「異形の王」として、倒幕・天皇親政を目指した後醍醐天皇。
その建武の新政を岐点とした南北朝内乱の時代、大規模な歴史的亀裂が存在したと作者は言いたいようだ。
「聖なるもの」と結びつくことで、租税免除・自由交通権を得て交易を担った人々のなかに、遍歴を生業とした職能人がいた。彼らは一目でそれと判る「異形」な姿をしいた。その「婆娑羅」の姿は、後醍醐の登場とともに西国を席巻したが、「聖なるもの」の失墜の後、その威光を失い、「異形」なるがゆえに差別の対象になったという。
このように、列島を舞台に営まれている人々の生活風俗。その深層の流れが、マントルのように、時代の亀裂から噴出したのだ。
作者はこうもいっているようだ。
この深層対流は、この現代のほの暗い底にも流れているのだ。その流れを知ることが、私たち自身を知ることに繋がる筈だと。

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中世的世界とは何だろうか (朝日文庫) 文庫 – 2014/9/5
網野善彦
(著)
「日本は島国」といった、日本の成り立ちに関する常識や通説に向けて問題を提起し、
柔軟な発想と深い学識で新たな列島像を展開する一冊。
「源氏と平氏」「名前と系図をさかのぼる」などのテーマで、網野史学の世界を一望する。
【目次】
I
海民と遍歴する人びと
II
源氏と平氏
後醍醐
婆娑羅の風
楠木正成の実像
III
「聖」と「俗」の境で――中世の職能民
遊女・傀儡・白拍子
庭
税と交易
宴と贈り物
楽市と駆込寺
IV
名前と系図をさかのぼる
今後の課題――あとがきにかえて
柔軟な発想と深い学識で新たな列島像を展開する一冊。
「源氏と平氏」「名前と系図をさかのぼる」などのテーマで、網野史学の世界を一望する。
【目次】
I
海民と遍歴する人びと
II
源氏と平氏
後醍醐
婆娑羅の風
楠木正成の実像
III
「聖」と「俗」の境で――中世の職能民
遊女・傀儡・白拍子
庭
税と交易
宴と贈り物
楽市と駆込寺
IV
名前と系図をさかのぼる
今後の課題――あとがきにかえて
- 本の長さ232ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2014/9/5
- 寸法14.8 x 10.5 x 14.8 cm
- ISBN-104022618094
- ISBN-13978-4022618092
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