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学力低下論争 (ちくま新書 359) 新書 – 2002/8/1
市川 伸一
(著)
- ISBN-104480059598
- ISBN-13978-4480059598
- 出版社筑摩書房
- 発売日2002/8/1
- 言語日本語
- 本の長さ252ページ
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2002年12月7日に日本でレビュー済み
この本は、学力低下について第3の目というべき所から考えさせてくれるものだ。また、学力低下論争は一般から見ていると分りにくい。その分かりにくさがどこにあり、学力低下論争の中で誰がどのような主張を行ってきたかを理解するのに大変役立つ。また、著者自身がどのような考えを持っているのかということもきちんと書かれており、学力低下論争をどう捉えるのかと考える際の視点を与えてくれる一冊だと思う。
2013年10月13日に日本でレビュー済み
学力低下論争における各論者の主張とその後の展開を、わかりやすくまとめている、よい本だと思います。
実は筆者自身、学力低下論争の時には一論者としていろいろと発言をしていたそうなのですが、この本では、論争を客観的に眺めることに徹し、オリジナルな主張は最終章で書くのみに抑えています。文中でも、バイアスがかかった記述にならないようにかなり注意しているのがわかります。
学力低下論争については、それ自体が政策論と結びついているせいか、教育社会学や教育行政からのアプローチが多い気がします。
認知心理学の専門家である筆者は、そのような社会科学的な研究からわかることを、教育を受ける子どもの視点から眺め直しています。
このような見方は、筆者ならではのものだと思います。
個人的には、筆者の学力低下論には賛同できるところが多いのです。
「学力とは?」という定義の問題や、それをふまえた上で「ゆとり教育だから学力が下がる」のではなくて、「学力を上げるためにはゆとり教育がむしろ必要」という主張も納得できるものでした。
欲を言えば、具体的な事例が欲しかったです。
あと、「ゆとり教育」以後だけではなく、もう少し前の教育論争から取り上げてくれると、学力低下論争自体の持つ意味がより鮮明になる気がしました。
実は筆者自身、学力低下論争の時には一論者としていろいろと発言をしていたそうなのですが、この本では、論争を客観的に眺めることに徹し、オリジナルな主張は最終章で書くのみに抑えています。文中でも、バイアスがかかった記述にならないようにかなり注意しているのがわかります。
学力低下論争については、それ自体が政策論と結びついているせいか、教育社会学や教育行政からのアプローチが多い気がします。
認知心理学の専門家である筆者は、そのような社会科学的な研究からわかることを、教育を受ける子どもの視点から眺め直しています。
このような見方は、筆者ならではのものだと思います。
個人的には、筆者の学力低下論には賛同できるところが多いのです。
「学力とは?」という定義の問題や、それをふまえた上で「ゆとり教育だから学力が下がる」のではなくて、「学力を上げるためにはゆとり教育がむしろ必要」という主張も納得できるものでした。
欲を言えば、具体的な事例が欲しかったです。
あと、「ゆとり教育」以後だけではなく、もう少し前の教育論争から取り上げてくれると、学力低下論争自体の持つ意味がより鮮明になる気がしました。
2006年5月12日に日本でレビュー済み
著者は,1953年(東京都)生まれ。東京大学文学部卒業。埼玉大学,東京工業大学を経て,刊行時点では東京大学(教授)。文学博士。専攻は認知心理学,教育心理学。教育課程審議会,中央教育審議会等の各種委員会にも参加。啓蒙書類の著作は多い。手許のは2年間で5刷。売れていると思う。
学力低下論争の新書版論争史(99〜02年)。プロ向きではないが,研究者には必読だろう。引用が多く,手堅い論述となっている。論争に参加しているためにどうしても持論を展開しがちと推測されるが,著者がこれには禁欲している点が本書の客観性を支えている。
主要論者の特定とその主張内容や論拠などが手堅く整理されており,参考文献(246-52頁)では取り上げた著作が一覧できる。研究者による論争整理としてはきわめて誠実。そのうえで評価と批判が著者独自の観点からされている。独自の提言(終章)もある。
望蜀の謗りをあえて犯せば,旧学力論争を整理しておれば申し分なし。残念。(495字)
学力低下論争の新書版論争史(99〜02年)。プロ向きではないが,研究者には必読だろう。引用が多く,手堅い論述となっている。論争に参加しているためにどうしても持論を展開しがちと推測されるが,著者がこれには禁欲している点が本書の客観性を支えている。
主要論者の特定とその主張内容や論拠などが手堅く整理されており,参考文献(246-52頁)では取り上げた著作が一覧できる。研究者による論争整理としてはきわめて誠実。そのうえで評価と批判が著者独自の観点からされている。独自の提言(終章)もある。
望蜀の謗りをあえて犯せば,旧学力論争を整理しておれば申し分なし。残念。(495字)
2005年4月24日に日本でレビュー済み
本書で筆者は学力低下論争には大まかにわけて三つの立場があるのだと述べている。簡単に述べると、①学力低下を楽観視しており、ゆとり教育を掲げた教育改革に賛成な者、②学力低下を憂慮しており、教育改革に反対な者、③学力低下を憂慮してはいるが、教育改革に賛成な者、の三つのタイプである。ちなみに筆者は③に位置しており、それは前半部分に掲載されている図(他の論者との比較が非常にわかりやすい図)ではっきりと明示されている。
本書は学力低下や教育改革、公立と私立、教科と経験、受験問題などに対するそれぞれの意見や文献紹介し、うまくまとめ上げているのではないかと感じた。それは学力低下論争が上記の三つの立場の相違から生まれた論争であり、その奥の深さに正直落胆はしたが、本書に「学力低下」についての概論としての価値を感じたからである。
もう所々少し深い言及が欲しい部分はあったが、新書という性質上、また作者の本書を書いた意図からするとそれは仕方のない部分のようにも思える。
「ゆとり」という語の持つあいまいさ、「学力」とは一体どのようなものなのか、国はどのような対策をとっているか、「学力」が低いとなぜいけないのか、などが本書の終章まで読めば、本書が出版された当時の学力低下論争の大まかなアウトラインはつかむ事ができるのではないだろうか。
しかし最近のOECDの調査で再び話題になったように、教育に関する問題はリアルタイムで考えていかなければならないと私は考えているし、本書を足がかりに、現代的な自分なりの「学力低下論」を持つことも大事だと考えている。
第四章にあった「教育という営みには夢やロマンが必要であるが、現実から逃避した「きれいごと」の教育論が優勢になってしまうと、そのデメリットには目が届きにくくなる」という言葉が印象的であった。
本書は学力低下や教育改革、公立と私立、教科と経験、受験問題などに対するそれぞれの意見や文献紹介し、うまくまとめ上げているのではないかと感じた。それは学力低下論争が上記の三つの立場の相違から生まれた論争であり、その奥の深さに正直落胆はしたが、本書に「学力低下」についての概論としての価値を感じたからである。
もう所々少し深い言及が欲しい部分はあったが、新書という性質上、また作者の本書を書いた意図からするとそれは仕方のない部分のようにも思える。
「ゆとり」という語の持つあいまいさ、「学力」とは一体どのようなものなのか、国はどのような対策をとっているか、「学力」が低いとなぜいけないのか、などが本書の終章まで読めば、本書が出版された当時の学力低下論争の大まかなアウトラインはつかむ事ができるのではないだろうか。
しかし最近のOECDの調査で再び話題になったように、教育に関する問題はリアルタイムで考えていかなければならないと私は考えているし、本書を足がかりに、現代的な自分なりの「学力低下論」を持つことも大事だと考えている。
第四章にあった「教育という営みには夢やロマンが必要であるが、現実から逃避した「きれいごと」の教育論が優勢になってしまうと、そのデメリットには目が届きにくくなる」という言葉が印象的であった。
2005年5月17日に日本でレビュー済み
この本は学力低下論争について厚かったものだが、
読んでみて、わかったことは、学力が低下してるのかどうかよくわからない、ていうかそもそも学力って何?ゆとり教育はいいのだか悪いのかよくわからない、ていうかゆとり教育っての?学力が低下しているとしたら、その理由にはいくつもが考えられ、どれももっともらしくどれも軽視できない。ていうか、そもそも学力が低下するのって問題なの?
といった、この問題の難しさ複雑だけがよくわかったような本だった。
個人的な意見だが、教育は今のところ、トップダウンでも、高名な学者の意見でも学者の実験だけでも解決できるような単純な問題ではないのだと思う。進化的な複雑適応系的なシステムにすることによってのみ解決できる。
一つ一つは文科省なり論者なりに言い尽くされたことだが
それには、適応度(学力から生きる力から意欲まで、主観ではなくきちんとアセスメントすること)の評価、つまり実証的なフィードバックシステム(今までは、学力が低下したのかすら、わからない、何の教育がいいかについて学者はそれぞれ好きなことをいっている)、よいものは広がるシステム、ボトムアップアプローチの重視(上位下下達の全国一斉から教師や学校ごとの個々の工夫へ)、あるいは競争原理(今までは横並び一斉から学校選択制へ、社会主義的教育制度の改善など)、といったものが必要になる。それらが、最近はかなり改善されてきたのがまずは第一歩というところなのだろう。
まあ、その一方で、前頭葉を鍛えれば、1、内発的動機付けがあがる、2、善悪の判断がつくため、いじめなどがへる3、抑制力が高まるので、キレにくくなる4、もちろん、学力もあがる5、目先のことだけでなく先のことを考える人間になる6、金もかからん7、創造性アップというわけで、この本の問題全部解決できるのではとも思うのだが。(ちなみにすでに鍛える方法自体はわかっている)
読んでみて、わかったことは、学力が低下してるのかどうかよくわからない、ていうかそもそも学力って何?ゆとり教育はいいのだか悪いのかよくわからない、ていうかゆとり教育っての?学力が低下しているとしたら、その理由にはいくつもが考えられ、どれももっともらしくどれも軽視できない。ていうか、そもそも学力が低下するのって問題なの?
といった、この問題の難しさ複雑だけがよくわかったような本だった。
個人的な意見だが、教育は今のところ、トップダウンでも、高名な学者の意見でも学者の実験だけでも解決できるような単純な問題ではないのだと思う。進化的な複雑適応系的なシステムにすることによってのみ解決できる。
一つ一つは文科省なり論者なりに言い尽くされたことだが
それには、適応度(学力から生きる力から意欲まで、主観ではなくきちんとアセスメントすること)の評価、つまり実証的なフィードバックシステム(今までは、学力が低下したのかすら、わからない、何の教育がいいかについて学者はそれぞれ好きなことをいっている)、よいものは広がるシステム、ボトムアップアプローチの重視(上位下下達の全国一斉から教師や学校ごとの個々の工夫へ)、あるいは競争原理(今までは横並び一斉から学校選択制へ、社会主義的教育制度の改善など)、といったものが必要になる。それらが、最近はかなり改善されてきたのがまずは第一歩というところなのだろう。
まあ、その一方で、前頭葉を鍛えれば、1、内発的動機付けがあがる、2、善悪の判断がつくため、いじめなどがへる3、抑制力が高まるので、キレにくくなる4、もちろん、学力もあがる5、目先のことだけでなく先のことを考える人間になる6、金もかからん7、創造性アップというわけで、この本の問題全部解決できるのではとも思うのだが。(ちなみにすでに鍛える方法自体はわかっている)
2003年9月10日に日本でレビュー済み
新指導要領が掲げる「生きる力」。そして、それを実行するための「ゆとり」教育と目玉となる「総合学習」の実施・・・。そんな背景のもとで騒がれだした「学力低下論争」は従来の教育界だけではなく、マスコミにも取り上げられ日本中で話題となった。
本書では、その論争の主軸となった各氏の主張を細かに取り上げ、その対立点や類似点などを明確にしている。
「実際に学力は低下しているのか?」「学力低下論争で得をしたのは誰か?」など、筆者自身の視点による切込みもおもしろい。
専門的な内容も多く、教育に興味のある人には読み応えのある一冊。
本書では、その論争の主軸となった各氏の主張を細かに取り上げ、その対立点や類似点などを明確にしている。
「実際に学力は低下しているのか?」「学力低下論争で得をしたのは誰か?」など、筆者自身の視点による切込みもおもしろい。
専門的な内容も多く、教育に興味のある人には読み応えのある一冊。
2003年1月1日に日本でレビュー済み
本書は学力低下論争に関する適切なレビューであるだけでなく、単純なゆとり教育反対論(=学力低下論)や単純なゆとり教育賛成論(=学力低下はないとする論)とは一線を画した筆者独自の見解を明確にした本である。
学力低下論争ではセンセーショナルな学力低下論者の発言ばかりが目立つが、それ以外にも様々な立場から様々な主張が行われていることは論争をしっかりとフォローしていかない限り把握できない。本書はそういった意味で学力低下論争の動きを非常に適切に整理しており非常に便利である。
学力低下論争ではセンセーショナルな学力低下論者の発言ばかりが目立つが、それ以外にも様々な立場から様々な主張が行われていることは論争をしっかりとフォローしていかない限り把握できない。本書はそういった意味で学力低下論争の動きを非常に適切に整理しており非常に便利である。