芝野虎丸名人が大逆転勝利 井山裕太挑戦者を破り、名人初防衛

大出公二 照井琢見
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 第48期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第6局は3日、神奈川県箱根町のホテル花月園で打ち継がれ、芝野虎丸名人(23)=十段を合わせて二冠=が、挑戦者の井山裕太王座(34)=碁聖を合わせて二冠=に大逆転し、243手までで黒番中押し勝ちした。シリーズ4勝2敗で制し、名人初防衛を果たした。

 芝野は連覇、通算3期目の名人獲得。昨年、芝野から名人を奪われた井山と攻守ところを替えての再戦は、開幕ダッシュの3連勝。その後連敗して迎えた本局は1日目に大きくリードされたが、2日目から追い上げ半目勝負に持ち込み、最終盤に差して逆転勝ちした。井山は歴代タイの名人通算9期、4度目の返り咲きをめざしたが、失敗。七大タイトル挑戦時の連続制覇記録も14で止まった。

 日本囲碁界は昨年から世代交代が本格化。七大タイトルの中でも序列が際だって高い名人、棋聖、本因坊を独占する「大三冠」だった井山は、今夏までにすべて失い、名人は芝野に、棋聖と本因坊は一力遼(26)に渡った。今期名人戦は芝野が井山の逆襲を許さず、世代交代の歯車は大きく旋回した。(大出公二、照井琢見)

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