「失敗の本質」の中でこの本からの引用があり、原本を見るために入手しました。
この本だけでなく、陸軍内部のことを戦後に書いた本は、上層部の無能さを批判しています。
このようなリーダーのために死んでいった兵士はまったく無念でしょう。
国民は常に権力者を監視しないといけません。平和は努力なしでは得られない。

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太平洋戦争陸戦概史 (岩波新書) 新書 – 1951/3/5
林 三郎
(著)
太平洋戦争の陸戦の全局面を、物動、編成、兵器、動員人員などあらゆる角度からはじめて総合的に把握し、記録した画期的な書。元陸軍大佐で参謀本部の中枢にあり、敗戦時陸相の秘書官であった著者が、苦労をはらい収集した豊富な資料を駆使して正確に記述する。
- 本の長さ324ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1951/3/5
- ISBN-104004131340
- ISBN-13978-4004131342
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1951/3/5)
- 発売日 : 1951/3/5
- 言語 : 日本語
- 新書 : 324ページ
- ISBN-10 : 4004131340
- ISBN-13 : 978-4004131342
- Amazon 売れ筋ランキング: - 415,023位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,935位岩波新書
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年5月10日に日本でレビュー済み
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2020年11月16日に日本でレビュー済み
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新聞の戦争特集で、紹介されていて購読。
太平洋戦争陸軍の歴史が、系統だって学べます。
太平洋戦争陸軍の歴史が、系統だって学べます。
2020年12月24日に日本でレビュー済み
本書の持つ意義の一端は、読後、太平洋戦争のおのおのの時点での具体的推移のイメージが、数値とその理由付けである文言とを伴う形式で醸成されることにあるでしょう。
あとは、当時の戦争に関して、読者自身の立場が問題になります。
著者から兄達夫氏は、さまざまな情報を得ていたことでしょう。スターリン批判の成立根拠の一つが、その兄弟でのやりとりにあったのではないかと、想像してみたりします。
あとは、当時の戦争に関して、読者自身の立場が問題になります。
著者から兄達夫氏は、さまざまな情報を得ていたことでしょう。スターリン批判の成立根拠の一つが、その兄弟でのやりとりにあったのではないかと、想像してみたりします。
2020年2月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
字は小さく、旧字体も多いので、とばしとばしでしたが、当時の雰囲気が伝わりました。戦域をどこまで広げるかの基準もなく進めていった海軍、規律の逸脱に甘かった陸軍、船も無くなり陸軍主導となった後半。戦艦大和は制空権もないまま出撃させられたこと。大本営の虚偽発表。覇権争いの陸海軍。そして、あたりまえのように出てくる、特別攻撃隊。真珠湾攻撃から1年後にはもう苦戦が始まっています。苦労して手に入れた満州の利権ではありますが、そこから撤退が無い限り米英は絶対、和平を認めなかったでしょう。ドイツとの連盟にどれだけの意味があったのか。独ソ戦への期待は見事に破たんしました。軍には当時、かなり、相当優秀な幹部も多かったと思います。それなのになぜ負ける戦争をしなければならなかったのかと思ます。
2020年1月28日に日本でレビュー済み
終戦後6年目に書かれた本書は、同4年目に書かれた高木惣吉氏の『太平洋海戦史 』と対を成す岩波新書である。
何れも、陸海軍の中枢部に在職した中堅軍人の、貴重な覚書として、戦場に居た兵士や軍人の手記・従軍記とは異なる、俯瞰的価値を持つ貴重な記録であると思う。
本書と高木惣吉氏の『太平洋海戦史 』を比較した場合、以下の二つの大きな差異に気が付く。
海戦は、瞬間~数日間で勝敗が決まり、沈めた船、沈められた船の数や経緯は、記録として残る為、事実関係の把握はかなり可能だろう。陸戦の場合は、月単位~年をまたぐ戦況の推移を辿らなければならない。半日・一日の会戦で勝負が着く時代は、陸戦では過去のものになっていた。東京の参謀本部や、陸軍省の机の上で、報告書を見ていただけでは、判ることに限度がある。共に、アリューシャン列島~ビルマまでの広大な戦場の、戦局の推移を辿りながらも、その制約を受けているのが本書だろう。以上が一つ目の差異だが、参謀本部や陸軍省の、認識レベルを知る上では、非常に参考になると思う。
二つ目は、軍の組織体質への批判的視点だ。高木惣吉氏の『太平洋海戦史 』が海軍の組織体質について、意識的に批判しているのに対して、本書は、当時の陸軍中枢部の、判断を正直に示すことにより読者の判断に委ねる姿勢をとっている。
「米機動艦隊のトラック島攻撃は陸軍統帥部を非常に驚かした。ミッドウェイ海戦で米海軍が島嶼基地の難攻不落性を十分に発揮したように、こんどはトラック島で日本海軍がその頑強ぶりを示してくれる番だと、陸軍統帥部は心密かに期待していたからである。」(本書125頁)。「それにもかかわらず人員の召集はどしどし進められた。それは兵器よりも人の和が大切であるとの見地から、とにかく人を招集し部隊を編成してその団結をはかり、兵器は出来上がり次第支給するとの考え方に基づいたのである。」(本書253頁)。
本書から読み取れること沢山ある。今また、国家の政策から、企業の経営におけるまで、思い当る事例が増えているように感じてならない。
何れも、陸海軍の中枢部に在職した中堅軍人の、貴重な覚書として、戦場に居た兵士や軍人の手記・従軍記とは異なる、俯瞰的価値を持つ貴重な記録であると思う。
本書と高木惣吉氏の『太平洋海戦史 』を比較した場合、以下の二つの大きな差異に気が付く。
海戦は、瞬間~数日間で勝敗が決まり、沈めた船、沈められた船の数や経緯は、記録として残る為、事実関係の把握はかなり可能だろう。陸戦の場合は、月単位~年をまたぐ戦況の推移を辿らなければならない。半日・一日の会戦で勝負が着く時代は、陸戦では過去のものになっていた。東京の参謀本部や、陸軍省の机の上で、報告書を見ていただけでは、判ることに限度がある。共に、アリューシャン列島~ビルマまでの広大な戦場の、戦局の推移を辿りながらも、その制約を受けているのが本書だろう。以上が一つ目の差異だが、参謀本部や陸軍省の、認識レベルを知る上では、非常に参考になると思う。
二つ目は、軍の組織体質への批判的視点だ。高木惣吉氏の『太平洋海戦史 』が海軍の組織体質について、意識的に批判しているのに対して、本書は、当時の陸軍中枢部の、判断を正直に示すことにより読者の判断に委ねる姿勢をとっている。
「米機動艦隊のトラック島攻撃は陸軍統帥部を非常に驚かした。ミッドウェイ海戦で米海軍が島嶼基地の難攻不落性を十分に発揮したように、こんどはトラック島で日本海軍がその頑強ぶりを示してくれる番だと、陸軍統帥部は心密かに期待していたからである。」(本書125頁)。「それにもかかわらず人員の召集はどしどし進められた。それは兵器よりも人の和が大切であるとの見地から、とにかく人を招集し部隊を編成してその団結をはかり、兵器は出来上がり次第支給するとの考え方に基づいたのである。」(本書253頁)。
本書から読み取れること沢山ある。今また、国家の政策から、企業の経営におけるまで、思い当る事例が増えているように感じてならない。
2006年7月9日に日本でレビュー済み
私が印象深かった箇所を幾つかご案内します。
私を含め現代人にとっては「既に知っていること」ばかりですが、昭和26年に本書が刊行されたことを考えると、著者(終戦時は阿南陸相の秘書官)の真摯な執筆姿勢がうかがえます。高木惣吉「太平洋海戦史」とあわせて読むことをお勧めします。
1.日米開戦までの旧陸軍のあゆみ
明治以来文明開化の目的は富国強兵であり、国政において国防が優先される局面が多かった。「統帥権の独立」は、執政責任者の国防に対する無知識を誘い、それがまた一層国防の政治に対する優位と発言力を増大させた。
2.旧陸軍の作戦計画の根本思想
日本の総合国力からみて長期作戦は至難であるとされ、敵国の不意を突く開戦方式と速戦即決による作戦指導が重視された。
このため、総力戦的見地から、作戦規模と戦争指導方針を再検討する考慮が欠けていた。
3.ノモンハン事件
陸軍中央部の主流的な考えは、現代戦における物的戦力の著しい進歩に目覚めることなく、依然として精神的戦力の優越を高く評価するものだった。
第一次世界大戦において、旧陸軍は近代火力の洗礼を受けなかったため、日露戦争当時の火力感覚から抜け切れなかったと思われる。
4.必勝の信念
(太平洋戦争の)戦況不振に伴い、旧陸軍部内では必勝の信念がますます強調された。
もともと旧陸軍では「負ける」ということは「自分で負けたと思う」ことであると解釈されていた。
必勝の信念とは、「必ず勝つ、勝ち得る」信念なのか、「必ず勝たねばならぬ」信念なのか、明らかでなく、大部分の将兵は前者の「必ず勝つ」「必ず勝ち得る」という、努力感の伴わない安易な気持ちの必勝の信念を抱いていた。
私を含め現代人にとっては「既に知っていること」ばかりですが、昭和26年に本書が刊行されたことを考えると、著者(終戦時は阿南陸相の秘書官)の真摯な執筆姿勢がうかがえます。高木惣吉「太平洋海戦史」とあわせて読むことをお勧めします。
1.日米開戦までの旧陸軍のあゆみ
明治以来文明開化の目的は富国強兵であり、国政において国防が優先される局面が多かった。「統帥権の独立」は、執政責任者の国防に対する無知識を誘い、それがまた一層国防の政治に対する優位と発言力を増大させた。
2.旧陸軍の作戦計画の根本思想
日本の総合国力からみて長期作戦は至難であるとされ、敵国の不意を突く開戦方式と速戦即決による作戦指導が重視された。
このため、総力戦的見地から、作戦規模と戦争指導方針を再検討する考慮が欠けていた。
3.ノモンハン事件
陸軍中央部の主流的な考えは、現代戦における物的戦力の著しい進歩に目覚めることなく、依然として精神的戦力の優越を高く評価するものだった。
第一次世界大戦において、旧陸軍は近代火力の洗礼を受けなかったため、日露戦争当時の火力感覚から抜け切れなかったと思われる。
4.必勝の信念
(太平洋戦争の)戦況不振に伴い、旧陸軍部内では必勝の信念がますます強調された。
もともと旧陸軍では「負ける」ということは「自分で負けたと思う」ことであると解釈されていた。
必勝の信念とは、「必ず勝つ、勝ち得る」信念なのか、「必ず勝たねばならぬ」信念なのか、明らかでなく、大部分の将兵は前者の「必ず勝つ」「必ず勝ち得る」という、努力感の伴わない安易な気持ちの必勝の信念を抱いていた。
2008年6月10日に日本でレビュー済み
コンパクトな戦史だが、内容はしっかりしている。
たとえばニューギニア戦のところを読んでみた。
珊瑚海海戦とミッドウェーの敗戦によって、
海路ポートモレスビー攻略が不可能に。
7月中旬、南海支隊がブナ付近に上陸して、
そびえる山脈を分け入り、
補給が続かずついに停止命令。
撤退してブナにもどるまでが、簡潔に記されている。
ありがたい。
たとえばニューギニア戦のところを読んでみた。
珊瑚海海戦とミッドウェーの敗戦によって、
海路ポートモレスビー攻略が不可能に。
7月中旬、南海支隊がブナ付近に上陸して、
そびえる山脈を分け入り、
補給が続かずついに停止命令。
撤退してブナにもどるまでが、簡潔に記されている。
ありがたい。