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生き抜け、その日のために ―長崎の被差別部落とキリシタン― 単行本 – 2017/4/25
高山 文彦
(著)
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1945年8月9日、長崎に原爆が投下される。爆心地は、被差別部落であった。
この地に生まれた磯本恒信は、母からの「出自を名乗るな」という戒めを破り、
長崎における部落解放運動の発展に邁進していく。
他方、スペインから日本に渡った結城了悟(ディエゴ・パチェコ)神父は日本二十六聖人記念館を開館、
初代館長を務めると同時に、長崎に残る膨大な史料を発掘、整理。
大きな功績を残し、被差別部落民とキリシタンのあいだで歴史的和解をめざした。
のちに部落解放同盟長崎県連副委員長となる中尾貫は、初代委員長である磯本恒信を支え、同和教育運動に力を注いでいく。
この三人が、1979年に起きた世界宗教者会議での差別発言事件をきっかけに出会い、
被差別部落民とキリシタンとの歴史的和解へ向けて動き始める。
平和を希求し差別と闘い続けた三人と、
その想いに呼応する多くの人びととの熱く静かな、祈りにも似た壮大な物語。
この地に生まれた磯本恒信は、母からの「出自を名乗るな」という戒めを破り、
長崎における部落解放運動の発展に邁進していく。
他方、スペインから日本に渡った結城了悟(ディエゴ・パチェコ)神父は日本二十六聖人記念館を開館、
初代館長を務めると同時に、長崎に残る膨大な史料を発掘、整理。
大きな功績を残し、被差別部落民とキリシタンのあいだで歴史的和解をめざした。
のちに部落解放同盟長崎県連副委員長となる中尾貫は、初代委員長である磯本恒信を支え、同和教育運動に力を注いでいく。
この三人が、1979年に起きた世界宗教者会議での差別発言事件をきっかけに出会い、
被差別部落民とキリシタンとの歴史的和解へ向けて動き始める。
平和を希求し差別と闘い続けた三人と、
その想いに呼応する多くの人びととの熱く静かな、祈りにも似た壮大な物語。
- 本の長さ341ページ
- 言語日本語
- 出版社解放出版社
- 発売日2017/4/25
- 寸法19.4 x 13.7 x 2.5 cm
- ISBN-104759250379
- ISBN-13978-4759250374
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商品の説明
出版社からのコメント
【あとがきより】
長崎を舞台とするこの長大な物語には、三人の主人公がいる。
磯本恒信は長崎に部落解放運動をつくり、その死の間際近くまで指導者として生きた。
ある事件をきっかけに、それまで胸に秘めていた、被差別部落出身という出自を公に宣言し、
長崎にはないとされていた被差別部落の存在を公に認めさせ、差別撤廃の運動に前のめりになっていくのだ。
(中略)
二十六聖人記念館の初代館長・結城了悟ことディエゴ・パチェコ神父は、日本に帰化したとはいえ、長崎からも日本からも自由な人であったから、
キリシタン弾圧の加害者・被害者双方を越えた立場で、冷静に、正確に歴史の真実を見ることができた。
被差別部落民(加害者)とキリシタン(被害者)のあいだで歴史的和解を実現しようとする試みは、最後の最後で実を結ばなかったのかもしれないが、
処刑への関与を拒否したことによってみずからも処刑されたに違いない被差別民三人を
カトリックの福者にしようとして動いたエピソードは、歴史の地層にすっかり埋もれていたのだ。
その秘められた事績を書くことができただけでも私はうれしい。
このふたりの主人公はすでにこの世にないが、もうひとりの主人公・中尾貫は、いまも長崎で生きている。
部落解放同盟長崎県連副委員長として磯本恒信をささえ、磯本が体調を壊してからは委員長となって、結城了悟とともにキリシタン側との歴史的和解実現を模索した。
(中略)
長崎の教会群を世界遺産にしようとの動きがある。
私は弾圧の歴史でさえ美しく物語化して呑み込もうとする奔流のような流れにたいして、
どうか弾圧の手先となった被差別民のなかにもそれを町ぐるみで拒否し、刑死していった人びとがいたということを忘れずに語り継いでほしいと願う。
ETV特集(2017年8月12日・10月28日)「原爆と沈黙~長崎浦上の受難~」に著者が出演
長崎を舞台とするこの長大な物語には、三人の主人公がいる。
磯本恒信は長崎に部落解放運動をつくり、その死の間際近くまで指導者として生きた。
ある事件をきっかけに、それまで胸に秘めていた、被差別部落出身という出自を公に宣言し、
長崎にはないとされていた被差別部落の存在を公に認めさせ、差別撤廃の運動に前のめりになっていくのだ。
(中略)
二十六聖人記念館の初代館長・結城了悟ことディエゴ・パチェコ神父は、日本に帰化したとはいえ、長崎からも日本からも自由な人であったから、
キリシタン弾圧の加害者・被害者双方を越えた立場で、冷静に、正確に歴史の真実を見ることができた。
被差別部落民(加害者)とキリシタン(被害者)のあいだで歴史的和解を実現しようとする試みは、最後の最後で実を結ばなかったのかもしれないが、
処刑への関与を拒否したことによってみずからも処刑されたに違いない被差別民三人を
カトリックの福者にしようとして動いたエピソードは、歴史の地層にすっかり埋もれていたのだ。
その秘められた事績を書くことができただけでも私はうれしい。
このふたりの主人公はすでにこの世にないが、もうひとりの主人公・中尾貫は、いまも長崎で生きている。
部落解放同盟長崎県連副委員長として磯本恒信をささえ、磯本が体調を壊してからは委員長となって、結城了悟とともにキリシタン側との歴史的和解実現を模索した。
(中略)
長崎の教会群を世界遺産にしようとの動きがある。
私は弾圧の歴史でさえ美しく物語化して呑み込もうとする奔流のような流れにたいして、
どうか弾圧の手先となった被差別民のなかにもそれを町ぐるみで拒否し、刑死していった人びとがいたということを忘れずに語り継いでほしいと願う。
ETV特集(2017年8月12日・10月28日)「原爆と沈黙~長崎浦上の受難~」に著者が出演
著者について
1958年、宮崎県高千穂町生まれ。
法政大学文学部中退。2000年、『火花―北条民雄の生涯』(飛鳥新社、2000年)で、第22回講談社ノンフィクション賞、第31回大宅壮一ノンフィクション賞を同時受賞。
著書に『水平記―松本治一郎と部落解放運動の100年』(新潮社、2005年)、『父を葬(おく)る』(幻戯書房、2009年)、『どん底―部落差別自作自演事件』(小学館、2012年)、『宿命の子―笹川一族の神話』(小学館、2014年)、『ふたり―皇后美智子と石牟礼道子』(講談社、2015年)など。
法政大学文学部中退。2000年、『火花―北条民雄の生涯』(飛鳥新社、2000年)で、第22回講談社ノンフィクション賞、第31回大宅壮一ノンフィクション賞を同時受賞。
著書に『水平記―松本治一郎と部落解放運動の100年』(新潮社、2005年)、『父を葬(おく)る』(幻戯書房、2009年)、『どん底―部落差別自作自演事件』(小学館、2012年)、『宿命の子―笹川一族の神話』(小学館、2014年)、『ふたり―皇后美智子と石牟礼道子』(講談社、2015年)など。
登録情報
- 出版社 : 解放出版社 (2017/4/25)
- 発売日 : 2017/4/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 341ページ
- ISBN-10 : 4759250379
- ISBN-13 : 978-4759250374
- 寸法 : 19.4 x 13.7 x 2.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 680,882位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 186位人権問題
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年8月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
キリシタンです。長崎に知人が多く、仕事も含めて何度か訪問していますが、この問題は聞きかじったことがある程度でした。非常に秀逸なノンフィクションで、心打たれました。著者の姿勢に敬服します。
2017年6月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
キリシタン関連の読書を続ける中で本書に出会いました。月刊誌「部落解放」の連載記事をまとめ、解放出版社が出した本ということで、当然ながら、被差別部落側にバイアスのかかった内容であると感じました。
キリスト教に関しては、一般読者は気がつかなくても、詳細まできっちり検証された本を好む人やキリスト教に詳しい人には著者によるリサーチ不足、認識不足(カトリック信者にとっての8月15日の意味、聖堂、カトリックでの聖人の位置づけ等)、ちょっとした不正確な言葉選びが気になるところです。
この本を読むにあたって、よく知らなかった部落問題の本も2冊(正反対の立場から書かれた2冊)前もって読んだのですが、そのうち一冊には、一般的には「差別」と言われ問題になったり解放同盟からの糾弾対象になることも、解放出版社の出版物には普通に書いてあり、誰でも読むことができる、ということが述べられていますが、その通り、本書には被差別部落があった場所の名前がそのまま出てきます。
著者はノンフィクションの賞を複数受賞されているとのことですが、この本は文章がとても読みにくく、赤ペンを持って直したくなるような箇所が多数ありました。特に、誰の視点で書いてあるのかよく分からない箇所が多すぎです。続柄で人物に言及されているが、誰から見た続柄なのか不明であったり、新しい節の冒頭に「○○からxxxと言われた」とあるが、著者が言われたのか、他の誰かが言われたのか数行読まなければ分からなかったり。「あくる年」とあるが、どの年から見て「あくる年」なのか、何行も戻らないと分からなかったり。それでもめずらしいテーマを扱った本ということで、オマケで3星です。なお、結城了悟神父様のことをお読みになりたい方へは、量的にはとても少ないです、とお知らせしておきます。
キリスト教に関しては、一般読者は気がつかなくても、詳細まできっちり検証された本を好む人やキリスト教に詳しい人には著者によるリサーチ不足、認識不足(カトリック信者にとっての8月15日の意味、聖堂、カトリックでの聖人の位置づけ等)、ちょっとした不正確な言葉選びが気になるところです。
この本を読むにあたって、よく知らなかった部落問題の本も2冊(正反対の立場から書かれた2冊)前もって読んだのですが、そのうち一冊には、一般的には「差別」と言われ問題になったり解放同盟からの糾弾対象になることも、解放出版社の出版物には普通に書いてあり、誰でも読むことができる、ということが述べられていますが、その通り、本書には被差別部落があった場所の名前がそのまま出てきます。
著者はノンフィクションの賞を複数受賞されているとのことですが、この本は文章がとても読みにくく、赤ペンを持って直したくなるような箇所が多数ありました。特に、誰の視点で書いてあるのかよく分からない箇所が多すぎです。続柄で人物に言及されているが、誰から見た続柄なのか不明であったり、新しい節の冒頭に「○○からxxxと言われた」とあるが、著者が言われたのか、他の誰かが言われたのか数行読まなければ分からなかったり。「あくる年」とあるが、どの年から見て「あくる年」なのか、何行も戻らないと分からなかったり。それでもめずらしいテーマを扱った本ということで、オマケで3星です。なお、結城了悟神父様のことをお読みになりたい方へは、量的にはとても少ないです、とお知らせしておきます。
2022年7月7日に日本でレビュー済み
事実に、抗えない人間の弱さ。ここ最近第8章を、繰り返し読んでいたから、ほんとどうしようもないな。救いないわと思って、最後はあきらめる。ノラ嬢のビギン.アゲインではじまり、イット.ワズ.ユーで日が暮れる。なんかこの2曲、砂漠を裸足で歩いてる殉教者が暗闇に消えるイメージがずっとする。なんか救いないわ。戦争大反対!
2018年8月19日に日本でレビュー済み
この本は「あとがき」にもあるように,月刊「部落解放」に掲載された50回の連載,約2500枚を300ページ程の本にまとめたものである。なので,この本では多数の省略した部分があるはずであり,そのことがもしかしたら,読後に感じた物語の急展開,飛躍,論理・事実の飛躍と思わせるものを惹起したのかもしれないということを前提にしている。
主題は大きく3つあり,(1) 長崎の部落解放運動を創始した主人公である磯本恒信がカミングアウトし,運動を発展させたが,長崎に原爆が投下された際,青島にいたのに長崎にいたと経歴詐称をしていた事実を原爆調査票で確認したということ。(2) 浦上の部落の人も元はキリシタンであって後に,棄教した人々であったこと,そして当時の代官の末次平蔵の命令に反して協力しなかった人がいたこと。(3)さらにスペイン人神父である結城了悟神父との対話の中で,その協力を拒んだものを福者にしようという構想があり,浦上の部落とキリシタンの間の不和が解消される可能性があったこと。
私は正直,被差別部落の歴史についてほとんど知らなかったため,この本を元に勉強してみようと思ったが,あくまで磯本恒信中心の話であり,解放運動等については断片的にしかわからなかった。中尾貫に関しても終戦前後の話は面白かったが,結局,運動にどのように関与し,どのような功績があったのかは,断片的にしか,あるいは局所的にしかわからなかった。話は突然,結城神父に移り,この3人が出会うことで,カトリックと部落との和解が生まれそうであったということで話が進んでいく。
カトリックが部落を恨んでいたというのは,浦川和三郎神父の「浦上切支丹史」の一節を読んだ磯本恒信の主観であり,彼が後に浦上を案内した時に,カトリック信徒の住処には案内しなかった事実のみによる。正直,この1節からも私はその恨みを感じることはなかったし,切支丹関係の書籍で,こういった幕府等々の末端を恨んだ話,憎む話というのはほとんど聞いたことがなかったので,和解劇を作るための創作ではないかとも疑う。もしあるとすれば,棄教民に対する複雑な思いだではないだろうか。
そして,結城神父の浦上の部落の代官の命令に背いた3人のその後はわからぬものの,福者にしたいという思いは,果たして本当だろうかということ。「歴史を変えてはいけない」という神父にとって,そのような事実が本当か,確かめたかったのではないだろうか。そこから福者までは,あまりにも突然すぎる。結城神父があらゆる文献を諳んじ,引用を徹底し,引用文献を示さず,自分の手柄のように主張する研究者を批判していたということは,正直,この本の著者である高山文彦氏にもあてはまると思う。磯本恒信氏の捏造に関しても,全く部外者である私には,捏造か判断できかねた。八路軍に加わって,憲兵に逮捕されたのが事実であれば,原爆時に長崎にいたことは十分にありえないだろうか。そこを逃げ出したことを隠そうとしたもいえないだろうか。様々な?が残った一冊だった。
主題は大きく3つあり,(1) 長崎の部落解放運動を創始した主人公である磯本恒信がカミングアウトし,運動を発展させたが,長崎に原爆が投下された際,青島にいたのに長崎にいたと経歴詐称をしていた事実を原爆調査票で確認したということ。(2) 浦上の部落の人も元はキリシタンであって後に,棄教した人々であったこと,そして当時の代官の末次平蔵の命令に反して協力しなかった人がいたこと。(3)さらにスペイン人神父である結城了悟神父との対話の中で,その協力を拒んだものを福者にしようという構想があり,浦上の部落とキリシタンの間の不和が解消される可能性があったこと。
私は正直,被差別部落の歴史についてほとんど知らなかったため,この本を元に勉強してみようと思ったが,あくまで磯本恒信中心の話であり,解放運動等については断片的にしかわからなかった。中尾貫に関しても終戦前後の話は面白かったが,結局,運動にどのように関与し,どのような功績があったのかは,断片的にしか,あるいは局所的にしかわからなかった。話は突然,結城神父に移り,この3人が出会うことで,カトリックと部落との和解が生まれそうであったということで話が進んでいく。
カトリックが部落を恨んでいたというのは,浦川和三郎神父の「浦上切支丹史」の一節を読んだ磯本恒信の主観であり,彼が後に浦上を案内した時に,カトリック信徒の住処には案内しなかった事実のみによる。正直,この1節からも私はその恨みを感じることはなかったし,切支丹関係の書籍で,こういった幕府等々の末端を恨んだ話,憎む話というのはほとんど聞いたことがなかったので,和解劇を作るための創作ではないかとも疑う。もしあるとすれば,棄教民に対する複雑な思いだではないだろうか。
そして,結城神父の浦上の部落の代官の命令に背いた3人のその後はわからぬものの,福者にしたいという思いは,果たして本当だろうかということ。「歴史を変えてはいけない」という神父にとって,そのような事実が本当か,確かめたかったのではないだろうか。そこから福者までは,あまりにも突然すぎる。結城神父があらゆる文献を諳んじ,引用を徹底し,引用文献を示さず,自分の手柄のように主張する研究者を批判していたということは,正直,この本の著者である高山文彦氏にもあてはまると思う。磯本恒信氏の捏造に関しても,全く部外者である私には,捏造か判断できかねた。八路軍に加わって,憲兵に逮捕されたのが事実であれば,原爆時に長崎にいたことは十分にありえないだろうか。そこを逃げ出したことを隠そうとしたもいえないだろうか。様々な?が残った一冊だった。