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EU首脳、10月末までの英離脱延期で合意

更新日時
  • 議会承認が得られれば10月より早い段階での離脱もあり得る
  • 英国が欧州議会選挙への参加を求められる可能性が高まった
relates to EU首脳、10月末までの英離脱延期で合意
Photographer: Jasper Juinen/Bloomberg

欧州連合(EU)はブリュッセルで10日に開いた臨時首脳会議で、英国の離脱期限を10月31日まで再び延期する妥協案で合意し、メイ英首相も提案を受け入れた。6月のEU首脳会議で進展状況を見直す。

  EUとの離脱合意案への議会承認が得られれば、10月よりも早い段階で英国がEUを離脱することも可能だが、英離脱を巡る政治的な不透明感が今後さらに半年続く恐れがある。

  12日に延期されていた期限が迫る中で、EU首脳らは6時間にわたる協議を経て、混乱を伴う「合意なき離脱」の脅威を取り除くための離脱再延期で合意にこぎ着けた。メイ首相はこれを受け、離脱案に懐疑的な議会の説得を目指す。首相は新たな妥協案の策定に向け、最大野党・労働党のコービン党首に協力を求め、与野党協議が続けられている。

  今回の決定に伴い、英国が欧州議会選挙(5月23-26日実施)への参加を求められる可能性が高まった。無秩序な離脱のリスクは回避されたものの、首相のリーダーシップへの不満が限界に達する与党保守党内では、長期の離脱延期が2016年の国民投票結果への背信だと主張する批判勢力が反発し、政権が動揺する危険もある。

  メイ首相はブリュッセル時間11日午前3時前に開いた記者会見で、「わわれれがこれから直面しなければならない選択は厳しいものであり、スケジュールははっきりしている。今後数週間が簡単にいくと装うつもりはない」と語った。首相はこの日のうちにロンドンに戻り、離脱が長期延期となったことについて議会と与党に説明する必要がある。

  メイ首相が6月30日までの短期の離脱延期を求めたのに対し、EUのトゥスク大統領(常任議長)は最長1年の延期を検討するよう首脳会議に提案していた。離脱延期が認められるのは今回が最後でないかもしれないと複数の外交当局者がすぐに指摘し、トゥスク大統領もその可能性を否定していない。

  事情に詳しい関係者によれば、強硬な姿勢を取るフランスが長期の離脱延期に強く反対し、6月までの短い延期とより厳しい条件を主張。EUに残る27カ国のうちドイツとスペイン、アイルランドを含む大多数は、年末前後までの長期の延期を支持したという。

  フランス政府の報道官は、EU首脳会議の決定について、「英国が欧州議会選に参加することは、われわれの第1の選択ではない」としながらも、「一部の加盟国はより長い延期を望んだが、まずまずの妥協だ」とのコメントを11日に発表した。

EU Leaders Discuss Brexit Extension At Brussels Summit

ブリュッセルに集まったEU首脳ら(4月10日)

写真家:Leon Neal / Pool via Getty Images
Brexit to Be Delayed to End of October As Macron Plays Hardball

メイ英首相(4月11日)

写真家:Jasper Juinen / Bloomberg

EUは臨時首脳会議を開き、英国の離脱期限を10月31日まで再延期することで合意

(出典:ブルームバーグ)

原題:Brexit Will Be Delayed to Halloween After Macron Plays Hardball
French Govt Spokeswoman Says Brexit Delay Is ‘Good Compromise’
EU Said to Agree to Oct. 31 Brexit Deadline With Review in June
Macron Keeps Fighting for Short Delay Only: Brexit Update(抜粋)

(フランス政府報道官のコメントなどを追加して更新します.)
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