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NY外為(25日):ドルが対ユーロで2年ぶり安値に下落

ニューヨーク外国為替市場ではドル が対ユーロで2年ぶりの安値となった。米消費者マインド指数が1月以 来の低水準に落ち込んだことを背景に、金融当局が緩和縮小を先送りす るとの見方が強まった。

ドルは円に対して週間ベースで2週連続安。米耐久財受注は変動の 大きい輸送用機器を除くベースで減少した。米連邦公開市場委員会 (FOMC)は来週に会合を開くが、エコノミストの予想によれば、債 券購入の縮小開始は来年3月まで先延ばしにする見通しだ。

ウエストパック銀行の北半球通貨担当チーフストラテジスト、リチ ャード・フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビュー で、「緩和縮小は禁句で、恐らく9-12カ月間はその決定が下されるこ とはないだろう」と指摘。「きょう発表された経済指標は私の見解をお おむね補強するものだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで前日比ほぼ変わ らずの1ユーロ=1.3802ドル。一時は0.2%安の1.3832ドルと、2011 年11月以来の安値をつけた。週間では0.8%下落。ドルは対円で0.1%高 の1ドル=97円42銭。一時は96円94銭と、9日以来の安値となった。週 間では0.3%下落。ユーロは対円で0.2%高の1ユーロ=134円46銭。週 間では0.5%上昇。

ユーロは高い

ドイツ銀行のユーロ相場の貿易加重指数によると、ユーロは貿易加 重ベースで2011年8月以来の高値となった。

野村ホールディングスの為替調査のマネジングディレクター、イェ ンス・ノルドビグ氏(ニューヨーク在勤)はユーロの強さについて、 「今や欧州中央銀行(ECB)のインフレ見通しに影響を及ぼす可能性 があるほど重要で、ECBはこの趣旨でユーロについてコメントする可 能性がある」とリポートで指摘。ただ、ECBの行動は「口先だけにと どまり、実際の政策対応は短期的にはありそうにない」としている。

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジファ ンドや大口投機家によるユーロのネットロング(買い越し)は1日時点 で6万8276枚と、約2年ぶりの高水準となった。前週のネットロングは 6万5844枚だった。今回のデータの公表は政府機関の一部閉鎖で遅れて いた。

ユーロの対ドルでの上げが急ピッチ過ぎた可能性をテクニカル指標 が4日連続で示唆した。対ドルでのユーロの相対力指数(RSI、期 間14日)は74と、同指数は下落が近いことを示唆するといわれる70を上 回っている。

ブルームバーグが今月17、18両日に実施したエコノミスト調査によ ると、FOMCは3月18、19両日開催の会合まで債券購入の縮小開始を 先送りする見通しだ。

「ドル安を正当化」

10月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数 (確定値)は73.2と、前月の77.5から低下した。ブルームバーグ・ニュ ースがまとめたエコノミスト予想の中央値は75だった。速報値は75.2だ った。

米商務省が発表した9月の米製造業耐久財受注は、変動の大きい輸 送用機器を除いたベースで0.1%減。前月は0.4%減に下方修正された。 耐久財全体の受注は3.7%増加した。

ゲイン・キャピタル・グループのシニア為替ストラテジスト、エリ ック・ビロリア氏は「経済指標は軟調だった、これはドル安を正当化す る」と話した。

原題:Dollar at Almost 2-Year Low as U.S. Confidence Sags: Peso Climbs(抜粋)

--取材協力:Emma Charlton. Editors: Greg Storey, Paul Cox

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