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KDDI:「ツーカー」3社を完全子会社に-迅速な経営判断求め年内に

携帯電話国内2位のKDDIは29日、携帯電 話ブランドの「ツーカー」を展開する子会社3社を完全子会社にすると発表した。 「ツーカー」の今後の在り方を検討するうえで他の株主に左右されずに迅速な判 断が必要と判断、年内に残りの株式を買い取る。

KDDIは現在ツーカーセルラー東京とツーカーセルラー東海の61%、ツー カーホン関西の54%の株式を保有している。この3社の現在持っていない株式に ついて買い取っていく。2位株主はツーカーセルラー東京がモトローラ(保有株 式8.0%)、ツーカーセルラー東海は名古屋鉄道(同5%)、ツーカーホン関西は パナソニック・モバイルコミュニケーションズ(5.3%)。

残りの株式取得にかかる費用についてKDDIの小野寺正社長は「相対交渉 なので言及できないが、買い取った後に発表する」と述べた。主力ブランドの「a u」が好調なのに比べて「ツーカー」は顧客数の減少が続くなど、相対的に不振 が目立っている。

この「ツーカー」について小野寺社長はかねてから、売却することも選択肢 の1つなどと言及していた。同時に、携帯電話で契約企業を変えても電話番号を 変えずにすむ番号持ち運び制度(ナンバーポータビリティ)の導入を機に「au」 に顧客を取り込むという案も出ていた。

「ツーカー」迅速に処理、必要資金117億円とアナリスト

決算発表の席上で29日記者会見した小野寺社長は、こうした案を含めて「い ずれのケースでも他の株主の判断がなく、迅速に処理できる。処理を楽にしよう というのが本音」と「ツーカー」3社の完全子会社化の狙いを語った。すでに連 結子会社のため、完全子会社にしても収益に与える影響はないとしている。

クレディ・スイス・ファースト・ボストンの早川仁アナリストは、KDDI が「ツーカー」3社の残りの株式を取得する際の資金として、117億円程度にな るという試算を示したリポートを明らかにしている。

KDDI株の終値は、前日比1万円(1.7%)高の59万6000円。

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