受注総額は約65億円で、6社を含む11社に再発防止を求める排除措置命令も出した。

 6社は他に、新星工業社(南区)ハイエレコン(西区)大塚商会(東京)立芝(西区)中外テクノス(同)。課徴金は受注額や企業規模などで決まり、最高は北辰映電の3042万円だった。排除措置命令だけの5社のうちNTT西日本(大阪市)は、調査開始前に違反事実を自主的に報告したため免除された。残る4社は受注額が少額か受注がなかった。

 公取委によると、11社は遅くとも2016年から20年まで、県立、市立学校で児童や生徒、教職員が使うPC、サーバーの一般競争入札など計58件で、事前調整して落札業者を決めた。PCは約3万台、サーバーは約200台に上り、平均落札率は93・9%だった。公取委によると、教育現場で子どもが使うPCに絡む談合認定は全国初。

 公取委は20年10月、各社に立ち入り検査した。検査を受けたと公表していた田中電機工業(南区)FLCS(東京)NTTグループ2社の計4社については、違反行為は認められなかったという。

 北辰映電は「結果を真摯(しんし)に受け止め、命令に対応していく」。NTT西は「深くおわび申し上げる。再発防止を徹底する」とコメントした。(小川満久)

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