パンローリングから出版されている著者の「株式投資で普通でない利益を得る」の別の訳書である「フィッシャーの超成長株投資」を以前に読みました。「超成長株投資」では個人投資家には難易度の高い投資手法であるものの、理路整然とした論理展開に感動しました。
本書では「超成長株投資」をさらに掘り下げた内容が記述されています。
私は本書で以下の点が印象に残りました。
・配当収入を必要としない人にとっては配当は大きなネガティブ要因となる。(「投資哲学を作り上げる」第3章)
「超成長株投資」にも「配当のことは一番最後に考えれば良い」と配当に否定的な考え方が記されています。本書ではさらに投資家のライフスタイルまで論を進めて次のように記しています。
「ライフスタイルを維持するために配当収入が必要な人ではなく、定期的に貯蓄ができている人は税率が課せられる配当を会社が見送り、そのお金を将来の成長に対して非課税となる再投資をした方が良い。」
一方ジェレミー・シーゲルの「株式投資の未来」では「配当利回りが高い企業ほど、投資家にもたらすリターンも高い。」という正反対の記述が見られます。
配当の必要性については投資家のライフスタイル、企業の内部留保資金の使い方の巧拙、および税制などいくつかの要素を総合的に判断する必要があります。
・効率的市場仮説という大きな間違いと思われる考え方が注目されすぎている。(「投資哲学を作り上げる」第4章)
著者の投資手法は「グロース株投資」に分類されます。それに対して効率的市場仮説はランダムウォーク学派が主張する学説です。著者は自身が経験した具体例を通して効率的市場仮説の間違いを鮮やかに指摘しています。
また「投資哲学を作り上げる」の別の箇所ではベンジャミン・グレアムが提唱する「バリュー株投資」について、「私の方法が利益を出す唯一の方法とは思っていない。バリュー株投資も正しく実行されれば成功率は高い」と一定の評価を与えています。
「グロース株投資の父」とされる著者の、効率的市場仮説やバリュー株投資に対する見解は興味深いです。
最後に本書の文章の明快さについて記します。
「超成長株投資」では投資手法が理路整然と語られ、非常に明快な文章でした。しかし本書では論理展開の整然さは「超成長株投資」と同じであるものの結論に至るまでの前置きが長すぎ、所によっては結論があいまいな箇所があります。「文章の明快さ」という点では本書は「超成長株投資」よりはっきり見劣りします。
「株式投資で普通でない利益を得る」のサンプルページで著者の息子のケン・フィッシャーは著者について次のように記しています。「父は高齢になって認知症を患った。父が70歳で投資をやめていれば経済的にははるかに良い状態だったと思う。」
「投資哲学を作り上げる」は著者が73歳、「保守的な投資家ほどよく眠る」は著者が67歳の時に執筆しています。大変失礼な推測ですがこれらの書籍の執筆時に著者に既に「認知症の兆し」が出ていたのかもしれません。
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投資哲学を作り上げる/保守的な投資家ほどよく眠る (ウィザードブックシリーズ236) 単行本 – 2016/5/13
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購入オプションとあわせ買い
ウォーレン・バフェットにブレイクスルーをもたらした
大事な教えが詰まっている!
フィリップ・フィッシャーは全部で4冊の本を執筆したが、本書はそのうち3冊目と4冊目を収録している。
1冊目の『株式投資で普通でない利益を得る』([仮題]パンローリングより2016年夏に刊行予定)は20世紀に
発売された投資本のなかでベスト3に入る名著であり、フィッシャーの最高傑作であることに間違いはない。
その最高傑作の次に読むべきと息子のケネス・フィッシャーが推薦するのが、4冊目の『投資哲学を作り上げる』だ。
現代にも十分に通用するフィッシャーの基本的な考えがコンパクトにまとまっており、読者が自らの投資哲学・
投資理論を構築するのには欠かせない金言にあふれている。
『保守的な投資家ほどよく眠る』は、フィッシャーの3冊目の本である。67歳のときに執筆した本書は、死ぬまで
約50年間にわたって保有し続けた“フィッシャー銘柄"モトローラについて詳述している。なぜ当時人気のなかった
モトローラを、長期保有しないではいられない優れた会社と見抜いたのか、その一点にフィッシャーの特徴がよく
表れている。自分が理解できる少数の素晴らしい会社を探しあて、あまりリスクをとらずに長期保有し続けるという
フィッシャーの手法は、頻繁に売買する現代の投資家にコペルニクス的転回をもたらすものとなるだろう。
大事な教えが詰まっている!
フィリップ・フィッシャーは全部で4冊の本を執筆したが、本書はそのうち3冊目と4冊目を収録している。
1冊目の『株式投資で普通でない利益を得る』([仮題]パンローリングより2016年夏に刊行予定)は20世紀に
発売された投資本のなかでベスト3に入る名著であり、フィッシャーの最高傑作であることに間違いはない。
その最高傑作の次に読むべきと息子のケネス・フィッシャーが推薦するのが、4冊目の『投資哲学を作り上げる』だ。
現代にも十分に通用するフィッシャーの基本的な考えがコンパクトにまとまっており、読者が自らの投資哲学・
投資理論を構築するのには欠かせない金言にあふれている。
『保守的な投資家ほどよく眠る』は、フィッシャーの3冊目の本である。67歳のときに執筆した本書は、死ぬまで
約50年間にわたって保有し続けた“フィッシャー銘柄"モトローラについて詳述している。なぜ当時人気のなかった
モトローラを、長期保有しないではいられない優れた会社と見抜いたのか、その一点にフィッシャーの特徴がよく
表れている。自分が理解できる少数の素晴らしい会社を探しあて、あまりリスクをとらずに長期保有し続けるという
フィッシャーの手法は、頻繁に売買する現代の投資家にコペルニクス的転回をもたらすものとなるだろう。
- 本の長さ193ページ
- 言語日本語
- 出版社パンローリング
- 発売日2016/5/13
- 寸法18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- ISBN-104775972057
- ISBN-13978-4775972052
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商品の説明
著者について
フィリップ・A・フィッシャー(Philip A. Fisher)
1928年から証券分析の仕事を始め、1931年にコンサルティングを主としたフィッシャー・アンド・カンパニーを創業。
現代投資理論を確立した1人として知られている。本書を執筆後、大学などでも教鞭を執った。
著書に『株式投資で普通でない利益を得る』(パンローリングより近刊予定)、『株式投資が富への道を導く』など
がある。
なお、息子であるケネス・L・フィッシャーは、運用総資産300億ドル以上の独立系資産運用会社フィッシャー・
インベストメンツ社の創業者・会長兼CEO、フォーブス誌の名物コラム「ポートフォリオ・ストラテジー」執筆者、
ベストセラー『ケン・フィッシャーのPSR株分析』『チャートで見る株式市場200年の歴史』『投資家が大切にしたい
たった3つの疑問』(いずれもパンローリング)などの著者である。
1928年から証券分析の仕事を始め、1931年にコンサルティングを主としたフィッシャー・アンド・カンパニーを創業。
現代投資理論を確立した1人として知られている。本書を執筆後、大学などでも教鞭を執った。
著書に『株式投資で普通でない利益を得る』(パンローリングより近刊予定)、『株式投資が富への道を導く』など
がある。
なお、息子であるケネス・L・フィッシャーは、運用総資産300億ドル以上の独立系資産運用会社フィッシャー・
インベストメンツ社の創業者・会長兼CEO、フォーブス誌の名物コラム「ポートフォリオ・ストラテジー」執筆者、
ベストセラー『ケン・フィッシャーのPSR株分析』『チャートで見る株式市場200年の歴史』『投資家が大切にしたい
たった3つの疑問』(いずれもパンローリング)などの著者である。
登録情報
- 出版社 : パンローリング (2016/5/13)
- 発売日 : 2016/5/13
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 193ページ
- ISBN-10 : 4775972057
- ISBN-13 : 978-4775972052
- 寸法 : 18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 217,756位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 884位株式投資・投資信託
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年5月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私がこの本で正直に思ったことは、「読み辛いし、フィッシャーの一作目「株式投資で普通でない利益を得る」とほぼ同じことが書いてあるな」ということです。
まず一つ目に、翻訳が忠実に行われていることが原因かもしれませんが、かなり読み辛いです。一つの文章が長くなりすぎることで、その一文で何が言いたいのか読み取ることに苦労しました。そういった意味ではフィッシャーの細かい性格が表れているのかもしれません。
二つ目に、私はフィッシャーの一作目「株式投資で普通でない利益を得る」を読んでいたので、あまり目新しさを感じませんでした。確かにフィッシャーも歳をとることで投資哲学が洗練されているようでしたが、この本の内容は一作目とあまり変更がありませんでした。その分フィッシャーは早くから投資方針が定まっていたことで、あの様な素晴らしい投資結果を残せていたのかもしれません。
この本でフィッシャーが言いたいことをまとめると、「あらゆる方法を用いて、あらゆる角度から会社のファンダメンタルを分析した上で、厳選した企業の株式を持ち続けなさい。ただし、企業のファンダメンタルの変化が起きた場合はその限りではない。また実際にその株式を買う時は、金融市場の評価と企業価値とを比較し、株価が割安な時に買えればとてつもない利益を上げられる」ということです。
投資の難しさを改めて感じました。
まず一つ目に、翻訳が忠実に行われていることが原因かもしれませんが、かなり読み辛いです。一つの文章が長くなりすぎることで、その一文で何が言いたいのか読み取ることに苦労しました。そういった意味ではフィッシャーの細かい性格が表れているのかもしれません。
二つ目に、私はフィッシャーの一作目「株式投資で普通でない利益を得る」を読んでいたので、あまり目新しさを感じませんでした。確かにフィッシャーも歳をとることで投資哲学が洗練されているようでしたが、この本の内容は一作目とあまり変更がありませんでした。その分フィッシャーは早くから投資方針が定まっていたことで、あの様な素晴らしい投資結果を残せていたのかもしれません。
この本でフィッシャーが言いたいことをまとめると、「あらゆる方法を用いて、あらゆる角度から会社のファンダメンタルを分析した上で、厳選した企業の株式を持ち続けなさい。ただし、企業のファンダメンタルの変化が起きた場合はその限りではない。また実際にその株式を買う時は、金融市場の評価と企業価値とを比較し、株価が割安な時に買えればとてつもない利益を上げられる」ということです。
投資の難しさを改めて感じました。
2020年6月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この翻訳者は国語から勉強し直したほうがいい。おそらくバックバーンも何もわからずに直訳しているのだろう。よくこんな翻訳で出版できたなと思う。
2016年5月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まだ読み終わってないですがいいんじゃないですかね
フィッシャーは凄い
フィッシャーは凄い
2017年7月1日に日本でレビュー済み
「投資哲学を作り上げる」と「保守的な投資家ほどよく眠る」の2編を収録.伝記風で核心が掴み難いが,律儀にも最後に「本書のまとめ」まで用意されている.
【投資哲学8ヵ条】
①競争優位性を持つ会社を買え
②株価が安い内に買え
③株価の短期的変動は無視.会社の変質 or 成長鈍化まではホールド.
④高配当企業は避けろ
⑤正しく投資しても,一定の確率で裏目に出る
⑥実力のある会社を引き当てるのは難しいので分散投資せよ
⑦自己の判断が大勢に反しても屈するな
⑧投資も仕事も一緒.真摯・知的・素直に.
---
「保守的な投資家ほどよく眠る」の保守とは「古今不変の将来性の有る会社に必須の要件」と云う意味.将来性の有る会社の機能的・人的・事業的特徴がそれぞれ7~8項目づつ示される.
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投資哲学8ヵ条を見ると分かるが,「競争優位性のある中小型の成長株を青田買いせよ」と云うことで,バフェットとは若干異なる.
【投資哲学8ヵ条】
①競争優位性を持つ会社を買え
②株価が安い内に買え
③株価の短期的変動は無視.会社の変質 or 成長鈍化まではホールド.
④高配当企業は避けろ
⑤正しく投資しても,一定の確率で裏目に出る
⑥実力のある会社を引き当てるのは難しいので分散投資せよ
⑦自己の判断が大勢に反しても屈するな
⑧投資も仕事も一緒.真摯・知的・素直に.
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「保守的な投資家ほどよく眠る」の保守とは「古今不変の将来性の有る会社に必須の要件」と云う意味.将来性の有る会社の機能的・人的・事業的特徴がそれぞれ7~8項目づつ示される.
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投資哲学8ヵ条を見ると分かるが,「競争優位性のある中小型の成長株を青田買いせよ」と云うことで,バフェットとは若干異なる.
2017年2月2日に日本でレビュー済み
投資哲学ということでこれから投資に向き合おうとする人にとっては、読んで損は無い内容です
想像していたのとは違って、とても読みやすい、理解しやすい文章でした
時代背景があるのでところどころ不要そうな箇所もありますが、過去の事例としてみれば価値のある話ばかりでした
想像していたのとは違って、とても読みやすい、理解しやすい文章でした
時代背景があるのでところどころ不要そうな箇所もありますが、過去の事例としてみれば価値のある話ばかりでした