英連邦アンティグア・バーブーダ、共和制への移行問う国民投票を検討

Prime Minister Gaston Browne

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画像説明, アンティグア・バーブーダのガストン・ブラウン首相

イギリスのエリザベス女王の死去を受け、英連邦加盟国アンティグア・バーブーダのガストン・ブラウン首相は11日、立憲君主制を廃止して共和制に移行するかどうかを問う国民投票を実施する方針だと述べた。

ブラウン首相は、3年以内に国民投票を行う可能性があるとした。一方で、この動きは「敵対行為ではない」と強調した。

エリザベス女王の死去に伴い、イギリスの王位は自動的にチャールズ3世に継承された。ブラウン氏は、カリブ海の同国の国家元首としてチャールズ新国王を承認した後に、国民投票について言及した。

ブラウン氏は来年の選挙で再選された場合に国民投票を行うつもりだとした。

ブラウン氏率いるアンティグア労働党は下院17議席のうち15議席を確保しており、同氏の再選は有力視されている。

ただ、国民からは投票の実施を求める強い求めはないと、ブラウン氏は認めた。

「ほとんどの国民はそのことについてわざわざ考えてもいないと思う」と、同氏は英ITVニュースに語った。

オーストラリア首相は移行は問わないと

エリザベス女王の死はオーストラリアでの王政論争を再燃させた。

だが、5月に首相に選出されたアンソニー・アルバニージー氏は、今後4年以内に同様の投票を実施する可能性を排除した。

同氏は共和制主義者だが、一期目にこの問題での投票は実施しないとし、「憲法に関するより大きな問題は目下のところ、これではない」と英スカイニュースに述べた。

「いまは、多くのオーストラリア人がこの瞬間に感じている悲しみを共有し、オーストラリアへの女王の貢献に深い敬意と称賛を示す時期だ」

チャールズ国王はイギリスに加えて、英連邦王国(Commonwealth realms)と呼ばれるアンティグア・バーブーダ、オーストラリア、バハマ、ベリーズ、カナダ、グレナダ、ジャマイカ、ニュージーランド、パプアニューギニア、セントクリストファー・ネーヴィス、セントルシア、セントヴィンセント及びグレナディーン諸島、ソロモン諸島、ツヴァルの国家元首でもある。

しかし、多くの国が君主制の役割を再考している。ブラウン氏は、共和国になることが「真の主権国家となるための独立の輪を完成させる最後のステップ」だとしている。

昨年にはバルバドスがエリザベス女王を君主とするのをやめて共和国となり、2018年から同国の総督を務めてきたデイム・サンドラ・メイソン氏が議会の投票で大統領に選出された。

ジャマイカでは、与党・労働党が共和制への移行の是非を問う国民投票の実施を目指している。