Computerが人間を超えることができるのか?という質問が1970年代からよく言われてきて、HALという名前のComputerがSFに出てきていた時の想定した2010年宇宙の旅は既に過ぎてしまい実現できていないことがはっきりしています。
このWATSONの開発秘話はまさにその難しさを表していて、人工知能の進化にはまだまだ大変な人間の知恵と苦労が必要になるわけです。
世界経済が低迷する中、このような夢のある分野に投資しているIBMの素晴らしい企業文化を称賛したいと思います。
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IBM 奇跡の“ワトソン”プロジェクト: 人工知能はクイズ王の夢をみる 単行本 – 2011/8/25
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IBMがその叡智を結集して開発した、自然言語を理解する驚異のスーパーコンピュータ「ワトソン」。今年2月に全米クイズ王を破り優勝するまでの、技術者の激闘1500日を描く「プロジェクトX」流ドキュメント!
【解説:金山博・武田浩一(日本IBM東京基礎研究所)】
1997年にチェス世界チャンピオンを破ったあの「ディープブルー」から14年。IBMの次なる挑戦は、「生きた言葉」による膨大なテーマについての質問を理解し、応答するスーパーコンピュータ「ワトソン」の開発だった。2011年2月14日から16日にかけて、ワトソンは世界屈指の難易度をほこるアメリカのクイズ番組「ジョパディ!」に出場し、みごと人間チャンピオンをやぶり優勝! その陰には、のべ1500日にわたる、技術者たちの想像を絶するドラマがあった――。発足から歴史的勝利の瞬間まで、プロジェクトの全貌と意義を明らかにする第一級のドキュメント。日本語版では、ワトソン開発に携わった2人の日本人IBM研究員による特別解説を収録。
【解説:金山博・武田浩一(日本IBM東京基礎研究所)】
1997年にチェス世界チャンピオンを破ったあの「ディープブルー」から14年。IBMの次なる挑戦は、「生きた言葉」による膨大なテーマについての質問を理解し、応答するスーパーコンピュータ「ワトソン」の開発だった。2011年2月14日から16日にかけて、ワトソンは世界屈指の難易度をほこるアメリカのクイズ番組「ジョパディ!」に出場し、みごと人間チャンピオンをやぶり優勝! その陰には、のべ1500日にわたる、技術者たちの想像を絶するドラマがあった――。発足から歴史的勝利の瞬間まで、プロジェクトの全貌と意義を明らかにする第一級のドキュメント。日本語版では、ワトソン開発に携わった2人の日本人IBM研究員による特別解説を収録。
- 本の長さ352ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2011/8/25
- ISBN-10415209236X
- ISBN-13978-4152092366
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著者について
スティーヴン・ベイカー(Stephen Baker)
コロンビア大学ジャーナリズム大学院修了(修士)。ジャーナリスト。2009年までビジネスウィーク誌の技術担当上級記者。同誌サイトBlogspotting.netで担当したブログは、ニューヨークタイムズ紙で注目のブログ50に選ばれた。同誌在籍中には、メキシコの自動車産業を扱った特集記事により米国海外記者クラブ賞を受賞している。ウォールストリート・ジャーナル紙、 ロサンゼルスタイムズ紙、ボストングローブ紙にも寄稿。他の著作に『数字で世界を操る巨人たち』がある。
ブログ:finaljeopardy.net
Twitter: @Stevebaker
訳者略歴
土屋政雄(つちや・まさお)
1944年生まれ。翻訳家。英米文学から技術翻訳まで幅広いジャンルを手掛ける。おもな訳書にイシグロ『日の名残り』『わたしを離さないで』『夜想曲集』、スタインベック『エデンの東』(以上ハヤカワ文庫刊)、ウルフ『ダロウェイ夫人』、オンダーチェ『イギリス人の患者』、ノンフィクションではフリードマン『政府からの自由』、オキモト他編『日米半導体競争』、ハルバースタム『栄光と狂気。』など。
コロンビア大学ジャーナリズム大学院修了(修士)。ジャーナリスト。2009年までビジネスウィーク誌の技術担当上級記者。同誌サイトBlogspotting.netで担当したブログは、ニューヨークタイムズ紙で注目のブログ50に選ばれた。同誌在籍中には、メキシコの自動車産業を扱った特集記事により米国海外記者クラブ賞を受賞している。ウォールストリート・ジャーナル紙、 ロサンゼルスタイムズ紙、ボストングローブ紙にも寄稿。他の著作に『数字で世界を操る巨人たち』がある。
ブログ:finaljeopardy.net
Twitter: @Stevebaker
訳者略歴
土屋政雄(つちや・まさお)
1944年生まれ。翻訳家。英米文学から技術翻訳まで幅広いジャンルを手掛ける。おもな訳書にイシグロ『日の名残り』『わたしを離さないで』『夜想曲集』、スタインベック『エデンの東』(以上ハヤカワ文庫刊)、ウルフ『ダロウェイ夫人』、オンダーチェ『イギリス人の患者』、ノンフィクションではフリードマン『政府からの自由』、オキモト他編『日米半導体競争』、ハルバースタム『栄光と狂気。』など。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2011/8/25)
- 発売日 : 2011/8/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 352ページ
- ISBN-10 : 415209236X
- ISBN-13 : 978-4152092366
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上位レビュー、対象国: 日本
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2013年5月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2011年9月6日に日本でレビュー済み
1997年にチェス世界チャンピオンを破ったIBMの「ディープブルー」は有名だけど、今回の挑戦はクイズ番組。ちょっと考えただけでも、その困難さは想像がつくが、その困難に挑んだIBMの苦闘ぶりが面白い。
残念ながら、そのアメリカで大人気の「ジョパディ」なるTVのクイズ番組は知らなかったが、単なる知識を問うだけではなく、問題ごとに賭金を変えていくというゲーム戦略や、問題自体も言葉遊び的な問題やいわゆる引っかけ問題的なものもあり、人間でも勝ち抜くのは困難なことは容易に予想できる。ましてや、それを決められたことしかできない(もちろん、人間と比べれば圧倒的な速さで行うことはできるが)コンピュータが、そのクイズに連戦連勝したチャンピオンたちに勝つのは至難の業だろう。
しかし、その難問をIBMの技術者たちはクリアする。この本では、このプロジェクトの企画段階から、実際の対戦までの苦闘ぶりをコンピュータ技術や脳神経学などの説明を交えながら、非常に面白く描いている。読み応えのあるドキュメンタリーだった。
ただ、これをAI、人工知能って呼んでいいのかは疑問。あくまでも、最新のコンピュータの計算能力を生かした力技での解決で、決して「知能」って言う感じではない。むしろ、回答させるためのアルゴリズムやその「ワトソン」の教育を行った技術者たち、つまり人間の高い「知能」を感じる。
とはいっても、この本の中でも触れられていたように、こういった人間の言語を理解し、瞬時に答えを出すコンピュータの存在が世の中の役に立つこともあるだろう。そのための技術革新のきっかけにはなったのだろうと思う。
この本でも紹介されていたが、いずれこういったコンピュータの計算能力がさらに向上し、いずれシンギュラリティを迎えたら、全く異なった「知能」が生まれるのだろうか?
残念ながら、そのアメリカで大人気の「ジョパディ」なるTVのクイズ番組は知らなかったが、単なる知識を問うだけではなく、問題ごとに賭金を変えていくというゲーム戦略や、問題自体も言葉遊び的な問題やいわゆる引っかけ問題的なものもあり、人間でも勝ち抜くのは困難なことは容易に予想できる。ましてや、それを決められたことしかできない(もちろん、人間と比べれば圧倒的な速さで行うことはできるが)コンピュータが、そのクイズに連戦連勝したチャンピオンたちに勝つのは至難の業だろう。
しかし、その難問をIBMの技術者たちはクリアする。この本では、このプロジェクトの企画段階から、実際の対戦までの苦闘ぶりをコンピュータ技術や脳神経学などの説明を交えながら、非常に面白く描いている。読み応えのあるドキュメンタリーだった。
ただ、これをAI、人工知能って呼んでいいのかは疑問。あくまでも、最新のコンピュータの計算能力を生かした力技での解決で、決して「知能」って言う感じではない。むしろ、回答させるためのアルゴリズムやその「ワトソン」の教育を行った技術者たち、つまり人間の高い「知能」を感じる。
とはいっても、この本の中でも触れられていたように、こういった人間の言語を理解し、瞬時に答えを出すコンピュータの存在が世の中の役に立つこともあるだろう。そのための技術革新のきっかけにはなったのだろうと思う。
この本でも紹介されていたが、いずれこういったコンピュータの計算能力がさらに向上し、いずれシンギュラリティを迎えたら、全く異なった「知能」が生まれるのだろうか?
2012年1月15日に日本でレビュー済み
「答え」を答えるのではなく、答えの元となる「質問」を回答するアメリカの
クイズ番組『ジョパディ!』。
IBMの研究者たちは、以前から自分たちが研究していた「質問応答システム」
(但し、それまでのシステムでは全く番組には適さないので、新たにチームを
作って開発している)その名は『ワトソン』を先の番組に挑戦させたのです。
その結果は…御存じの通り。人間代表である歴代チャンピョン2名を見事に
撃破したのです。
本書はその開発端緒から、番組当日までを追った(但し、文体はユーモアも
交え読みやすい)骨太のノンフィクション。言わば『プロジェクトX』ものの
一冊です。
・開発プロジェクトはどのような経緯で始まったのか?
・そもそもどのようにワトソンは質問を処理しているのか?
(出来る限りそちら方面の知識がなくても分かるよう噛み砕いている)
・IBMはワトソンを作ること(投資)に何を求めていたのか?
(ここにもしたたかさが見える)
・見た目(『2001年宇宙の旅』に出てきたHALを想起させるのは、ワトソンに
マイナスと考えた)はどうすべきか?
・番組への挑戦を、科学を「見せる」一手段と考えた研究陣と、エンタテイメントと
して考えた番組側の葛藤と妥協
・そもそもワトソンの能力(質問応答システム)は、どんなふうに現実で役立つのか?
・そして決戦の日を迎えたワトソンとチャンピョン2人
…等々、何処を開いても読みごたえのある内容満載です。
プロジェクトの進捗だけでなく、それを成そうとした人々と人間代表である
『ジョパディ!』チャンピョン−ケン・ジェニングスの心情もしっかり押さえています。
科学の力、人の想い、そして未来への希望(と、やはり一抹の不安も感じる)を
堪能できる良作です。
クイズ番組『ジョパディ!』。
IBMの研究者たちは、以前から自分たちが研究していた「質問応答システム」
(但し、それまでのシステムでは全く番組には適さないので、新たにチームを
作って開発している)その名は『ワトソン』を先の番組に挑戦させたのです。
その結果は…御存じの通り。人間代表である歴代チャンピョン2名を見事に
撃破したのです。
本書はその開発端緒から、番組当日までを追った(但し、文体はユーモアも
交え読みやすい)骨太のノンフィクション。言わば『プロジェクトX』ものの
一冊です。
・開発プロジェクトはどのような経緯で始まったのか?
・そもそもどのようにワトソンは質問を処理しているのか?
(出来る限りそちら方面の知識がなくても分かるよう噛み砕いている)
・IBMはワトソンを作ること(投資)に何を求めていたのか?
(ここにもしたたかさが見える)
・見た目(『2001年宇宙の旅』に出てきたHALを想起させるのは、ワトソンに
マイナスと考えた)はどうすべきか?
・番組への挑戦を、科学を「見せる」一手段と考えた研究陣と、エンタテイメントと
して考えた番組側の葛藤と妥協
・そもそもワトソンの能力(質問応答システム)は、どんなふうに現実で役立つのか?
・そして決戦の日を迎えたワトソンとチャンピョン2人
…等々、何処を開いても読みごたえのある内容満載です。
プロジェクトの進捗だけでなく、それを成そうとした人々と人間代表である
『ジョパディ!』チャンピョン−ケン・ジェニングスの心情もしっかり押さえています。
科学の力、人の想い、そして未来への希望(と、やはり一抹の不安も感じる)を
堪能できる良作です。
2011年8月25日に日本でレビュー済み
期待して購入したが、日本語への訳で期待を裏切られた。
ジェパーディの質問では、たとえばある人物はだれか?というクイズのときには、
”〜をした人”などのヒントが出される。このとき、英語では、"Who is xxx?",
それがものなら"What is yyy?"のような回答を行うのであるが、
これを日本語で間違って訳していて、”xxxはなんですか。”と記述してある。
この場合、クイズに対する回答なので、"Who is xxx?"は、(それはxxxさんです。)
それがものなら"What is yyy?は、(それはyyyです。)と訳すべきである。
最後のほうの緊迫した対決の場面など、意味が通じず、台無しである。
最初のページのほうから、何かおかしいな?と思って読み進めていたが、
途中でようやく誤訳であることがわかった。
間違った訳で、文章の意味が通じなくなってしまっている最悪の例だと思う。
この訳し方をみるかぎり、翻訳者がジェパーディを見ていないことは確実だが、
しかし、この手の翻訳をするなら、そもそもジェパーディを見ておくべきだろう。
翻訳がまずいばかりか、このような意味が通じなくなる誤訳をそのまま出版させてしまう出版社の
体制を疑う。1800円も出して損した。
ちなみに、これ以外に関してはそこそこの訳に見えるが、こんな訳では無意味なので
原書を買うことをお勧めする。日本語訳は買ってはならない。
ジェパーディの質問では、たとえばある人物はだれか?というクイズのときには、
”〜をした人”などのヒントが出される。このとき、英語では、"Who is xxx?",
それがものなら"What is yyy?"のような回答を行うのであるが、
これを日本語で間違って訳していて、”xxxはなんですか。”と記述してある。
この場合、クイズに対する回答なので、"Who is xxx?"は、(それはxxxさんです。)
それがものなら"What is yyy?は、(それはyyyです。)と訳すべきである。
最後のほうの緊迫した対決の場面など、意味が通じず、台無しである。
最初のページのほうから、何かおかしいな?と思って読み進めていたが、
途中でようやく誤訳であることがわかった。
間違った訳で、文章の意味が通じなくなってしまっている最悪の例だと思う。
この訳し方をみるかぎり、翻訳者がジェパーディを見ていないことは確実だが、
しかし、この手の翻訳をするなら、そもそもジェパーディを見ておくべきだろう。
翻訳がまずいばかりか、このような意味が通じなくなる誤訳をそのまま出版させてしまう出版社の
体制を疑う。1800円も出して損した。
ちなみに、これ以外に関してはそこそこの訳に見えるが、こんな訳では無意味なので
原書を買うことをお勧めする。日本語訳は買ってはならない。
2011年10月27日に日本でレビュー済み
1997年、IBMのコンピュータ「ディープブルー」は、当時のチェス世界チャンピオン、ガルリ・カスパロフを破った。IBMの研究者たちは次の目標として、アメリカの娯楽番組として有名な「ジョパディ」に挑戦することにした。時に2006年。
本書は、ジョパディに出演し勝利するまでの、1500日間にわたるコンピュータ「ワトソン」(開発コードはブルーJ)開発の物語である。
ジョパティというのはクイズ番組だが、日本によくあるクイズとは毛色が異なる。回答者は質問に回答するのではなく、司会者に逆質問することで回答へ近づくための複数のヒントを得ていくという手続きになっている。
なぜこのような番組が誕生したのか、そのルールや優勝者の成績についても本書に詳しい。
いずれにしても純粋数学で押し切ったチェスとは違い、コンピュータには人間に近い言語能力が必要とされる。
そこで持ち上がるのが、ワトソンが人工知能(AI)かどうかという疑問だ。
だが開発者を含め、だれもワトソンが人工知能ではないと考えている。ワトソンは大量のデータから統計的に文章を組み立てると同時に、クイズの賭の要素を判断する、あくまで計算機でしかない。人間の知能とは全く異質のものであった。
ワトソンの開発者たちには、ジョパディに出演するという決められた納期があった。認知科学の飛躍的進歩を待ち、理想的な人工知能が誕生するのを待つ余裕などなかったからである。
この点については、本書では明言されていないが、統計数学だけで機械翻訳を実用化したGoogleの存在が大きかったと思われる。つまり、ディープブルーよりも洗練されたアルゴリズムを使えば、自然言語も操れるだろうと観測があったに違いない。
ジョパディ制作サイドがワトソン開発チームに無理難題を吹きかけることもあった。
ジョパディはIBMではなくソニーがスポンサーになっているエンターテイメント番組で、マシンが一方的に勝利するのは番組的に面白くないからだ。そこで、ワトソンにも人間の回答者と同じように、回答ボタンを押すという操作まで強要した。
開発には様々な困難がつきまとったものの、ついに2011年2月16日、ワトソンは、歴代で最も強いと言われるジョパディプレーヤを二人も破ることになる。
ワトソンを勝利に導いたのは、開発に携わった25人の博士たちの知性もさることながら、ディープブルーの時代と違ってネット上から簡単に入手できるようになった種々雑多な「知識」が役に立ったに違いない。
これからもディフェンディングチャンピオンとしてのワトソンの戦いは続くだろうし、本当に大変なのは、ワトソン技術の市場展開であろう。本書では医療分野が有望な市場とされているが、はたしてGoogleの数万倍の電力を投入して得られる結果に、市場は満足するだろうか。
IBMの挑戦は続く。
本書は、ジョパディに出演し勝利するまでの、1500日間にわたるコンピュータ「ワトソン」(開発コードはブルーJ)開発の物語である。
ジョパティというのはクイズ番組だが、日本によくあるクイズとは毛色が異なる。回答者は質問に回答するのではなく、司会者に逆質問することで回答へ近づくための複数のヒントを得ていくという手続きになっている。
なぜこのような番組が誕生したのか、そのルールや優勝者の成績についても本書に詳しい。
いずれにしても純粋数学で押し切ったチェスとは違い、コンピュータには人間に近い言語能力が必要とされる。
そこで持ち上がるのが、ワトソンが人工知能(AI)かどうかという疑問だ。
だが開発者を含め、だれもワトソンが人工知能ではないと考えている。ワトソンは大量のデータから統計的に文章を組み立てると同時に、クイズの賭の要素を判断する、あくまで計算機でしかない。人間の知能とは全く異質のものであった。
ワトソンの開発者たちには、ジョパディに出演するという決められた納期があった。認知科学の飛躍的進歩を待ち、理想的な人工知能が誕生するのを待つ余裕などなかったからである。
この点については、本書では明言されていないが、統計数学だけで機械翻訳を実用化したGoogleの存在が大きかったと思われる。つまり、ディープブルーよりも洗練されたアルゴリズムを使えば、自然言語も操れるだろうと観測があったに違いない。
ジョパディ制作サイドがワトソン開発チームに無理難題を吹きかけることもあった。
ジョパディはIBMではなくソニーがスポンサーになっているエンターテイメント番組で、マシンが一方的に勝利するのは番組的に面白くないからだ。そこで、ワトソンにも人間の回答者と同じように、回答ボタンを押すという操作まで強要した。
開発には様々な困難がつきまとったものの、ついに2011年2月16日、ワトソンは、歴代で最も強いと言われるジョパディプレーヤを二人も破ることになる。
ワトソンを勝利に導いたのは、開発に携わった25人の博士たちの知性もさることながら、ディープブルーの時代と違ってネット上から簡単に入手できるようになった種々雑多な「知識」が役に立ったに違いない。
これからもディフェンディングチャンピオンとしてのワトソンの戦いは続くだろうし、本当に大変なのは、ワトソン技術の市場展開であろう。本書では医療分野が有望な市場とされているが、はたしてGoogleの数万倍の電力を投入して得られる結果に、市場は満足するだろうか。
IBMの挑戦は続く。
2011年10月30日に日本でレビュー済み
「クイズ番組で人間のチャンピオンに勝つコンピュータを作る」とは、何という途方もないチャレンジであることか。
確かに膨大な情報の検索など、コンピュータが得意とする作業はある。しかし、現在の技術では、そもそも問題の意味を解釈することですら難しい。意味がわからなければ、検索のしようもない。意味解釈という部分課題だけをとってみても、一大プロジェクトになることは容易に想像がつく。
私は、上記のようなワトソンを構成する技術を知りたくて本書を読み始めたのだが、読後に心に残ったのは技術的満足感ではなく、「知性とは何だろう」という哲学的な問いだった。
本書は、ワトソンプロジェクトの開始時点からチャンピオンに勝つまでを追いながら、ワトソンを支える技術はもちろんのこと、マーケティング、対外的交渉、メンバーの心の揺れ、コンピュータの社会的位置づけ、そして知性に関する意見など、多様な側面からプロジェクトに斬り込んでいく。ワトソンが技術の申し子であることは疑いようがない。しかし、本書を読むと、現代社会において先端技術はそれ単独で存在することはできず、社会の中で他の様々な要素と絡みあっていることを改めて確認させられる。
ワトソンはクイズチャンピオンに勝つまでになったが、その賢さは「知性」ではない。しかしいずれは、複数の事象から関連性を見つけ出し、根本にある法則を見つけ出すコンピュータが出てくるだろう。それは知性なのだろうか。いや、そもそも知性とは何なのか。本書は私に、思いがけずこの根源的疑問を想起させてくれた。
文章はわかりやすく読みやすい。いろんなことを考えさせてくれるが、単純に一大プロジェクトのドキュメンタリとしても楽しめる。すべての人にお勧め。
確かに膨大な情報の検索など、コンピュータが得意とする作業はある。しかし、現在の技術では、そもそも問題の意味を解釈することですら難しい。意味がわからなければ、検索のしようもない。意味解釈という部分課題だけをとってみても、一大プロジェクトになることは容易に想像がつく。
私は、上記のようなワトソンを構成する技術を知りたくて本書を読み始めたのだが、読後に心に残ったのは技術的満足感ではなく、「知性とは何だろう」という哲学的な問いだった。
本書は、ワトソンプロジェクトの開始時点からチャンピオンに勝つまでを追いながら、ワトソンを支える技術はもちろんのこと、マーケティング、対外的交渉、メンバーの心の揺れ、コンピュータの社会的位置づけ、そして知性に関する意見など、多様な側面からプロジェクトに斬り込んでいく。ワトソンが技術の申し子であることは疑いようがない。しかし、本書を読むと、現代社会において先端技術はそれ単独で存在することはできず、社会の中で他の様々な要素と絡みあっていることを改めて確認させられる。
ワトソンはクイズチャンピオンに勝つまでになったが、その賢さは「知性」ではない。しかしいずれは、複数の事象から関連性を見つけ出し、根本にある法則を見つけ出すコンピュータが出てくるだろう。それは知性なのだろうか。いや、そもそも知性とは何なのか。本書は私に、思いがけずこの根源的疑問を想起させてくれた。
文章はわかりやすく読みやすい。いろんなことを考えさせてくれるが、単純に一大プロジェクトのドキュメンタリとしても楽しめる。すべての人にお勧め。