7月2日に開業する新たな広電宮島口駅
宮島口(手前)

 広島電鉄(広島市中区)は12日、新しい広電宮島口駅(廿日市市)を7月2日に開業すると発表した。新駅舎は2019年に閉店した飲食・物産館「宮島口もみじ本陣」跡地にあり、現駅舎から約70メートル海側に移る。20年に開業したフェリーの旅客ターミナルとほぼ直結し、乗り換えやすくする。

 新駅舎は鉄骨平屋一部2階延べ約2300千平方メートルで、窓口機能を含めた事務所を備える。旅客ターミナルと同じ切り妻屋根を採用し、宮島口エリアの一体感を醸成した。一帯の交通渋滞の緩和を目的に、20年10月から工事を進めた。総事業費は公表していない。

 世界遺産の島・宮島の窓口となる同駅は広電拠点駅の一つで、新型コロナウイルス禍前の19年度の乗降客は約232万人。椋田昌夫社長は中区での会見で「観光が低迷する今のうちに、需要回復を見据えた施設整備をする」と強調した。駅近くへの立体駐車場の建設や、25年春に開業する新たなJR広島駅ビル2階への路面電車乗り入れなど観光客の受け入れ態勢を整える考えを示した。

 広電宮島口―JA広島病院前は線路切り替えや試運転のため、7月2日は始発から午後2時ごろまで臨時運休し、バスで代替運送する。(小川満久)