はじめてジャパンハートの名前を知ったのは、
部活の後輩がミャンマーに見学に行くと聞いたときです。
どんな団体なんだろう?と思っていたら、
メディアで紹介されることがたびたび有り、
共感を覚えることができました。
既に自分は大学医局という自由のきかない枠組みの中にあり、
自分のやりたい事を貫き通しているとすぐにわかる
吉岡代表とメンバーがうらやましくもありました。
本著は吉岡代表のとてもではないが
「アカデミック・スマート」とは程遠い幼少からの生い立ちと、
現在の活動内容・自分の哲学の一端を
一般向けにわかりやすく書かれた内容だと思います。
どんなに優れた医師でも万能では無いし、
途上国での医療活動なので、日本の医療水準に比べると
吉岡代表には光の裏に影の部分も見えているでしょう。
自分にはそういった活動に取り組む覚悟があるのか?
時折考えることがありますが、本著を読むことで
より具体的に自問自答ができたと思います。
「やる」人か「やらない」人かまだわかりませんが、
30代のうちに一度現場を見に行こうと思います。
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飛べない鳥たちへ: 無償無給の国際医療ボランティア「ジャパンハート」の挑戦 単行本 – 2009/5/1
吉岡 秀人
(著)
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- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社風媒社
- 発売日2009/5/1
- ISBN-104833131552
- ISBN-13978-4833131551
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登録情報
- 出版社 : 風媒社 (2009/5/1)
- 発売日 : 2009/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 208ページ
- ISBN-10 : 4833131552
- ISBN-13 : 978-4833131551
- Amazon 売れ筋ランキング: - 221,345位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2011年5月13日に日本でレビュー済み
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2015年4月8日に日本でレビュー済み
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よい。よんだら、普通だったが、モチベーションは上がるとおもう。
2011年6月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の生い立ちから始まります。
青年期には、まだ薄っすらではあるが、これからの人生に対するビジョンを考え、医者になろうと決意したのです。
その後の歩みは、独特な人生観を持って、現実を現場思考で、自らの手を汚して、自らの資財を投げ打って、常に”本気”モードで突き進んできたのです。
著者の”「自分の使命」の認識、「人の目」を意識することなく「天の目」を持つこと”、その”悟り”を開くことを力説しています。
人の命は、1回限りであり、1回限りの人生をどのように疾走し、その使命を全うするかを問い質ししています。
著者にはそれらが完全に見えていますが、見えてくるのはやはり人生の峠を越えたところが多いと思います。
マズローの高次な欲求、自己実現に至る、揺るぎない強力な信念を痛切に感じます。
華やかで大々的なボランティア、高効率な形で、薄く広く質よりも量を重んじるボランティア、うわべだけをなぞるボランティアは多くのところで活動されています。
本書では、”質”を重んじ、確度の高いものが求めていることを力説しています。
”勇気を持って一歩踏み出す”ことは、まずは手に取ってみること、できることからやってみることが最初の一歩だと思います。
青年期には、まだ薄っすらではあるが、これからの人生に対するビジョンを考え、医者になろうと決意したのです。
その後の歩みは、独特な人生観を持って、現実を現場思考で、自らの手を汚して、自らの資財を投げ打って、常に”本気”モードで突き進んできたのです。
著者の”「自分の使命」の認識、「人の目」を意識することなく「天の目」を持つこと”、その”悟り”を開くことを力説しています。
人の命は、1回限りであり、1回限りの人生をどのように疾走し、その使命を全うするかを問い質ししています。
著者にはそれらが完全に見えていますが、見えてくるのはやはり人生の峠を越えたところが多いと思います。
マズローの高次な欲求、自己実現に至る、揺るぎない強力な信念を痛切に感じます。
華やかで大々的なボランティア、高効率な形で、薄く広く質よりも量を重んじるボランティア、うわべだけをなぞるボランティアは多くのところで活動されています。
本書では、”質”を重んじ、確度の高いものが求めていることを力説しています。
”勇気を持って一歩踏み出す”ことは、まずは手に取ってみること、できることからやってみることが最初の一歩だと思います。
2018年6月24日に日本でレビュー済み
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息子の誕生日プレゼントの中の一冊に選びました。他の本と数冊購入したので、暫く手をつけられないでいたのですが、あろうことか、文章のあちこちに鉛筆で線が引いてありました。箱にしまってあり、今日初めて開いた状態で驚いています。交換して頂こうかと思ったのですが、返品期限を2日過ぎていました。いつもAmazon で購入し、信じきって中を確認しなかったのがいけなかったのですが、新品の本を買って、なぜ線があるのか不思議で仕方がありません。当然、気分も悪いです。
2015年11月23日に日本でレビュー済み
著者は大分大学を卒業し、長年ミャンマーで医療活動を行う医師です。
本書は著者の来歴と哲学、長年続けてきたミャンマーでの活動についてまとめたものです。
著者は65年、大阪で生まれました。
生家は貧しいながらも母が懸命に働いて育ててくれましたが、あまり真面目な方でなく、高校をギリギリの成績で卒業して予備校生活に入りました。
医学部を志したのは浪人一年目、友人の持っていた受験パンフレットを見てからです。
この啓示のような直感にすがって勉強しますが、当時は偏差値が30台しかなく、あえなく浪人二年目に入ってしまいました。
二年目も成績は思うようには伸びず、苦しくなると天を見上げて神様と「取引」しました。
「どうか医者にして下さい、生涯恵まれない人のために働きますから」と。
すると年末くらいから成績が上がってきて、センター試験をクリアし、大学合格を奇跡的に果たすことができました。
苦学生として過ごした学生時代はあっと言う間に過ぎ去り、無事卒業を迎えます。
著者は浪人時代の「誓い」を果たすべく、医局への入局を断り、即戦力として救急病院に勤務しながら、同時に婦人科と小児科も学びました。
そして卒後4年目、満を持してミャンマーでの医療活動に身を投じます。
医療活動といっても、何もない所に1から作り上げていかなければならず、苦労を重ねることになりました。
また援助の矛盾にも向き合うことになりました。
欧米の援助は高価な機材や薬剤を持って、大々的に行なわれます。
しかし患者が欧米医師に殺到して現地の医師は失業し、数年で援助が引き上げられると高価な薬剤は使えず、医療が消え去って地元の人々は途方に暮れることになります。
また効率性を重視した結果、治りやすい子どもや予防活動に資金が傾斜配分され、死にそうな人や治りそうにない患者はないがしろにされる傾向にありました。
そのため著者は他とは異なる、己の哲学を貫くことを決心しました。
「自分がどれほど貧しくても、援助のために集めた寄付金はこの国の人達のためだけに使う。」
「一期一会の精神で、目の前にいる患者に自身の全てを以って治療に当たる。」
「医療のレベルは、援助する国に合わせて、急がず、長い時間をかけて構築する。」
著者は無給無償で働くため、地元の民家に下宿し、廃屋を格安で借り受けて診療所にし、ポンコツ車で往診に回るような生活を送ることになりました。
しかし、その一挙手一投足はミャンマーの人々や同僚の日本人の琴線に触れ、息の長い活動となりました。
援助はともすれば、援助者のヒロイズムへの酩酊、巧妙な中間搾取、受益者の依存などを生みやすく、長期的に見ると「しない方が良かった」ケースを多数見聞きしてきました。
著者の活動は地道な試行錯誤を繰り返す中で構築したもので、援助というものの本質に切り込むような深い考察がなされていて、読み応えがありました。
終盤にあった次の言葉が長く心に残りました。
「私が長い間かかって得たのは、自分が本当に至らぬ人間だという気付きです。
そして豊かさとは、眼に見えない、測りようもないもので、そういうものこそ大切にしなければならないと感じています。」
本書は著者の来歴と哲学、長年続けてきたミャンマーでの活動についてまとめたものです。
著者は65年、大阪で生まれました。
生家は貧しいながらも母が懸命に働いて育ててくれましたが、あまり真面目な方でなく、高校をギリギリの成績で卒業して予備校生活に入りました。
医学部を志したのは浪人一年目、友人の持っていた受験パンフレットを見てからです。
この啓示のような直感にすがって勉強しますが、当時は偏差値が30台しかなく、あえなく浪人二年目に入ってしまいました。
二年目も成績は思うようには伸びず、苦しくなると天を見上げて神様と「取引」しました。
「どうか医者にして下さい、生涯恵まれない人のために働きますから」と。
すると年末くらいから成績が上がってきて、センター試験をクリアし、大学合格を奇跡的に果たすことができました。
苦学生として過ごした学生時代はあっと言う間に過ぎ去り、無事卒業を迎えます。
著者は浪人時代の「誓い」を果たすべく、医局への入局を断り、即戦力として救急病院に勤務しながら、同時に婦人科と小児科も学びました。
そして卒後4年目、満を持してミャンマーでの医療活動に身を投じます。
医療活動といっても、何もない所に1から作り上げていかなければならず、苦労を重ねることになりました。
また援助の矛盾にも向き合うことになりました。
欧米の援助は高価な機材や薬剤を持って、大々的に行なわれます。
しかし患者が欧米医師に殺到して現地の医師は失業し、数年で援助が引き上げられると高価な薬剤は使えず、医療が消え去って地元の人々は途方に暮れることになります。
また効率性を重視した結果、治りやすい子どもや予防活動に資金が傾斜配分され、死にそうな人や治りそうにない患者はないがしろにされる傾向にありました。
そのため著者は他とは異なる、己の哲学を貫くことを決心しました。
「自分がどれほど貧しくても、援助のために集めた寄付金はこの国の人達のためだけに使う。」
「一期一会の精神で、目の前にいる患者に自身の全てを以って治療に当たる。」
「医療のレベルは、援助する国に合わせて、急がず、長い時間をかけて構築する。」
著者は無給無償で働くため、地元の民家に下宿し、廃屋を格安で借り受けて診療所にし、ポンコツ車で往診に回るような生活を送ることになりました。
しかし、その一挙手一投足はミャンマーの人々や同僚の日本人の琴線に触れ、息の長い活動となりました。
援助はともすれば、援助者のヒロイズムへの酩酊、巧妙な中間搾取、受益者の依存などを生みやすく、長期的に見ると「しない方が良かった」ケースを多数見聞きしてきました。
著者の活動は地道な試行錯誤を繰り返す中で構築したもので、援助というものの本質に切り込むような深い考察がなされていて、読み応えがありました。
終盤にあった次の言葉が長く心に残りました。
「私が長い間かかって得たのは、自分が本当に至らぬ人間だという気付きです。
そして豊かさとは、眼に見えない、測りようもないもので、そういうものこそ大切にしなければならないと感じています。」
2009年5月28日に日本でレビュー済み
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著者はジャパンハートというNGO団体([...])の代表を務めている。発展途上国の金銭的理由で医療を受けれない人々に、自らの貯金を切り崩し医療を届ける熱い思いが伝わってきます。また、その思いに賛同し吉岡医師を助ける若い医師、看護師たち。
まだまだ、日本人も捨てたものじゃないという思いがしました。
ぜひ、多くの人に読んで欲しい本です。
まだまだ、日本人も捨てたものじゃないという思いがしました。
ぜひ、多くの人に読んで欲しい本です。
2018年11月7日に日本でレビュー済み
こんなに素晴らしい生き方をしている人は稀だと思う。
情報滅多でたくさんのモデルがありますが、生き方のケーススタディとしては外せない人物だと思います。
ハゲタカの鷲津が言ってた『Scrap & Bird』が現実味を帯びてきます。笑
情報滅多でたくさんのモデルがありますが、生き方のケーススタディとしては外せない人物だと思います。
ハゲタカの鷲津が言ってた『Scrap & Bird』が現実味を帯びてきます。笑
2010年6月20日に日本でレビュー済み
『死にゆく子どもを救え』も読んだが、そちらは医療従事者向けで、本書は著者の生い立ち、小児喘息で苦しんだ子どもの頃、「どうか医者にしてほしい、生涯恵まれない人のために働くから。」と天の神や仏と取引した2浪目の秋、亡くなった日本人が大地の一部となり、その大地が人を生み出しており、ビルマの人を助ける事は亡くなった日本軍人達を助ける事に繋がるとの感謝の気持ちをもち、現在のNGO設立に至った、慰霊団と訪れた初めてのビルマ訪問といった半生記的で、一般向けと言える。
現地での活動は、助けられそうな患者にだけ医療を施し、その“効果”を上げるのではなく、お金が無くなった患者の為に治療費や家族の食事代までも負担する「一期一会」な医療を行い、プロ意識・自分の使命・天の目を意識するといった悟りの境地を、断崖から見る美しい景色と描き、そこを一緒に見られるように後輩が到達する事を願い、その到達点を看護師も見据えられるように、働きづめで、他人に人生を委ねざるえない看護師に自己決定権を持たせ豊かにする、海を越える看護団を設立し、著者に続く人々は少ないながらも確実に増えている。
長期支援だからこそ、現地の医療技術・設備に出来るだけ合わせ、現地の医師のプライドを傷つけ、妨害され、徹底を強いられぬよう気を遣ったり、NGOとして己の身の丈を知り、予算を大きくは膨らまさず、どうすれば資金援助が集まるかに汲々としない、徐々に改善し長く続けられる組織運営へも努力は必要で、大変な活動だが、「経験した苦しみ悲しみと、喜び幸せの落差が人生の豊かさだ。」と著者は説く。
読者も様々な形で、それをどん欲に追えとのエールを、受け取るに違いない。
現地での活動は、助けられそうな患者にだけ医療を施し、その“効果”を上げるのではなく、お金が無くなった患者の為に治療費や家族の食事代までも負担する「一期一会」な医療を行い、プロ意識・自分の使命・天の目を意識するといった悟りの境地を、断崖から見る美しい景色と描き、そこを一緒に見られるように後輩が到達する事を願い、その到達点を看護師も見据えられるように、働きづめで、他人に人生を委ねざるえない看護師に自己決定権を持たせ豊かにする、海を越える看護団を設立し、著者に続く人々は少ないながらも確実に増えている。
長期支援だからこそ、現地の医療技術・設備に出来るだけ合わせ、現地の医師のプライドを傷つけ、妨害され、徹底を強いられぬよう気を遣ったり、NGOとして己の身の丈を知り、予算を大きくは膨らまさず、どうすれば資金援助が集まるかに汲々としない、徐々に改善し長く続けられる組織運営へも努力は必要で、大変な活動だが、「経験した苦しみ悲しみと、喜び幸せの落差が人生の豊かさだ。」と著者は説く。
読者も様々な形で、それをどん欲に追えとのエールを、受け取るに違いない。