レビューというか、大学の自主ゼミでまとめたので、まとめとして参考にしていただければ。
テッサさんは本当にすごいと改めて実感。
難しい部分もありますが、日本のあり方を考える上で貴重な指南書だと考えます。
読んだ率直な感想もおもしろかったです。
誰が語るのか
日本と対極に位置する、「オーストラリア国籍を早く取得してくださいキャンペーン」
限定的な多重国籍OKであった80年代日本
“J.A.N.O”言説の横行による「偏狭なナショナリズム」
バブルの崩壊、完全に自閉化したナショナリズム:「つくる会」
「三国人」発言:目に見えない不安の原因を可視化
剥き出しの排除/差別的ナショナリズム
説得力のある分析やビジョンが不在の90年代:不安感を吸収するシンボルの捏造
象徴となるマーカー:「犯罪率」「移民」
極右の台頭が世界同時多発、見事にパラレル
異物が攻撃目標とされ、人権侵害の形で具現化
ポストコロニアリズム:
「社会」、「文化」、「文明」、「民族」などの諸概念:普遍的な分析の道具か
開かれた日本のために
「国旗国歌法」など右翼国会で次々に可決
「不正義への被害者への声に対する『応答責任』には国家的境界は「存在しない」
:「悼み」とはきわめて個人的感覚、国民的「悼み」は意味を成さない
implication(連累)
:私たちは正当な対応がなされていない過去の迫害によって受益した社会に生きている
20世紀後半、過去を必要としない工業社会:過去が消滅してしまった社会
社会的、技術的変動が繰り返される時代にあって過去が現在に及ぼす影響力は低下、単なる検証の対象に。
でも:一冊の歴史教科書が東アジアの国際関係を混乱に陥れている。「歴史の復讐」
世界秩序が構造的に変化、存亡の岐路に立つ「想像の共同体」を支えることを目的としたナショナリズム、世界的な規模で沸き起こっている。
ポピュリストナショナリズム、過剰反応の連鎖からの悪循環
二大落とし穴:日本に特有な問題だと特殊化する方法、ナショナリズムはどこにでも存在するものだから批判する意味などないと相対化。
歴史の解釈はどれも同じように語り手の言葉と概念によって形作られたとすると、価値判断が困難に。異なる過去の解釈を選択する根拠を確立することは可能?
歴史的責任の認識論:
1.賠償政策 2.何を記憶し続ける責任を有するか 3.精神形成への作用の検証
認識面と心理面を分けて考える必要性
「歴史への真摯さ」(political truthfulness) :一連の相互批判的の関係
知識、感情、行動の不可分の相関は、根源的な問題
歴史の解釈がどのような役割を担ったか
継承される紛争、共感の欠如によって生ずる差別(行動に悪い影響を与える)
「歴史」と「記憶」にまつわる論争:地球規模での共振性、世界が共有する諸問題を反映
ハンソニズム/イシハライズム:人々が抱く恐怖に顔を与える(不安の可視化)
傷痕、反応が問題:これらの悪影響たるや
スケープゴート戦略:忘れかけられた人種主義的表現使用、類似した形で世界各地で復活
視野の狭い1899年体制、事実としての地球規模での人々の移動
コスメティックマルチカルチュラリズム:文化的多様性の許容
e.g. ラモス、参政権、市民権、国籍、納税
ナショナリストの反応:「移民政策」にしろ、ポピュリズムがベース
グローバリゼーションとデモクラシー
ナショナリズムのグローバル化(対比が容易に)
共通性はナショナリズムのレトリック:危機に瀕する国民意識、大衆受け
特徴:争点は自分の国固有の問題
思考パターン:歴史の社会的昨日、国民的な過去に対する知識は外からの脅威に抗って「崩壊」を防ぎ、国民の絆をつなぐ。
視野の狭い「多文化主義」:文化に対する「原始論」的解釈
社会に生きる一個人が多重なエスニックの起源を持つ20世紀後半の社会の複合性の中では意味を成さない。
国民的集団にかかわる認識の変化への努力はきわめて重大な精神的解放をもたらした。
既存のデモクラシーの伝統的枠組みを超えて:
いかに文化資源を獲得し、それを表現するかが課題。
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批判的想像力のために: グローバル化時代の日本 (平凡社ライブラリー) 単行本(ソフトカバー) – 2013/2/12
テッサ・モーリス=スズキ
(著)
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「歴史教科書問題」や『敗戦後論』論争に介入しつつ、虚無的ナショナリズムとネオリベの共犯状況に対抗する理路を切り拓いた論考。10年後の今、一層切実な発言となって甦る。解説=岩崎稔
- 本の長さ355ページ
- 言語日本語
- 出版社平凡社
- 発売日2013/2/12
- 寸法11 x 1.6 x 16.2 cm
- ISBN-104582767818
- ISBN-13978-4582767810
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登録情報
- 出版社 : 平凡社 (2013/2/12)
- 発売日 : 2013/2/12
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 355ページ
- ISBN-10 : 4582767818
- ISBN-13 : 978-4582767810
- 寸法 : 11 x 1.6 x 16.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 148,069位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 204位近代西洋哲学
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2011年1月23日に日本でレビュー済み
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2019年10月6日に日本でレビュー済み
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本書は9編の小論文から成っている(初出一覧をみると、2000年前後のもの)。バブル崩壊(1991年)の10年後の日本の当時の姿の叙述である。読んでみて、古さを感じない。
難解な論文もあったし、ジャーナリスティックなものもあった。「無害な君主制として天皇制は生き延びられるか」は16ページ程の短文ではあるが、現実の英国君主制を英国人はどのように見ているのかが分かって、興味深かった。9編全体を読むことも大切だが、好奇心が湧いた一編を精読するのがいいのかもしれない。
難解な論文もあったし、ジャーナリスティックなものもあった。「無害な君主制として天皇制は生き延びられるか」は16ページ程の短文ではあるが、現実の英国君主制を英国人はどのように見ているのかが分かって、興味深かった。9編全体を読むことも大切だが、好奇心が湧いた一編を精読するのがいいのかもしれない。
2005年2月9日に日本でレビュー済み
この本は、開かれた日本になるためにはどうすればよいのかが書かれている。そのためには、近代につくられた市民権や永住権を見直さなくてはならないのである。『辺境から眺める』などの素晴らしい日本研究者である著者のこの本は、閉塞的な日本を変える一助になることは間違いない。