本書で扱われている主題は、第1章「天地創造」(ミケランジェロ)、第2章「アダムとエヴァ」(マザッチョ)、第3章「水浴のスザンナ」(ティントレット)、第4章「バテシバの不倫」(レンブラント)、第5章「『雅歌』とサロメの踊り」(モロー)、第6章「受胎告知」(フラ・アンジェリコ)、第7章「最後の晩餐」(レオナルド・ダ・ヴィンチ)ですが、名前を挙げた画家の作品だけでなく各主題に関連する他の画家による名画(時に浮彫、彫刻)も各章に幅広く配されており、聖書の「正典」にとどまらず「外典」に出てくる物語にまで触れて聖書の世界をわかりやすく解説してくれます。本書の「です・ます」調の語り口もあって、聖書が名画の中でどのように息づいているのかを丁寧に読み解く名講義をじっくりと聴いているような趣があります。
最終章の第7章結びに次の一節があります。「<<最後の晩餐>>が傑作であるのは、単に新約聖書に記された物語を巧みに表現しているからだけではありません。その表現を通して、目に見えないものをもまた描き出しているからです。そしてその目に見えないものとは、新約聖書には記されていないイエスの心の物語であるということができるでしょう。そしてそれを可能にするものこそ、画家の信仰心であり、神への愛なのではないでしょうか。」 この言葉には強く心を打たれました。
* なお誤植かと思いますが111ページの中ほどにイギリス人画家ビアスリーの挿絵に関連して「(1984年)」と記載されている箇所は「(1894年)」が正しいはずです。次ページの図版には1894年と記載されています。
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ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」はなぜ傑作か?: 聖書の物語と美術 (小学館101ビジュアル新書) 新書 – 2014/8/1
高階 秀爾
(著)
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名画に描かれた聖書とキリスト教の世界
ヨーロッパ社会において2000年以上にわたり、人々の日常生活や精神活動の礎として大きな役割を果たしてきたキリスト教。美術の分野もまたその例外ではなく、キリスト教と聖書の物語は、多くの名画を生み出す源泉となってきました。
本書は、レオナルド・ダ・ヴィンチやラファエロ、ミケランジェロ、ボッティチェリ、フラ・アンジェリコ、ティツィアーノ、レンブラント、ルーベンス、モロー、マネなどルネサンスから近代に至る数々の巨匠たちが、聖書の物語をどのように描いてきたのか、またそれらの名画のなかに聖書がどのように息づいているのかを読み解き、多くの美麗な図版、詳細な部分図とともに、わかりやすく解説していきます。
既刊『ミロのヴィーナスはなぜ傑作なのか――ギリシャ・ローマの神話と美術』(823029)の姉妹編ともいうべき入門書です。2013年9月~10月に行われたNHK文化センター講演「聖書の図像学――物語とイメージ」(全7回)をもとに、大幅に加筆修正。
ヨーロッパ社会において2000年以上にわたり、人々の日常生活や精神活動の礎として大きな役割を果たしてきたキリスト教。美術の分野もまたその例外ではなく、キリスト教と聖書の物語は、多くの名画を生み出す源泉となってきました。
本書は、レオナルド・ダ・ヴィンチやラファエロ、ミケランジェロ、ボッティチェリ、フラ・アンジェリコ、ティツィアーノ、レンブラント、ルーベンス、モロー、マネなどルネサンスから近代に至る数々の巨匠たちが、聖書の物語をどのように描いてきたのか、またそれらの名画のなかに聖書がどのように息づいているのかを読み解き、多くの美麗な図版、詳細な部分図とともに、わかりやすく解説していきます。
既刊『ミロのヴィーナスはなぜ傑作なのか――ギリシャ・ローマの神話と美術』(823029)の姉妹編ともいうべき入門書です。2013年9月~10月に行われたNHK文化センター講演「聖書の図像学――物語とイメージ」(全7回)をもとに、大幅に加筆修正。
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2014/8/1
- 寸法10.9 x 1.1 x 17.3 cm
- ISBN-104098230305
- ISBN-13978-4098230303
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商品の説明
著者について
1932年東京生まれ。美術史家。大原美術館館長。東京大学教養学部卒業。東京大学教授、国立西洋美術館館長などを経て現職。東京大学名誉教授。 著書に、『誰も知らない「名画の見方」』(小学館)、『名画を見る眼』『続 名画を見る眼』(以上 岩波新書)、『ルネサンスの光と闇』(中公文庫)、『世紀末芸術』(ちくま学術文庫)、ほか多数。
登録情報
- 出版社 : 小学館 (2014/8/1)
- 発売日 : 2014/8/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 192ページ
- ISBN-10 : 4098230305
- ISBN-13 : 978-4098230303
- 寸法 : 10.9 x 1.1 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 380,770位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2016年2月7日に日本でレビュー済み
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2014年11月13日に日本でレビュー済み
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題名に惹かれて購入しました。
旧約聖書の内容が詳しく書かれていて、ルネッサンス時代の名画にドラマがあることがわかりました。
今まで、意味も知らずに見ていた、でも好きで見ていた絵画を少し内容を理解した今、もう一度見てみたくなりました。
てっとり早く大塚美術館のシスティーナ礼拝堂の中で一日過ごそうと思っています。66歳のおばさんをそんな気分にさせた本です!
旧約聖書の内容が詳しく書かれていて、ルネッサンス時代の名画にドラマがあることがわかりました。
今まで、意味も知らずに見ていた、でも好きで見ていた絵画を少し内容を理解した今、もう一度見てみたくなりました。
てっとり早く大塚美術館のシスティーナ礼拝堂の中で一日過ごそうと思っています。66歳のおばさんをそんな気分にさせた本です!
2014年9月14日に日本でレビュー済み
著者は美術史の泰山北斗、高階秀爾先生。同じ<小学館101ビジュアル新書>シリーズの筆頭を飾る『
Art 1 誰も知らない「名画の見方
』(2010年)では、西洋絵画を“決まり”に則って解釈するのではなく、鑑賞者がもっと自由闊達に味わうことを推奨していて、高階先生ほどの大御所がこんなに自在な美術鑑賞を読者に許してくれていることに深い感銘を受けたものです。
今年2014年2月に同シリーズから上梓された『 ミロのヴィーナスはなぜ傑作か?: ギリシャ・ローマの神話と美術 』でも、泰斗・高階先生は「です・ます」調の簡明平易な言葉遣いで、読者を優しく導いてくれました。
今年8月刊のこの『ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」はなぜ傑作か?』は、旧約・新約聖書の物語を描いたルネサンス以降の絵画に触れながら、それぞれの作品の時代背景や絵画技法の変遷についてやさしく解説してくれています。
そもそも西洋の絵画は単に「眺める」ものではなく、書物のように「読む」ものでした。識字率の低い時代にあって、人々に聖書を理解させる役割を担っていたのです。
そして15世紀に東ローマ帝国の帝都コンスタンティノープルが陥落すると、多くのギリシア人学者たちが、アラブ世界に保存されていた古代ギリシア・ローマの貴重な文献とともにイタリアに亡命します。これを契機にルネサンスが興り、古代彫刻の理想的なプロポーションに基づく人体表現や、遠近法・陰影法が確立されていきます。
高階先生がこの書の中で取り上げる聖書物語は、天地創造、アダムとエヴァ、水浴のスザンナ、バテシバの不倫、雅歌とサロメの踊り、受胎告知、そして最後の晩餐です。
ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」はなぜ傑作なのかという書名にある問いかけに対して高階先生はまず、ダ・ヴィンチ作品とほぼ同時代の様々な「最後の晩餐」を取り上げていきます。ジョット、カスターニョ、ロッセリ、ヴェロネーゼ――。使徒の中に裏切り者がいるという衝撃的な発言によってかき乱される登場人物たちに比して、キリストの表情の静謐感、そしてそれが生み出す画面全体に漂う静寂感。その背後には深い信仰心が読み取れるというのです。
この<小学館101ビジュアル新書>シリーズは上質な紙に美しい図版がたっぷりと盛り込まれています。価格はそれなりにしますが、絵画を読み解くことの喜びをじっくりと味わわせてくれるこの叢書を私は愛してやみません。
*46頁に一箇所だけ校閲ミスがあります。「具体的に書いてあるわけではりません」と表記されていますが、正しくは「具体的に書いてあるわけではありません」。「あ」の字が抜けています。
今年2014年2月に同シリーズから上梓された『 ミロのヴィーナスはなぜ傑作か?: ギリシャ・ローマの神話と美術 』でも、泰斗・高階先生は「です・ます」調の簡明平易な言葉遣いで、読者を優しく導いてくれました。
今年8月刊のこの『ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」はなぜ傑作か?』は、旧約・新約聖書の物語を描いたルネサンス以降の絵画に触れながら、それぞれの作品の時代背景や絵画技法の変遷についてやさしく解説してくれています。
そもそも西洋の絵画は単に「眺める」ものではなく、書物のように「読む」ものでした。識字率の低い時代にあって、人々に聖書を理解させる役割を担っていたのです。
そして15世紀に東ローマ帝国の帝都コンスタンティノープルが陥落すると、多くのギリシア人学者たちが、アラブ世界に保存されていた古代ギリシア・ローマの貴重な文献とともにイタリアに亡命します。これを契機にルネサンスが興り、古代彫刻の理想的なプロポーションに基づく人体表現や、遠近法・陰影法が確立されていきます。
高階先生がこの書の中で取り上げる聖書物語は、天地創造、アダムとエヴァ、水浴のスザンナ、バテシバの不倫、雅歌とサロメの踊り、受胎告知、そして最後の晩餐です。
ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」はなぜ傑作なのかという書名にある問いかけに対して高階先生はまず、ダ・ヴィンチ作品とほぼ同時代の様々な「最後の晩餐」を取り上げていきます。ジョット、カスターニョ、ロッセリ、ヴェロネーゼ――。使徒の中に裏切り者がいるという衝撃的な発言によってかき乱される登場人物たちに比して、キリストの表情の静謐感、そしてそれが生み出す画面全体に漂う静寂感。その背後には深い信仰心が読み取れるというのです。
この<小学館101ビジュアル新書>シリーズは上質な紙に美しい図版がたっぷりと盛り込まれています。価格はそれなりにしますが、絵画を読み解くことの喜びをじっくりと味わわせてくれるこの叢書を私は愛してやみません。
*46頁に一箇所だけ校閲ミスがあります。「具体的に書いてあるわけではりません」と表記されていますが、正しくは「具体的に書いてあるわけではありません」。「あ」の字が抜けています。
2014年11月12日に日本でレビュー済み
泰斗による、大変わかり易く、内容的にも「間違いのない」1冊である。
超入門書であり、西洋美術に興味を持ち始めたばかりの方が読者として想定されているのであろう。
教科書代わりにさらっと読めるので敷居も低い。
超入門書であり、西洋美術に興味を持ち始めたばかりの方が読者として想定されているのであろう。
教科書代わりにさらっと読めるので敷居も低い。
2014年9月22日に日本でレビュー済み
最後の晩餐、アダムとイブ、受胎告知など、誰もが目にしたことのある名画を、いろいろな画家がそれぞれの描き方で描いてきたことが、豊富な図版でわかりやすく解説されていて、まるで読む画集といったおもむき。見逃しがちな細部にこめられた重要な意味を高階先生がていねいに解き明かしてくれていて、<キリスト教で邪悪の象徴とされる猫がこんなところに描かれていたとは!>といった愉快な驚きがいくつも散りばめられ、伝説の名君も不倫をし、絵画の巨匠も女性の裸を描きたがったといったことが、楽しく学べる!