「呪われた村」という表題を聞いても「それ何?」と思う人が多いだろうが「光る眼」と聞けば「ああ、あの映画か」と言う方も多いのでは無いだろうか?
実際、私は小説も映画も見て(読んで)いるが、小説「呪われた村」よりも映画「光る眼」の方が遙かに印象が強い。ちなみに映画化は2度されており、リメイク版は監督がジョン・カーペンターで知名度に勝るが、最初の映画化の方が出来がいい。これについては、時代背景を含め「ベビー・ブーマーズを思わせる」と云う越智道雄氏のコメントが優れているので特に書き加える事は無い。「これ、よく考えると宇宙人の話でなくてもいいんですよ」と云う編集者のコメントも全くその通り(笑)――あなたの知らない怪獣マル秘大百科より――。
同じ作者の「トリフィド時代―食人植物の恐怖」も映画「トリフィドの日‾人類SOS!‾ 」の方が有名であろう(邦題も「トリフィドの日」の方が素直で良かったと思う)。
小説或いは映画のどちらかしか知らなかった人は、他方を見てみるのも一興。
*私は時々ジャック・フィニイの「盗まれた街」とタイトルを混同してしまうのだが、これも「ボディ・スナッチャー」の方が有名だったりする。
*紫陽花さんが書かれている原題「ミドウィッチ村のカッコー」については全く知らなかった。知っていれば多少印象が違ったかも知れない。

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呪われた村 (ハヤカワ文庫 SF 286) 文庫 – 1978/4/1
- 本の長さ313ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日1978/4/1
- ISBN-104150102864
- ISBN-13978-4150102869
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (1978/4/1)
- 発売日 : 1978/4/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 313ページ
- ISBN-10 : 4150102864
- ISBN-13 : 978-4150102869
- Amazon 売れ筋ランキング: - 797,383位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2008年6月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
異星人による地球侵略を背景にして、作者の社会・哲学観を語った作品。ある日、イギリスのミドウィッチ村に宇宙船が飛来して村人を眠りに陥れる。一日過ぎると宇宙船は姿を消し、村人は目を醒ます。その後、村には平和が戻ったように思われたが、数ヶ月後、村中の妊娠可能な年齢の女性が全て妊娠していた事が判明する。独身女性を中心に起こる騒乱。そして産まれて来る子供への不安。だが誕生した子供は予想に反し、眼が金色な事を除けば普通の子供だった。しかし、子供が成長するうち、子供等は人間の心を操れる事が分かる。しかも、子供らに反抗心を持つ人間は容赦なく抹殺する。この子供らにどう対処したら良いのか...。
奇想天外な設定の割には、作者は異星人vs地球人の華々しいあるいはドロドロした闘いを中心に描くつもりはなかったようである。代わりに、ミッシング・リング問題を含む進化論への懐疑、代理母の意義、母性愛、人種問題への根源的な問い掛けなどの社会・哲学的問題を語りたかったような気がする。物語の進行は地道である。
原題は「ミドウィッチ村のカッコー」である。他の鳥の巣に我が子を産んで、最終的にはその巣を乗っ取ってしまう事で知られるカッコーの名を借りたこの題名は巧いと思った。本作で親鳥の事を考えると、怖さが滲んで来る。
奇想天外な設定の割には、作者は異星人vs地球人の華々しいあるいはドロドロした闘いを中心に描くつもりはなかったようである。代わりに、ミッシング・リング問題を含む進化論への懐疑、代理母の意義、母性愛、人種問題への根源的な問い掛けなどの社会・哲学的問題を語りたかったような気がする。物語の進行は地道である。
原題は「ミドウィッチ村のカッコー」である。他の鳥の巣に我が子を産んで、最終的にはその巣を乗っ取ってしまう事で知られるカッコーの名を借りたこの題名は巧いと思った。本作で親鳥の事を考えると、怖さが滲んで来る。
2021年5月30日に日本でレビュー済み
原題は”The Midwich Cuckoos”。
『ミドウィッチ村のカッコウ』
生き物の生態とかに一寸でも興味のあるヒトなら
思わず、小膝叩いてニッコリ笑いたくなるような名タイトルなのに。
本を手に取るたびに、ア~もったいない。
『未知空間の恐怖/光る眼』の原題
”Village of the Damned”の
Damndには<地獄の 亡者 たち>
とも訳せるみたいだから、どっちもどっち。
ハヤカワSFシリーズ初期になんとか一見さんに
本屋の棚から手に取ってもらえそうな
即物的なネーミングにしたんだろう?
'60年代と'90年代に2度にわたって映画化される
ウィンダム侵略SFの傑作。
なれど・・・現代ではこの映画の方を高く評価する
論調が多いみたい?
たしかに2本ともサスペンスフルな傑作だし
原作の廻りくどそうなところが敬遠されてるのかな?
でも、映画を見たら是非とも
小説の方も手に取ってみた欲しい。
文中の一節
“・・・ちょうどあの気の毒なツグミの母親のように、
われわれも種族を裏切ってまで、
この怪物を養育していくことになるのだよ”(林克己・訳)
は一応の決着がついた映画のラストのあとでも
ココロ凍り付くことウケアイ。
『ミドウィッチ村のカッコウ』
生き物の生態とかに一寸でも興味のあるヒトなら
思わず、小膝叩いてニッコリ笑いたくなるような名タイトルなのに。
本を手に取るたびに、ア~もったいない。
『未知空間の恐怖/光る眼』の原題
”Village of the Damned”の
Damndには<地獄の 亡者 たち>
とも訳せるみたいだから、どっちもどっち。
ハヤカワSFシリーズ初期になんとか一見さんに
本屋の棚から手に取ってもらえそうな
即物的なネーミングにしたんだろう?
'60年代と'90年代に2度にわたって映画化される
ウィンダム侵略SFの傑作。
なれど・・・現代ではこの映画の方を高く評価する
論調が多いみたい?
たしかに2本ともサスペンスフルな傑作だし
原作の廻りくどそうなところが敬遠されてるのかな?
でも、映画を見たら是非とも
小説の方も手に取ってみた欲しい。
文中の一節
“・・・ちょうどあの気の毒なツグミの母親のように、
われわれも種族を裏切ってまで、
この怪物を養育していくことになるのだよ”(林克己・訳)
は一応の決着がついた映画のラストのあとでも
ココロ凍り付くことウケアイ。