映画パンフレット 「森の中の淑女たち」 監督 シンシア・スコット 出演 アリス・ディアボ/コンスタンス・ガーヌー/ウィニフレッド・ホールデン/シシー・メディングス
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これが劇映画デビューのC・スコットによる、カナダはケベック地方を舞台にした、どこか彼女の出自のドキュメンタリーの手触りを持ったユニークな作品。黒人の女性ドライバー、ミシェル(唯一職業俳優のM・スウィーニー)運転のバスが、ケベックの片田舎を走行中エンコする。メカは一切分からないミシェルはそれを修理することもできず、彼女と乗客の7人の老婦人は、そのうちの一人、87歳のコンスタンスの記憶を頼りに、彼女が若い時分夏をすごした“サマー・コテージ”を目指し森に入る。とっくに廃屋の古い農家のそこで、助けを持つ間自給自足を余儀なくされた彼らは、池で魚を釣り野原で草の実を摘む、相当に厳しいサバイバル生活にも関わらず、ノンシャランとそれこそ淑女のように優雅であり、そこに作者の年長者への理想も籠った敬愛の表現が伺える。結局、車の修理を試みて失敗した、一同の中では一番年若の修道女キャサリンが徒歩で助けを呼びに行って、湖上に着陸したセスナにみんなして乗り文明社会に戻って、この冒険に終止符は打たれるのだが、誰もがホッと安堵の表情を浮かべながらも、どこか物足りなげであった。老女たちが映画の中でけっこう真面目に討論する話題は、家族、老い、過ぎ去りし青春…。ニホンのお爺お婆もテレビやゲートボール・スティックにばっかり噛じりついてないで、一つ建設的に自分の人生に関してでも話し合ってみたらいかがでしょうか。 異なる人生を歩んできた七人の老婦人とバスの女性運転手が、森の中の廃屋で共同生活を送る姿を描く人間ドラマ。監督はドキュメンタリー出身のシンシア・スコットで、本作が長編デビュー作。製作はデイヴィッド・ウィルソン。エグゼクティヴ・プロデューサーはコリン・ニール、リナ・フラティセッリ、ピーター・カタドティス。脚本はスコット監督の長年の協力者で本作の監督補佐もつとめ、この作品が遺作となったグロリア・デマーズと、デイヴィッド・ウィルソン、サリー・ボッシュナーの共同。撮影はデイヴィッド・デ・ヴォルピ。音楽はマリー・バーナードが担当。出演者は、歌手であるミシェル・スウィーニーのほかは皆演技経験のない人々で、大まかな設定だけを決めたドキュメンタリー的な手法で製作された。一九九〇年度マンハイム国際映画祭グランプリ受賞。