30HRの日本人、四半世紀ゼロはロッテだけ 悩みの風

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室田賢
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 30本塁打。それはプロ野球のホームラン打者の力を示す、一つの指標になる。この数字を超えた日本の強打者は、いつの時代も生まれてきたが、四半世紀以上も、30本以上を放った日本選手がいない唯一のチームがある。ロッテだ。

 ロッテの和製大砲として、真っ先に思い浮かぶのが落合博満だろう。「神主打法」と呼ばれた独特の打撃フォーム。両翼89メートルの川崎球場が本拠だったが、卓越した技術で左右に打ち分け、本塁打を量産した。その落合が3度目の三冠王に輝いた1986年の50本塁打が、ロッテの日本選手が最後に記録した「30本塁打」以上だ。

 それから33年間、日本選手の年間最多本塁打は、初芝清が95、98年に放った「25本」。2位は「24本」で、2008年に大松尚逸、18、19年に井上晴哉がマークした。さらに続くのが、初芝と井口資仁の「23本」、初芝、堀幸一サブローの「22本」。1987年以降、20本塁打以上を打った日本選手は8人しかいない。

 特にこの30年近くは、本拠に吹き荒れる“マリンの風”に悩まされてきた。

 92年、川崎球場から、千葉マリンスタジアム(現ゾゾマリン)に本拠を移転。東京湾の海岸から約150メートルの距離に位置し、バックネット裏の客席からは海に浮かぶ船が見えるほど近い。ゆえに、海風は弱まることなく球場に吹き付ける。昨年9月23日の福浦和也の引退試合では、球場表示で風速15メートルを計測した。

 球場の外野側が海に向いており、陸地に向かう海風は、打者にとっては逆風だ。風は地上から高くなるほど強くなるため、上空で打球の勢いを止めてしまう。パワーが売りの外国人選手でさえ、千葉移転後の30本以上は7人。40本以上はいまだ誰もいない。

 では、ここで一発を打つには…

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