ライアン・マーフィーが制作総指揮を手がける、ケーブル局「FX」の人気テレビドラマ「アメリカン・クライム・ストーリー」の新シーズンが1月17日に始まった。タイトルは、「ジャンニ・ヴェルサーチ殺害事件（The Assassination of Gianni Versace：邦題は未定）」だ。イタリアの有名デザイナー、ジャンニ・ヴェルサーチの晩年の日々をたどりながら、連続殺人鬼アンドリュー・クナナンの素顔を探るものだ。
ヴェルサーチは1997年7月15日、マイアミ・ビーチにある自宅の前で、クナナンに銃撃された。享年は51歳だった。
クナナンは1997年4月から7月にかけて、全米を股にかけた連続殺人事件を起こしていた。ヴェルサーチは、その最後の犠牲者だった。
ここでは、ヴェルサーチ殺害直後に撮影された写真のなかから、とりわけ印象的なものを紹介しよう。
1. 銃撃当日、オーシャン・ドライブのヴェルサーチ邸のまわりに集まる野次馬たち。
2. 報道関係者に入り混じるように、嘆き悲しむ人たちがいた。
3. ヴェルサーチが撃たれた階段。立ち入り禁止のテープが、犯行現場であることを物語っている。
4. 証拠を検証するマイアミ・ビーチの警官。
5. ヴェルサーチ邸の周辺でも、手がかりを求める警官たちが路上をしらみつぶしに調べていた。
6. マイアミの立体駐車場で、犯人特定の手がかりになるかもしれない不審な車が発見された。マイアミ・ビーチの警察犬部隊が、近隣の路地を捜索した。
7. 駐車場にあった赤いピックアップ・トラックを、捜査当局がレッカー移動した。この車は、4人目の犠牲者ウィリアム・リースの殺害後に、クナナンが盗んだものだった。
8. 規制線が解かれたヴェルサーチ邸の門前に立つ、民間のセキュリティガード。殺害されたデザイナーを悼むファンからの花束などが置かれはじめた。
9. 殺害翌日、階段いっぱいに置かれた花束とキャンドル。
10. 別れのメッセージも見られた。
11. 犬の散歩中に足をとめ、ヴェルサーチ邸前に積まれた追悼の品々を撮影する女性。
12. ヴェルサーチが射殺された通りの絵を描く無名のアーティスト。
13. 世界中のファンが嘆き悲しんだ。ビヴァリー・ヒルズのロデオ・ドライブにあるジャンニ・ヴェルサーチの店舗には、「彼の名は永遠に生き続ける」というメッセージを添えた花束が届けられた。
14. ロンドンの店舗の前にも、追悼の品々が捧げられた。
15. ロンドンにあるヴェルサーチ社屋のエントランス前で足をとめ、花束とメッセージを置く追悼者。
16. 全米のヴェルサーチ店舗が、創業者の死を悼んだ。
17. 7月15日、パリにあるヴェルサーチ・クチュールの店舗では、店員がマネキンに黒いスカートを着せ、哀悼の意を表していた。
18. 入口の看板前に花を置く、モスクワのヴェルサーチ店舗の店員。
19. 7月16日、イタリアの有力紙各紙がヴェルサーチ殺害を一面トップで報じた。
20. 7月16日、イタリアのファッション・デザイナー、ラウラ・ビアジョッティがヴェルサーチの追悼式をおこなった。会場となったローマのサン・ロレンツォ・イン・ルチーナ教会前には人々が集まった。
21. 追悼式には、イタリアのファッション・デザイナー、ヴァレンティノ・ガラヴァーニ（左）と、そのビジネスパートナーであるジャンカルロ・ジアメッティ（右）が参列した。
22. ヴェルサーチの検死を担当した、ジャクソン記念病院の神経外科医フィリップ・ヴィリャヌエヴァ。記者会見で、銃弾が貫通してできた銃創の位置を説明しているところ。
23. 7月15日、ヴェルサーチの遺体を乗せてジャクソン記念病院を出る検死官の車。
24. 7月16日、マイアミ・ビーチでおこなわれた記者会見で、ヴェルサーチ殺害と、容疑者アンドリュー・クナナンについて説明するマイアミ・ビーチ警察のアルフレド・ボザ。
25. FBIが作成した最有力容疑者アンドリュー・クナナンのビラを見せる、FBI特別捜査官のポール・フィリップス（右）とマイアミ警察署長のリチャード・バレット（左）。
26. 全米規模でクナナンの追跡が始まった。犯行現場から遠く離れたカリフォルニア州ウェスト・ハリウッドでも、店員が容疑者の指名手配ポスターを貼っていた。
27. マイアミ・ビーチのエッジウォーター・ホテルで、巨大なクナナンの指名手配ポスターの下に座る家族。
28. 7月16日早朝、ジャンニ・ヴェルサーチの妹ドナテッラと兄サントを乗せたプライベート機がマイアミ国際空港に到着した。
29. 同日、花束を持ってマイアミ・ビーチのヴェルサーチ邸の裏口から出るドナテッラ・ヴェルサーチ。
30. 7月17日、オーシャン・ドライブのヴェルサーチ邸周辺は、依然として人であふれていた。
31. 7月17日、ドナテッラとサントが、ジャンニ・ヴェルサーチの遺灰とともに、イタリアに帰国した。この写真では、車内にいるドナテッラの姿がかろうじてとらえられている。
32. 7月18日、弟の遺灰が入った骨壺を手に、イタリアのコモ湖畔、モルトラージオ村にある墓地に到着したサント・ヴェルサーチ。
33. 7月18日、追悼式がおこなわれたマイアミ・ビーチの聖パトリック・カトリック教会前には、ヴェルサーチの死を悼む人たちが集まった。
34. 7月22日の葬儀に先立つ21日、ミラノのダウンタウンにあるジャンニ・ヴェルサーチの自宅ドアには、「追悼のため閉鎖」と書かれた掲示が貼られた。
35. 7月22日、ヴェルサーチの追悼ミサに参列するために、ミラノ大聖堂前に人々が長い列をつくった。
36. 厳粛な場にふさわしい黒の服に身を包んだ追悼者たち。
37. 葬儀に出席するために、ミラノの兄の自宅を出るドナテッラ・ヴェルサーチ。
38. 黒いレースのベールをかぶって葬儀に出席するモデルのナオミ・キャンベル。ヴェルサーチとは頻繁に仕事をともにし、個人的な友人でもあった。
39. 葬儀には、スティングとその妻トゥルーディ・スタイラー、ダイアナ元妃、エルトン・ジョンなどの著名人が参列した。
40. 葬儀中にエルトン・ジョンを慰める、パートナーのデイヴィッド・ファーニッシュ。
41. そろって聖堂へ入るサントとドナテッラ。
42. ヴェルサーチの長きにわたるパートナー、アントニオ・ダミコは、葬儀のあいだ拳を握りしめていた。
43. 7月23日、ヴェルサーチに捧げられた「オーシャン・ドライブ・マガジン」特別号を読むマイアミ・ビーチの旅行者たち。この特別号は、4万部が無料で近隣に配られた。
44. 7月23日、不審者が侵入して潜伏しているとの通報を受け、マイアミ・ビーチのコリンズ・アベニューに停泊していたハウスボートを警官が包囲した。
45. ハウスボートの前で所定の位置につく警察の特殊部隊SWATの隊員たち。ハウスボートのある場所は、ヴェルサーチ邸から数ブロックしか離れていなかった。
46. 突入した隊員が現場を確保したあと、検死官がハウスボートから遺体を運び出した。
47. 7月24日、マイアミ警察署長のリチャード・バレットが、ハウスボート内でアンドリュー・クナナンの遺体を発見したことを明らかにした。クナナンは銃でみずからを撃ち、自殺していた。
48. 全米規模でのクナナンの追跡が終わった。FBIのウェブサイトでは、クナナンの犯罪データが更新された。
49. 9月、ローマでヴェルサーチに捧げるファッション・ショー「ウィメン・アンダー・ザ・スターズ（Women Under the Stars）」が開催され、ナオミ・キャンベルがステージに立った。ショーの終わりに、キャンベルは涙をぬぐった。
50. 1997年10月、ドナテッラ・ヴェルサーチが兄の死後初となる自身のコレクションを発表した。ナオミ・キャンベルも喝采を送った。
