陸自3人殺傷事件、自衛官候補生の男を鑑定留置 岐阜地検

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 岐阜市陸上自衛隊日野基本射撃場で6月に男性隊員3人が銃撃されて殺傷された事件で、自衛官候補生の男(18)=殺人容疑などで送検=について、岐阜地検は20日、事件当時の精神状態を調べるための鑑定留置を始めた。期間は11月24日までの約4カ月間。地検は「捜査に万全を期すため」と説明した。

 地検の請求を岐阜簡裁が19日付で認めた。地検は男の事件当時の行動を踏まえ、男が目的に沿って合理的な判断をしていたとみている模様だ。だが、起訴された場合、公判では刑事責任能力が争点になる可能性があり、専門医の見解を得ておく必要があると判断したとみられる。

 鑑定留置の期間中は、専門医が精神鑑定を行い、男の成育歴や精神疾患の有無などを調べる。鑑定終了後、地検は男を家裁に送致する見通し。

 事件は、射撃訓練中だった6月14日午前9時10分ごろに発生。男が八代航佑2曹(25)に1発、菊松安親陸曹長(52)に2発、原悠介3曹(25)に1発撃った。八代2曹と菊松陸曹長は死亡し、原3曹は重傷を負った。男は3人を殺傷したとして殺人と同未遂の疑いで送検されている。

 捜査関係者によると、男は逮捕直後は「銃と弾を外に持ち出して、うろうろしたかった」などと事件当日の行動について供述をしていた。だが、現在は黙秘しているという。

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