ロシア国籍を放棄､富豪の投資家ミルナー氏－祖国永遠に離れた (訂正)

ロシア生まれの富豪で、米シリコンバレーでの投資で有名なユーリ・ミルナー氏は10日、ロシア国籍を捨てたと明らかにした。 

　　自身のベンチャーキャピタル、ＤＳＴグローバルのウェブサイトに掲載された文書で、８月に手続きを完了したと説明した。

　　ロシアが一方的にクリミアを併合した2014年に同氏とその家族が「永遠にロシアを離れた」とツイッターにも投稿。今年２月にロシアがウクライナに侵攻すると、ＤＳＴグローバルは「ロシアが隣接する主権国ウクライナに対し起こした戦争」を非難する声明を出し、同氏の財団も「一般市民へのいわれない残虐な暴行だ」と意見を公表した。ミルナー氏はそれらの言論に責任を持つという。 

　　モスクワ生まれのミルナー氏は、ロシアのウクライナ侵攻を受け、ビジネスでロシアと距離を置くことを目指すテクノロジー業界の大物の中で最も著名な人物だ。ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、資産は約35億ドル（約5100億円）と推定される。ＤＳＴグローバルはフェイスブック（現メタ・プラットフォームズ）やツイッターなど大手テクノロジー企業に利益の大きい投資を行った。

　　ＤＳＴグローバルはロシアの国営銀行などから資金を得たとして11年に調査対象となったが、その後ロシアから一切資金を得ておらず、同国への投資も行っていないとミルナー氏は３月のブルームバーグ・ビジネスウィークとのインタビューで発言。「自分がロシア生まれという事実は変えられない。われわれがロシアからの一定の資金を有していた事実も変えられない」と述べていた。

原題：Billionaire Investor Milner Renounces Russian Citizenship (1)（抜粋）