本書は、アレクサンダー大王の大帝国から現代=グローバリゼーション時代にいたるまでの西洋史を、ヨーロッパに登場した数々の帝国を軸として描きだしたものである。一読して明らかになるのは、これら帝国が内にあるものを「文明」、外にあるものを「非文明(野蛮)」と位置づけることで、敵と友を区分し、一つの統合体として機能してきたこと、現代を構成しているのは帝国の遺産だということである。帝国をマトリクスとして、国際法・国際機関などによって体現される普遍主義の理念が生まれ、ナショナリズム等に代表される個別主義・特殊主義的な運動と理念が生まれた。また、ほぼ全世界に「文明」が行き渡ったいま、現代世界はこの両者の葛藤という新たな帝国的状況に置かれているという見通しを得ることができる。
ところで、「民族と帝国」というタイトルだが、いわゆる民族=ネーションとナショナリズムの問題はあまり論じられていない。原題は"Peoples and Empires"だが、少々誤解を招く訳だと思う。

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民族と帝国 (クロノス選書) 単行本 – 2006/10/12
戦争、植民地、貿易、ナショナリズム、グローバリゼーション・・・
「帝国」というシステムを通じて、人類の歴史に迫る
「帝国」というシステムを通じて、人類の歴史に迫る
人間の移動から生まれた「帝国」というシステム。アレクサンドロス大王、ロー
マ帝国から大航海時代の植民地やソ連の崩壊にいたるまで、その歴史は人類その
ものの歴史の重要な一部をなす。ヨーロッパから世界じゅうへと移動する人々が
築き上げていったさまざまな帝国の成り立ちを追い、人間の移動と接触がもつ
意味を真摯に問い直す。
- 本の長さ253ページ
- 言語日本語
- 出版社ランダムハウス講談社
- 発売日2006/10/12
- ISBN-104270001526
- ISBN-13978-4270001523
商品の説明
出版社からのコメント
戦争、植民地、貿易、ナショナリズム、グローバリゼーション・・・
「帝国」というシステムを通じて、人類の歴史に迫る
「帝国」というシステムを通じて、人類の歴史に迫る
人間の移動から生まれた「帝国」というシステム。アレクサンドロス大王、ロー
マ帝国から大航海時代の植民地やソ連の崩壊にいたるまで、その歴史は人類その
ものの歴史の重要な一部をなす。ヨーロッパから世界じゅうへと移動する人々が
築き上げていったさまざまな帝国の成り立ちを追い、人間の移動と接触がもつ
意味を真摯に問い直す。
著者について
アンソニー・パグデン
カリフォルニア大学ロサンゼルス校政治科学・歴史学教授。サンティアゴ(チ
リ)、ロンドン、バルセロナで学び、オックスフォード大学で博士号を取得。ケ
ンブリッジ大学准教授、ジョンズ・ホプキンス大学教授を経て現職。ヨーロッパ
が世界各地に勢力を拡大した過程をテーマとし、幅広い研究・著述活動を展開し
ている。
登録情報
- 出版社 : ランダムハウス講談社 (2006/10/12)
- 発売日 : 2006/10/12
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 253ページ
- ISBN-10 : 4270001526
- ISBN-13 : 978-4270001523
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,227,231位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,461位世界史一般の本
- - 3,338位ヨーロッパ史一般の本
- カスタマーレビュー:
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