イスラエルで昨年末に発足したネタニヤフ政権の閣僚が3日、エルサレム旧市街にあるユダヤ教とイスラム教双方の聖地の丘を訪れたことに対し、アラブ諸国や欧米から反発の声が上がっている。この場所を巡ってイスラエル治安部隊とパレスチナ人の大規模な衝突が起きた経緯があり、緊張の激化が懸念されている。

 ロイター通信は4日、アラブ首長国連邦(UAE)と中国が、国連安全保障理事会に対し、この訪問についての公開会合を開くよう要請した、と報じた。

 ユダヤ教で「神殿の丘」、イスラム教では「ハラム・シャリーフ」と呼ばれる聖地を訪れたのは、ネタニヤフ政権で国家安全保障相に就任した、極右政党の党首ベングビール氏。聖地がある東エルサレムは、1967年の第3次中東戦争でイスラエルが占領した。

 聖地の丘は、イスラエルの占領前に統治していたヨルダン政府傘下の組織が管理してきた。両国間の取り決めで、聖地で礼拝できるのはイスラム教徒のみ。ユダヤ教徒らは訪問はできるが、礼拝は認められていない。一方、ベングビール氏は閣僚就任前から繰り返し聖地を訪問。この現状を変更し、ユダヤ教徒の礼拝を認めるよう訴えてきた。

 イスラエル首相府は3日、聖地…

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