【4月9日 AFP】男子テニス、元ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)王者のボリス・ベッカー(Boris Becker)氏(54)は8日、2017年の破産宣告をめぐる英ロンドンでの陪審裁判で有罪評決を受け、最大7年間の禁錮刑に直面する可能性が出てきた。

 2012年から英国に居住しているベッカー氏は、サザーク刑事法院(Southwark Crown Court)での裁判で、ウィンブルドンの二つのトロフィーを含む多額の資産隠しで借金返済を回避した罪に問われている。

 審理では資産を差し押さえようとする破産管財人に協力したことや、結婚指輪まで提示した上に、テニスから離れた人生を送るというアドバイスにも従ったと主張。現役時代には約5000万ドル(約62億円)に上る賞金やスポンサー契約料を勝ち取るなど「巨額」の稼ぎがあった一方で、1999年の引退後は収入が「激減した」と明かした。

 現在世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)を指導していたこともあるベッカー氏はまた、2001年に元妻のバーバラ(Barbara)さんと離婚した際に、2人の息子の高額な養育費など多額の慰謝料が必要になったとも訴えた。

 しかし、陪審員はベッカー氏が財産を持ち出しに加え、財産開示の不履行と債務隠しの2件など計4件について有罪と判断。一方で、残り20件の罪状については無罪とした。

 デボラ・テイラー(Deborah Taylor)判事は、最大禁錮7年の刑が言い渡される今月29日の判決に先立ち、通算6度の四大大会(グランドスラム)制覇を誇るベッカー氏を条件付きで保釈した。(c)AFP/Julian Guyer