欧州ポピュリズムの先駆け、下野 EUに押し切られ失速

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ローマ=河原田慎一 ブリュッセル=津阪直樹
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 ギリシャ総選挙で敗退した、チプラス首相率いる与党、急進左翼進歩連合(シリザ)は欧州でのポピュリスト政党の先駆けだった。金融危機の中で欧州連合(EU)と4年半、向き合ってきたが、政策転換で失った国民の支持は取り戻せなかった。

 ギリシャ内務省の発表によると、最大野党で中道右派の新民主主義党(ND)が39・9%の票を獲得。最大得票の党に与えられる50議席とあわせ、定数300の過半数となる158議席を獲得した。8日午後には、NDのミツォタキス党首(51)が新首相に就任。今月中旬にも議会の信任を得て新内閣が発足する。

 一方、シリザは31・5%の得票率で86議席にとどまった。「ギリシャを今日の状況に持ってくるには、困難な政治的決断をしなければならなかった」。チプラス氏は7日夜、記者団に無念をにじませた。

左派ポピュリストの先駆け

 チプラス氏は、2009年に巨額の財政赤字が発覚して以来、ギリシャに対し厳しい財政緊縮策を求めてきたEUなどに反発し、シリザは15年1月の総選挙で第1党に躍り出た。左派ポピュリストの先駆けで、巨額の債務を減らしつつ、最低賃金の引き上げや貧困対策など「反緊縮」を進めると公約した。

 だが、同年7月に行った国民…

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