与野党が夏の参院選の前哨戦と位置づける、参院石川選挙区の補欠選挙(被選挙数1)が24日、投開票された。自民公認で比例区前職の宮本周司氏(51)=公明推薦=が、立憲公認の小山田経子氏(43)=社民推薦=、共産公認の西村祐士氏(67)、N党公認の斉藤健一郎氏(41)の新顔3人を破って当選した。投票率は29.93%(2019年参院選47.00%)だった。

 宮本氏は24日夜、金沢市内のホテルで支援者を前に「皆様と一緒に石川県の元気を作っていきたい」と喜びを語った。会場には今夏の参院選で改選を控える参院議員らも駆けつけ、夏に向け気勢を上げた。

 今回の補選は、今年3月にあった石川県知事選に、自民党の前参院議員の山田修路氏が出馬し、辞職したことに伴う選挙。知事選と同時に補選への対応を迫られた同党県連が、全国商工政治連盟の組織内候補で、比例代表の2期目途中だった宮本氏に、くら替えでの立候補を要請した。

 立憲や共産など野党側も、夏の参院選に向けて県内での存在感を示すため、候補者を擁立。しかし、野党共闘も実現せず、衆参の全選挙区の議席を自民が占める「保守王国」の厚い地盤を前に敗れた。(山田健悟)