エレベーター大手・フジテック(滋賀県彦根市)は23日、内山高一社長の取締役再任案を株主総会が開かれる1時間前に撤回した。内山社長は退任し、後任には岡田隆夫副社長が昇格する。香港の投資ファンドが再任への反対を呼びかけていた。総会直前の撤回は極めて異例だ。
フジテック株の9%超を持つ香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」は、創業家である内山家側とフジテックとの間で不適切な取引があると主張。不適切な貸し付けや、会社保有の高級マンションを内山家側が私的に利用していたなどと訴えている。
オアシスは株主に取締役再任への反対を呼びかけていた。投資家に議決権行使を助言する米大手2社も同調し反対を推奨していた。
フジテックは弁護士や社外取締役らが調査し、取締役会でいったんは「問題ない」と結論づけた。オアシス以外からも調査の独立性などについて懸念が示され、第三者委員会で追加調査すると17日に表明した。
オアシスのセス・フィッシャ…