選手紹介

選手

小野 誠治(おの せいじ)
1956年6月18日生
愛媛県西宇和郡出身
左ペンドライブ型

小野の卓球との出合いは、小学2年生の時に通い始めた珠算教室にたまたま置いてあった卓球台で友人と遊んだことだった。わずか1台しかなかった卓球台を占有するため、多くの友人と勝ち抜き戦を行っていた小野は、そのころに相手をノータッチで抜く快感を覚えたという。
大学生のときには通常の練習に加えて、大学の守衛の目を盗んで深夜練習を行い、柵を乗り越えて帰宅する習慣がつくほど心の底から卓球が好きだった小野。やがて、守衛の理解が得られると、守衛室にふとんを持ち込んで守衛と一緒に寝泊りして卓球に打ち込むようになった。
強くなるために、トレーニングや練習に努力を惜しまなかった小野は、猛烈に切れたサービスや鉄壁のブロック、そして「カミソリスマッシュ」の異名を誇る切れ味鋭いフォアハンドスマッシュを身につけ、1979年の世界卓球選手権ピョンヤン大会男子シングルスで優勝を飾った。現時点において、小野は日本最後の世界チャンピオンである。

主な戦績

世界卓球選手権大会初出場となった1979年世界卓球選手権ピョンヤン大会で、中国選手4人を破って優勝。その7年後、全日本卓球選手権大会の出場12回目、決勝進出5度目にして、悲願の全日本チャンピオンに輝いた。その他、1988年ソウルオリンピック出場、1990年に前人未到だった日本リーグ100勝を飾るなど、記録多数。

小野 誠治 選手のラケット

ラケット

世界卓球選手権ピョンヤン大会で、小野選手が世界チャンピオンに輝いたときに使用したラケット。檜単板のペンホルダーで、重量はラバーを貼った状態で127g。小野はラケットをそれほど深く握るグリップではなかったため、人差し指をかける部分の削りは浅めになっている。

ラバー

裏ソフトラバーを使用。現存しているラバーはスポンジとシートがともに硬化しており、スポンジは収縮、シートの表面にはひび割れが生じている。