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サダコ 単行本 – 2000/8/1

3.3 5つ星のうち3.3 4個の評価

商品の説明

商品説明

「"Do you know 'Sadako'?" これまでどれほど多くの日本人が海外でこの質問を受けたことでしょうか。そして"知っている"と自信を持って答えられた人が何人いたでしょうか」(編集者のあとがきより)。広島記念公園に折り鶴を掲げて立つ「原爆の子の像」のモデルとなった佐々木禎子の物語は、核のない世界を願う心の象徴である。本書はオーストリアの児童文学作家カール・ブルックナーが1961年に発表した『Sadako will leben(サダコは生きたい)』の日本語版。世界22か国で翻訳され、200万人以上の人々に読み継がれているロングセラーである。日本では30年以上も絶版となっていたが、2000年夏、21世紀に読み継ぐべき本として、2人の編集者の熱意によって復刊された。

1945年8月5日広島、幼い兄妹4歳のサダコと兄シゲオは被爆した。一家は奇跡的に再会し、荒廃したヒロシマで生活し始める。しかし10年後、サダコは突然原爆病を発病。病室のベッドで生への願いをこめ、千羽鶴を折り続けるのだった。「サダコ」に込められているのは、平和への願いはもちろん、人間の良心の強さと美しさ、家族への思い、習慣やイデオロギーをこえる普遍的な愛である。

日本を一度も訪れたことがなかったカール・ブルックナーは、ロベルト・ユング著『廃墟の光─甦るヒロシマ』に触発されてこの物語を書いた。原爆投下任務を遂行した将校たち、サダコの家族、戦後の広島焼け野原に生きる闇屋のドン、戦後のヒロシマで原爆病治療にあたるアメリカ人医師…、この世にはさまざまな生がある。それらの人間の持つドラマを重層的に描き出すことで、物語に重みと説得力がもたらしている。そこに見えてくるのは原爆の悪魔的な残虐性というよりも、たった1発の爆弾で一瞬にして溶けて跡形もなく消えていった20数万もの人々の悲しさ、そして原爆の計り知れない恐ろしさである。

物語の終わり近く、サダコの兄シゲオは、父の「兵士として爆弾の投下を命じられたらどうするか」の質問にこう答える。「…服従しなきゃなんないと思うけど。でも…、僕はね、また壊れた広島のことが目に浮かんでくるんだよ。それから、たくさんの死んだ人や、着物が燃えて火だるまになってる人たち…僕─だから、そんなことできないよ」

人間は「忘れる」動物である。しかし、ヒロシマで何が起こったのか忘れてはならない。忘却は大切なものの喪失を招くからだ。国境や時を越えて「サダコ」が読み継がれ、生き続ける理由がそこにある。(松本肇子)

内容(「MARC」データベースより)

広島平和記念公園の、折り鶴を掲げて立つ「原爆の子」像のモデルとなった佐々木禎子の物語。世界22カ国で翻訳されているロングセラー。学研1964年刊「小説サダコは生きる」の改題。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ よも出版 (2000/8/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2000/8/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 286ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4884922565
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4884922566
  • カスタマーレビュー:
    3.3 5つ星のうち3.3 4個の評価

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カ−ル・ブルックナ−
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2001年7月24日に日本でレビュー済み
 サダコ-。その名を聞いてピンと来る日本人は、どのくらいいるだろう。彼女は、日本国内よりもむしろ、海外において知られた日本人だ。恥ずかしながら、私も「サダコって知ってる?」という問いに対して、「戦争に関係のある人だったような…」という曖昧な返答しかできなかった。しかし、彼女こそ、ヒロシマ平和記念公園に建つ、「原爆の子の像」のモデルとなった少女なのである。     1945年8月6日、ヒロシマに世界で初めて、ウラニウム爆弾が投下された。その瞬間、ヒロシマは地獄と化した。写真や記録からは想像を絶する、それは実際に体験したものでなければ分からないものであったに違いない。サダコもそれを体験した。サダコ2歳(小説では4歳に設定)の時である。
 爆撃機B29の機長を務めたのは、ティベッツ大佐。その機に命名することを許された彼は、「エノラ・ゲイ」と母親の名を命名した。新型爆弾がどんなものかも知らされないままに…。彼も犠牲者の一人なのかもしれない。
 あの日から10年-。幼かったサダコも少女へと成長した。そんな彼女を突然、襲ったのが、原爆症である。「ツルを千羽折れば、元気になれるんだ」と信じて、必死に生きようとする姿。その願いも空!しく、彼女は12歳(小説では14歳)という若さで天国へと旅立った。しかし、彼女は今も生き続けているのだ。「核のない世界」のシンボルとして。
 21世紀という新しい時代を迎えて、半年余りが過ぎ去った。歴史は、時間の流れとともに風化していくものだが、後世に伝えなければならないこともある。サダコの物語もその一つだろう。そして、一人でも多くの日本人が、サダコの存在を知る必要がある。二度と過去の過ちを繰り返さないためにも。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年8月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は、エレノア・コアの「禎子と千羽鶴」を始め、流通している「佐々木禎子」に関する書物の基になっています。厳密な伝記・史実ではなく、著者による創作による物語です。舞台はポツダム会談以降のヒロシマの一般市民の平凡な日常から始まります。原爆投下以降も平穏に過ごしていたサダコを、物語の終盤になってから悲劇が襲います。焼け野原からやっと立ち上がった頃のことです。このストーリーの組み立て方に、著者のメッセージが表れていると思います。放射線の恐怖を侮るなと。