英ウェストミンスター公爵が死去 世界68位の大富豪で大地主

Duke of Westminster

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英国有数の大地主で世界的な大富豪といわれる第6代ウェストミンスター公爵、ジェラルド・キャベンディッシュ・グローブナー氏が9日、西北部ランカシャーの病院で亡くなった。64歳だった。広報担当によると、領地で急に体調が悪化したという。

長男のヒュー・グローブナー氏(25)が第7代公爵となった。姉妹が3人いるヒュー・グローブナー氏は、ウィリアム英王子の長男ジョージ王子の後見人のひとり。

米フォーブス誌によると、グローブナー家の資産は108億ドル(約1兆1000億円)。世界68位で英国3位の富豪ということになる。バッキンガム宮殿に近いロンドン有数の高級住宅地ベルグレイビア地区に190エーカーを所有するほか、英国各地に地所を持つ。

公爵家の広報担当は、公爵の死去について家族は全員承知していると述べ、プライバシーの尊重を求めた。

英王室バッキンガム宮殿の報道官は、エリザベス女王夫妻も公爵の死去を承知しており、追悼の言葉を遺族に送っていると説明した。

チャールズ皇太子夫妻の居宅クラレンス・ハウスの報道官は、友人ウェストミンスター公爵の死去に王子夫妻が「深い衝撃を受け、とても悲しんでいる」と発表した。

2004年に娘の結婚式に出席したウェストミンスター公爵とエリザベス女王

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ウェストミンスター公爵は1979年にナタリア・フィリップスさんと結婚した

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ウェストミンスター公爵(左)とチャールズ英皇太子

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画像説明, ウェストミンスター公爵(左)とチャールズ英皇太子。皇太子は友人の死去に「とても悲しんでいる」とコメントした。

グローブナー家の資産の大半は、先祖サー・トマス・グローブナーが1677年に、資産家の娘メアリー・デイビスと結婚したことに由来する。オックスフォード国民伝記辞典(DNB)によると、結婚を通じて「グローブナー家の資産の基礎となるロンドンの地所」を得たという。この時の土地がやがて、現代ロンドンのベルグレイビアやメイフェア地区といった高級住宅地となった。

亡くなった公爵は名門ハロウ校出身。オーストラリアやカナダの牧場で働いた後、地所管理の見習いとなった。

1973年に22歳でグローブナー一族の資産管理人になる一方、1994年には国防義勇軍に参加した。

篤志家として知られ、農村部と都市部の両方で領地につながりのある貧困地区を資金面で援助していた。