文氏側近が11時間会見 質問無制限、不正疑惑は否定

ソウル=武田肇
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 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領の最側近で、法相への指名後に娘の不正入学疑惑などのスキャンダルが浮上した曺国(チョグク)・前大統領府民情首席秘書官が2日、記者会見を開いた。曺氏は「身の回りのことに厳格でなかったことを反省し、謝罪する」と述べたが、疑惑への関与は否定。文氏は法相への任命を強行する構えだ。

 記者会見は、国会の人事聴聞会が与野党対立で開催困難となったため、曺氏の要請で開かれた。時間と質問が無制限とされ、休憩を含めて3日未明まで約11時間続いた。世論調査で曺氏の法相就任に反対する声が60%に達し、全国各地で大学生らが辞退を求める「ロウソク集会」を開いているため、長時間の会見で「みそぎ」は済んだとアピールし、正面突破をはかるねらいがあったとみられる。

 ただ、曺氏は一連の疑惑について「知らなかった」「法的に問題はない」と繰り返し、自身の関与を否定。記者側も決定的な証拠を突きつけられず、疑惑の解明につながらないまま終わった。野党第1党の自由韓国党は「国民向けの詐欺ショー」と批判。文氏は曺氏の法相就任を検察改革などの公約実現に不可欠と考えており、世論の動向も見つつ近く国会同意なしの任命を強行するとみられる。(ソウル=武田肇)

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